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ハングオーバー! 二日酔いなんてぶっ飛ばせ!酒だ!友情だ!聖地巡礼だ!!

飲み過ぎ、寝落ち、顔面タトゥー!?究極の二日酔い映画『ハングオーバー』

ついつい飲み過ぎて、いつ帰ってきたのか覚えていない、起きたら全然知らない場所にいた、知らない男の人が隣で寝ている…そんなヒヤッとした思いを一度は経験したことはないでしょうか?
女子会、合コン、デート、接待、一人酒、…うっかり飲む量を間違えてしまうと大変なことになりますよね。
私の知っている一番ヤバい!やらかしてしまったエピソードの一つに、飲み過ぎて起きたら顔半分にタトゥーが入っていた!というとんでもない経験が…もちろんタトゥーを彫られている間の記憶なし!ちょっとヤバいですよね。

安心してください。これは映画『ハングオーバー!! 史上最悪の二日酔い、国境を越える』の劇中での出来事です。笑

誰もが一度は経験したことのある二日酔い、「やっちゃった!」と後悔するあの時の気分を、壮大なスケールと奇想天外な展開で笑い飛ばせるコメディ映画『ハングオーバー!!』は、三作からなるシリーズもの。飲み過ぎて記憶をすっかり飛ばしたおバカな男4人組(スチュー、フィル、アラン、ダグ)が少しずつ記憶を取り戻していく中で、ハチャメチャなトラブルに巻き込まれていくという痛快ストーリーです。
朝起きたら部屋に本物の虎がいたり、いつの間にか丸坊主になっていたり、顔にマイク・タイソン風のタトゥーが入っていたりなど…。普通の二日酔いでは絶対あり得ないだろそれは!と思わず突っ込みたくなるようなことが次々と起こります。

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目を覚まして前日の記憶の答え合わせをする3人
©Warner Bros. Ent. All Rights Reserved

実はわたしも先日、女友達三人ではしご酒中、酔っぱらって財布をなくしてしまいまして…翌朝、友達と前日の答え合わせをしながら記憶を辿って思い出したのは、財布をなくしたと訴えに行った交番で警察官に絡む自分…
「あれ、これあれじゃん!ハングオーバーじゃん!
後日もう一度ハングオーバーを観たら、ステュー達に比べたらまだまだ甘いな、なんて思ったりして…ショックが8割減しました笑。 この映画、まさに二日酔いを笑い飛ばせる作品です!笑

ゴージャスなロケ地と、オリジナルカクテル「ハングオーバーティーニ」

Sirocco - skybar

そんな笑いどころたっぷりのコメディ映画である一方、思わずウットリするような場所やお酒に出会える、それがこの映画の大きなもう一つの魅力です。
スチュー達が、トラブルになった敵と交渉するシーン。白昼堂々彼らが敵と対峙するのは「CGみたい!ここもタイなの?」とググりたくなるほど絶景の屋上。
このロケ地、実はタイの“シロッコ”というレストラン。ハングオーバーファンならもちろん、タイに訪れた観光客も一度は行ってみたい!という、この映画で一躍有名になったスポットです。
レストランに併設された「スカイバー」は、その名の通り天空に浮かび、絶景のタイ市街を一望できる高級バー

The Hangover Suite

このスカイバーでしか味わえないのが、この映画のためにつくられたお酒「ハングオーバーティーニ」です。

グリーンティーリキュールとレッドマティーニ、りんごジュースにローズマリー、はちみつを混ぜ合わせたこのカクテル。飲んでしまったら、スチュー達のようなドラマティックなハングオーバーが待っているのでしょうか…!それでも、こんな素敵なバーでなら、一度は飲んでみたい!と思ってしまいます。

シリーズ1作目で登場したラスベガスのシーザーズ・パレスというホテルも、映画をきっかけに注目を浴びるようになりました。こちらもまた、映画を見ているだけで、泊まってみたい!とテンションが上がる豪華な内装とベガスの街を一望できる魅力的なスポット。友達と行って、ステュー達のやらかした様子を再現した写真を撮ったりするのも楽しそうです。笑

Fireworks Las Vegas

ステュー達の酔っぱらい方に、「あるある!」「ないない!」と共感するもよし、魅力的なロケ地に思いを馳せるもよしな究極の二日酔い映画『ハングオーバー』!
友達をワイワイ飲みながら見るのにぴったりですが、くれぐれも飲み過ぎ・ハングオーバーにはご注意を…

Written by えな子

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何かの卵?タイで「ンゴ」「ゲーオマンゴン」と呼ばれる食材、その正体は…?

ルックスと味のギャップに驚き

これ、何なんですか?

