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猫の★★★で作った世界で一番高いコーヒーを飲んでみた

コピ・ルアクというインドネシアで作られた世界で番高価だと言われているコーヒーをご存じですか?

1杯8000円するとも言われるコーヒーですが製造法に特徴があります。

 

その製造法はネコにコーヒー豆を食べさせその排泄物(ウンチですね)から

取り出したコーヒー豆で作るという大変変わったものになっています。

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↑え?僕ですか…!?

 

実際は普通のネコではなくジャコウネコという変わったネコの食べたコーヒー豆を使用するそうです。

ジャコウネコは良質のコーヒー豆しか食べないので、そのフンには質の高いコーヒー豆が多く含まれ

さらにジャコウネコの腸内でコーヒーが化学変化を起こし、より上品な風味の豆が出来ると言われています。

そんなフンを洗ってそこから豆を取り出すのでわずかな量しか採取できないと言われています。

 

02

 

 

 

↑ネコというよりはイタチのようないでたちです。

 

そんなコピ・ルアクですが前にバリ島に行った時に買って来たので飲んでみることにしました。

粉は明るい茶色をしていてとても細かい印象を受けます。

03

 

 

飲み方も多少特徴があって淹れたらコーヒーが沈殿するのを待って

その上澄みを飲む、というようになっています。

04

 

↑コーヒーが沈殿してるのがわかりますでしょうか。

 

匂いを嗅いでみると普通に上品なコーヒーの心地よい風味が鼻をくすぐります。

気になる味ですがひとことで言うと不思議な味です。

コーヒーの酸味や苦みは少なく喉ごしは非常にスッキリしているのですが代わりに

ハーブのような風味がある後味が尾を引きます。

エスニックな味というかとりあえず日本ではあまり味わうことのない後味が非常にクセになる一品でした。

 

それにしてもどうすれば「ネコにコーヒー豆を食べさせて、排泄物からコーヒーを作る」なんて

製造法に至ったのでしょうか?

 

インドネシアは当時オランダの植民地としてインドネシアの現地人はオランダ人の荘園で働かされていました。

オランダの人々は当時からコーヒーを美味しそうに飲んでいました。

それを見たコーヒー豆荘園で働く現地の人は「自分たちもコーヒーを飲んでみたい」と思ったそうです。

しかし販売用のコーヒー豆を現地の人が勝手に食すには高価なコーヒーを飲むことはかないません、

それでも飲んでみたいと思った現地人はジャコウネコのフンからこっそりコーヒー豆を採取し飲んでみたら

とても美味しかった…というのがはじまりだと言われています。

 

そんなコピ・ルアクですがインドネシアのお土産で買うのが一番確かですが

日本でも飲ませてくれる店はちょくちょく存在します。

決して安い値段ではないかもしれませんが、興味がある人は一度足を運んでみてはいかがでしょうか?

by tori

 

 

 

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現在は、薬膳やカラーの発想を取り入れながら食卓をつくる、フードディレクターとしても活動しています。

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週末や長期休暇のたびに、おいしいもの(とお酒)を求めて国内外へ旅に出かける日々…。
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Written by obaya

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小学生きりこの好物「白玉」

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どのくらい好きかというのは、給食に白玉が登場した時の説明がすべてを物語っています。

口に含み、噛まずに、舌の下や奥歯と頬の間で慈しみ、五限目が始まる頃まで置いておくことが、きりこにとって至上の喜びであった。

…なんとなく、美しい日本語で書かれていて騙されそうになりますが、きりこの白玉の食べ方、きたない!!
さらに、口の中にある白玉を友だちに見せびらかすなんてことも、やらかしています。

時間が経ってもなお張りを失わない、白玉のエロティックな、舌触り!

って、さすがの表現というか、白玉のエロティックさに、思わず「そうか」と納得しそうになりましたが、これ、自分の子どもがしていたら、確実に叱りつけるヤツだわ!と思いながら読んでいました。

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相棒の猫・ラムセス2世との出会いのきっかけが、白玉

きりこは白玉が給食として出たある日、白玉に夢中になり過ぎて、昼休みに皆に「シロツメクサ摘み」をやろうと言おうと思っていたのに、出遅れてしまいます。
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長縄跳びをしている皆に「シロツメクサ摘みやろうや!」(きりこは関西弁です)と言いに行くわけですが、皆は長縄跳びに夢中で聞いてくれません。
そこで、思わず大声を出してしまい、案の定大切な白玉がポンと口から出てしまいます。

うちの可愛い可愛い、白玉……。

と打ちひしがれたきりこは涙をこらえながら、こういうのです。

お墓に埋めたるわな。

そこまで溺愛されているとは!何て幸せな白玉でしょうか。
私なら、落とした白玉のお墓を作るなんて、思いつきもしません。
きたない!とか思って申し訳ない気持ちになりました。
まぁ、その直後、お墓を作ろうと体育館裏に移動したきりこは、後に大切な相棒となる猫の「ラムセス2世」と出会い、

白玉をぽいっと、地面に投げ捨てた。

わけですが。

【おいしい小説】子供の頃にした?『きりこについて』独特過ぎる白玉の食べ方

これは、愛してやまない白玉を投げ捨てることで、ラムセス2世との出会いの衝撃を表現しているのか、ただ単に「大好きな白玉を落としてしまって、かわいそうな自分」の世界から目を醒ましただけなのかは分かりませんが、きりこにとって白玉はかけがえのない相棒と出会うきっかけになった食べ物であることは間違いありません。

その食べ方、そういえばしてたわ!

