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「パンが無ければお菓子を食べればいいじゃない」 フランス王妃マリー・アントワネットの食事 

マリー・アントワネットが 「パンが無ければお菓子を食べればいいじゃない」

と飢餓に苦しむフランス国民に言い放ち大顰蹙を買ったエピソードはとても有名です。

マリー・アントワネットのそんな空気の読めなさが最終的にフランス革命を引き起こした、

というのが歴史の定説ですね。

しかしこの発言、実は様々な間違いがあるというのはご存じでしょうか?

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まず代わりに食べればいいと言われたのはケーキではなくブリオッシュだと言われています。

ブリオッシュというのは水の代わりに卵と牛乳を使ったどちらかというと菓子パンに近いパンです。

パンが無いのに菓子パンを食べろと言っているので、どちらにしろ大概な発言ではありますが

敢えてブリオッシュをケーキと訳したところにより訳者の悪意を感じますね。

発言者の空気の読めなさがより強調された良い訳だと思います。

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↑ブリオッシュ

 

また、このパンが無ければ~発言がそもそも実はマリー・アントワネットのものではない、とも言われています。

有名な哲学家ルソーによると、パンを食べたいのにドレスコードの関係でパン屋に行けなかったルソーに

身分の高い女性がルソーに言い放ったものなのだそうです。

 

それが本当だとすると 「飢餓に苦しむ国民に向けた空気を読めない発言」 というこの言葉の根幹にあるものも揺らぎます。

このようにマリー・アントワネットに関する悪評やエピソードは後世の人間の間違いや誤解によるものも少なくありません。

マリー・アントワネットもフランス王妃として問題のある人物ではあったでしょうが、

国が傾くほどの贅沢をしたというのは間違いだ、という研究が後世の歴史家達にもされています。

 

マリー・アントワネットと言えば件のケーキ発言や映画の影響のせいか豪華絢爛な部屋で

豪勢な料理が並んでいる中、カラフルな色のマカロンを食べている画がなんとなく浮かびますが、

これらのイメージの多くもまた間違いであると言えます。

 

カラフルな色のついたマカロンは現代になってから作られるようになったもので

当時のマカロンは卵白とアーモンドを合わせて焼いた素朴なお菓子だったと言われています。

では、実際、マリー・アントワネット何を好んで食べていたのでしょうか?

 

甘党であった、というのは本当のことでマリー・アントワネットはクグロフという

決して豪勢ではない、どちらかと言えば質素な伝統的なドイツ起源の焼き菓子を好んだと言われています。

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バターや卵、小麦、イースト麦やナッツなどを捏ねた焼いたもので

「クグロフ型」 と呼ばれる真ん中に穴の開いた鐘のような形状が大きな特徴です。

 

フランス王家に嫁いでからもマリーは 「毎朝朝食にクグロフを出せ」 と命ずるほどこの焼き菓子を愛していました。

革命後、タンプル塔に幽閉されている時も、クグロフを好んで食べたというエピソードも残っています。

もともと政治のために無理やりオーストリアからフランスに嫁がされたマリーにとって故郷を彷彿とさせるクグロフは

特別なご馳走だったのかもしれません。

実際マリーは慣れ親しんだドイツ料理と嫁ぎ先のフランス料理の食習慣の違いにはずいぶん辟易とさせられていたようで

公式の宮廷晩餐会の際には個室でこっそりドイツ式のキャベツを煮込んだスープを隠れて飲んでいたというエピソードもあります。

豪華絢爛に見えて実は食事に苦労していた、というのは少し意外ですね。

 

食事以外にもフランスとドイツの文化、生活習慣の違いに色々苦労していたようで

おまけに国王のルイ16世は自分に構ってくれない…それが原因でフランス国民を省みることが少なくなり

「ベルサイユのばら」 でも有名なフェルセン伯爵との不倫に走ってしまったのですが…。

 

結果フランス革命がおこり、マリー・アントワネットはタンプル塔に幽閉されます。

そんな彼女にある日執事のロザリーがパセリの入ったブイヨンスープを持って来ます。

 

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最初はスープを固辞するマリーですが執事はそれでもスープを勧めます。

執事の勧めを断りきれずスープを口にするマリー。

「ベルサイユのばら」 でもこのスープを飲んでマリーの心がいくばくか温まった、というエピソードがあります。

そしてこれが彼女にとって最後の食事となりました。

 

マリー・アントワネットに限らず壮大の歴史の裏には食べ物や食事が絡んできます。

それらをズームアップして見てみるとさまざまなエピソードが垣間見えて

歴史の違った一面が見えてまた面白いのではないでしょうか。

 

by tori

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