子どもがしてたら叱る、といいましたが、自分の好きな食べ物をずっと口に含む食べ方って、子どもの頃しませんでしたか?
思い起こせば子どもの頃、私はアーモンドチョコレートのアーモンドをずっと口に含んでいました。
我が家の子どもたちはグミで実行しています。
見つけ次第、注意しますが、いっこうに直る気配はありません。
自分も思い当たる節がありすぎるので、あまり強くも言えないですよね。
今度からは、大好きな食べ物の味をずっと感じていたいんだな、と大きな心で見守っておきます。
そして、もし口からポロリと落としてしまったら、いっしょにお墓を作ってあげようと思います。

Written by フジイ

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イタリアの価値観「ドルチェ・ファル・ニエンテ」に教わる日常生活の送り方

子どもから大人まで誰もが愛するあの料理がわたしのソウルフード

わたしのソウルフードはおにぎりだ。そのルーツは幼少時代まで遡る。父が仕事で忙しかったせいもあって、当時のわたしは異常な程のお母さん子だった。父に対する認識は「たまに家にいる知らないおじさん」。

そんな関係なのに、突如母が短い間で入院することになり、夜は父と二人きりでご飯を食べるという状況になった。父と二人、何を話せばいいかもわからない。

父はそんな私の心を開こうと、毎日いろんなレストランや食堂に連れて行ってくれた。なかでも一番印象に残ったのが、「かにや」という長崎にあるおにぎりの専門店である。

白米はとても柔らかく、ほのかに湯気がたっていて、具材はうめ、しゃけ、昆布などのスタンダードなものから、塩さば、きゃらぶき、牛すじの甘辛煮…など本格的なものまで。シンプルで、かつ温かみのある柔かいおにぎりは、当時2歳だったわたしでもぺろりと食べてしまうほど。母の作ってくれるおにぎりを忘れるくらい、そして母自身を忘れてしまうくらい、そのときは目の前のおにぎりに夢中になれた。

普段お出かけしない街中の広いお店と、優しい父と、子どもサイズの小さいおにぎりと。食べることがわたしと父を繋いでくれたのだ。

この出来事がきっかけでわたしのソウルフードはおにぎりになり、それは大人になった今でも変わらない。

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食べることは快楽。おにぎりでもピザでも、好きなものを食べられる「歓び」は同じ

エリサベス・ギルバートのベストセラー小説を映画化したヒューマンドラマ「食べて、祈って、恋をして」は、人生に迷った一人の女性の生き樣を描いた、じつに綺麗な映画だ。

ジュリア・ロバーツ演じる主人公リズは、離婚や失恋を経験し、苦悩を経たのち、慌ただしく時間が流れるニューヨークでの生活を捨て、旅に出る。

最初に訪れる場所は、ヨーロッパ屈指の美しい国、イタリア。
伝統的な美味しい料理を味わいながら、イタリア人と交友関係を築いていくリズは、イタリア人から「快楽」とはどういうものかを学ぶ。

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©Sony Pictures Entertainment (Japan) Inc.

Dolce far niente. ドルチェ・ファル・ニエンテ

ローマ人、ルカがリズに問う。

「快楽は人間の当然の権利なのに、なぜ楽しまないんだ?」

「アメリカには娯楽があっても、快楽はない。
毎日朝から晩まで働いて、楽しむことを罪だと思っている。だから週末はパジャマをきて家でテレビを見るだけで終わってしまうんだ」

イタリアにはこういう言葉がある。

Dolce far niente. ドルチェ・ファル・ニエンテ―“何もしない歓び“

このイタリア語は、イタリア人の価値観をそのまま表しているといえる。やりたいことをやって、行きたいところに行って、そして、食べたいものを食べたいだけ食べる。パスタ、ピザ、ワイン…食の宝庫と呼ばれるほど、美味しいものがたくさんあるイタリアでは「食」こそが彼らの歓び。「食」が、快楽を人生の最優先とした「ドルチェ・ファル・ニエンテ」という価値観の源となっているのだ。

Eat-Pray-Love_02

©Sony Pictures Entertainment (Japan) Inc.

食べることを楽しんでいた頃をもう一度思い出し、食という快楽を楽しむ生き方へ

何もかもが忙しくめぐる日本は、ローマ人ルカが言うニューヨークの生活とほとんど同じ状況だ。毎日無理な仕事に追われているため、時間がない時にでも簡単にすませられるファーストフードやコンビニ弁当が人気になっている。 食べることが快楽や愛情だったころのことを忘れてはいないだろうか?

日本食は見た目も味も本当に素晴らしい。ユネスコ無形文化遺産に登録された料理が身近にある中で生活をしているわたしたちは、非常に恵まれている。つまり “ドルチェ・ファル・ニエンテ”という生き方を飾るに充分な、快楽に満ちた食べ物で溢れているのだ。

仕事で充実するのは大事だが、今一度思い出してみるのはどうだろう。あの店のあのおにぎりが食べたい…あの店のパスタやピザが食べたい…ふとした時の、その思い。

仕事を忘れて、一休みして、ベンチに座って青空を眺めながら、あなたの片手にはどんな美味しいものがあるだろうか。

Written by Hikari

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ロサンゼルスの夜食はキャットフード de ハードボイルド!

”ハリウッドに最も嫌われ、そして愛された男”が作ったハードボイルド映画

「ロング・グッドバイ」というエリオット・グールド主演のハード・ボイルド探偵の原点的な映画がある。監督のロバート・アルトマンは「ハリウッドに最も嫌われ、そして愛された男」と言われている。

風変わりな嫌われ者の方が、私は好きだ。いつだって、みんなと同じことを嫌う「カリスマ」が世界を変えてきたし、そういう男こそハード・ボイルドじゃないか。

この映画の音楽はハリー・ポッターとスター・ウォーズのあのテーマを作曲したジョン・ウイリアムズ。オープニングのけだるいBGMとともに、深夜のロサンゼルス、ネオンの街並み、美しいハイウェイが映ると、もう気分は自由気ままな私立探偵。

猫と女とハードボイルドとキャットフード

この映画で紹介したいのは「キャットフード」、である。

「食×映画」だとか「みなさまの『自己満食』を応援する」だとかなんだとか言いながら、キャットフード。食べてもないのに、どうやってヤミつきになるか分かるんだよ!と思われそうだが、

想像するんだよ。

それがハード・ボイルドの、ハード・ボイルドたる所以なのである(食べるのはさすがに無理です)。

主人公の私立探偵・フィリップ・マーロウはネコを飼っている。深夜3時、飼いネコに「ねえねえ、ご飯作ってよ!」とムリヤリ起こされるところから、この物語は始まる。

マーロウはべッドに寝てはいるが、靴は履いたまま、スーツのまま着替えもせずに髪はボサボサ。眠たい目をこすりながらキッチンに入り、キャットフードの入った缶を漁るも、ちょうどきらしてしまっていることに気づく。そこで仕方なく、卵とヨーグルトと調味料を皿にかき混ぜて、その場しのぎのご飯を作ってあげる。(こうやって結構ごまかしちゃうよね)だけど、美食家のネコは知らんぷり。こんなの食えるか!とでも言わんばかりに、皿を床へヒックリ返してすっかり拗ねてしまう。

しぶしぶネクタイを締め直し、近くのスーパーへと向かうマーロウ。キャットフードを求め歩く、深夜のロサンゼルスが美しい。まるで街じゅうのネオンが監督ロバート・アルトマンに味方しているかのよう。

…深夜のコンビニへの道中ってわくわくするけど、コンビニまでの道がこんなに美しかったらなあ…。

マーロウは深夜のスーパーマーケットを練り歩き、キャットフードの缶詰がある陳列棚まで歩くが、愛猫のお気に入り、「カレー印のキャットフード」だけがない。すかさず通りがかった店員に声を飛ばす。

「ヘイ!カレー印のキャットフードはないのかい?」

「…ありませんよ、こっちはどうです?こっちだってたいして変わらない」

「ダメだよそれじゃあ、あんたネコ飼ったことないだろ?」

「うん、ないよ、だって女のほうがいいもん。」

おお、その通りだな…、と言い負かされるマーロウの仕草がなんとも愉快。

結局いつもとは違うキャットフードを買って帰ったマーロウは、ネコにばれないように「カレー印のキャットフード」の空き缶に中身だけを移し替える。ほーらお前の大好物の、「カレー印のキャットフード」だぞ!とネコに差し出すも、匂いを嗅いだ瞬間一口も食べることなくネコに逃げられてしまう。え、そんなにカレー印のキャットフードがよかったの…?

longgoodbye

ネコを飼ったことのある人ならわかるけど、ネコってこだわり強いし、なんせプライドが高いからね…でもヨーグルトと生卵と調味料だけの料理を食べないのはわかるけど、他のキャットフードも一口も食べないなんて、この猫、なんともハード・ボイルドを貫いているじゃないか

原作では、このハード・ボイルド・ネコの登場はなかった。映画界の嫌われ者、ロバート・アルトマン監督のハード・ボイルドなスピリットが、きっとネコにまで乗り移ったに違いない。(もしかすると、監督の分身なのかも?)

それにしてもカレー印のキャットフード、きっとネコだけが知る特別なヤミつきフードなのだろう。

Written by ヤマダリョウ

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