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初めて見た時のその強烈なインパクトは忘れられません。何かの卵ではなくてフルーツだと聞いたときは、にわかには信じられませんでした。「おいしいから食べてみろ」と勧められ、断れずに恐る恐るかじってみると…意外にも果肉は柔らかく、やさしい甘みのある味で、そのギャップにまたまた驚いたものです。

日本語では「ランブータン」として知られているこのフルーツ、タイでは「ンゴ」と呼ばれています。原産地はマレーシアといわれていてマレーシア・インドネシアで広く栽培されていますが、輸出を含めた生産はタイが世界一なのだそうです。「タイのフルーツ天国」といわれる東部カンボジア方面にあるチャンタブリ県が、その生産量の多さで名高い地域です。

タンニンを多く含み、肌の健康維持に効果があるとか。ただし食べ過ぎると酵素の働きを阻害し、消化不良を起こすこともあるそう。おいしいのでついつい手が止まらなくなってしまいますが、要注意です。

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このフルーツのいい点は、皮をむきやすいところ。爪で横に一本割れ目を入れて上下に開けば、写真のようにきれいに皮が剥がれます。皮は柔らかく、果汁で手が汚れることもありません。種の皮に渋みがあるので、かじりつかないように柔らかく食べるとおいしく食べることができます。

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美味しいだけではなく健康にも良い!恐竜の卵のようなフルーツ

もう一つ、変わり種フルーツをご紹介します。タイ語で「ゲーオマンゴン」と呼ばれる果物です。こちらは日本では「ドラゴンフルーツ」ですね。確かに恐竜の卵のようなイメージです。

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このフルーツも皮が果肉から剥がれやすいため剥きやすく、わたしのお気に入りの一つです。果肉はジューシーで、桑の実のような懐かしい味がします。黒いつぶつぶは種なのですが、この食感がまた楽しいのです。

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個人的な体質なのかもしれませんが、これを食べるとわたしは必ずお通じが良くなります。よくなるどころか、よくなりすぎます。調べてみると、食物繊維がバナナの65倍?!半端ないですね、そりゃあよくなるわけです。

ドラゴンフルーツは、タイではちょっとした高級ホテルなどで、チェックイン時の部屋に置かれていたりもします。南国雰囲気満点ですね。

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タイではフルーツの最盛期の2月~4月になると、1キロ当たり100円など、日本では考えられないような値段で市場に出回ります。年がら年中何かしらのフルーツが食べられますので、通りを歩く際はフルーツに注目してみるのも面白いかもしれません。日本でも昔よりタイのフルーツが手に入りやすくなっていますので、スーパーやアジア食材店などで見かけたら是非手にとってみてくださいね。

Written by 元ジェット

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【餃子注意】下北沢の餃子を食べ尽くせ!

東京・世田谷区は下北沢。
本多劇場をはじめとした数々の劇場、多くのライブハウス、点在する古着屋や雑貨店、そして無数の居酒屋・カフェ・バー…様々な食と文化が入り混じる、まさにヤミー!な街。
この街で行われる「餃子の旅」へのお誘いを受けたので、嬉々として行ってきました!

メンバーは20~30代の女3人。
ルールは簡単。各店でストイックに餃子のみを食べて、できるだけ多くの店舗を巡ること。(もちろんビール付き。)好きなものを食べていいのは最後の店だけ、というもの。

1店舗目:第三新生丸

まずは、今回の旅の参加者中最年少かつエンゲル係数の高さNO.1が選んだ居酒屋・第三新生丸へ…こちらは八丈島の食材をふんだんに使ったお料理が自慢のお店。 早速生ビール!と、焼餃子を注文!

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羽根!!!!!!

こちらの餃子、もう言っちゃいますけどこの日3人の一番の評価を叩き出した逸品。
餃子ひとつひとつが大きくて、皮はモチモチ厚くて、焼けた底がパリッパリ。タネはじゅわーーっとジューシーかつ肉感がっつり、パンチの効いた強気なニンニクのバランスが余りにもばっちり。青ネギとゴマが入った餃子のタレがついてくるのですが、これがまた絶品!餃子との相性が抜群なのでした。
3人で食べながら、「最高OF最高」「人生ナンバーワン餃子」といった言葉が飛び交いました。本当に全くその通りなのです。

それにしても何故一軒目を居酒屋にしてしまったのか…誘惑が多すぎる…
早速ルールを「おなかに溜まらないものなら1品は頼んで良い」と変更することに。意志が弱いってこういうことです。
結局「鯵のなめろう」を頼んで、ビールもお代わりする始末。しかもこのなめろうが!叩きたての鯵にしょうがと葱がたっぷり。お酢をつけて食べると味が変わっておいしいよ、というアドバイスに従ってみると、あまりの感動に大声が出るほど。いっそこのままここで飲もうよ、という誘惑を涙を飲んで断ち切って、お会計。

オシャレ都市型フェスGREENROOM FES 2017のフェス飯事情探ってみた

横浜赤レンガ倉庫で行われたフェス GREENROOM FESTIVAL 2017

5月20日、21日に行われた都市型フェス、GREENROOM FESTIVAL 2017
今回は、このお洒落イベントのフェス飯事情を探りに潜入してきました!

オシャレ都市型フェスGREENROOM FES 2017のフェス飯事情探ってみた

とにかくお洒落!気分の上がるコーディネートの会場

GREENROOM FESTIVALは、「Save The Beach, Save The Ocean」をコンセプトに、サーフ・ビーチカルチャーをベースとした音楽・アートフェス。
会場も赤レンガ倉庫とあって、音楽を聞きながら横浜の海が望め、時には海風が通る、とっても気持ちのいいロケーションで開催されています。
まさに都市型フェス!といったオシャレ感が満載で、会場内にはいたるところにガーランドやテント、ハンモックなどのフォトスポットが点在しています。

オシャレ都市型フェスGREENROOM FES 2017のフェス飯事情探ってみた
オシャレ都市型フェスGREENROOM FES 2017のフェス飯事情探ってみた

まずはビール!超!快晴です。

全体的にメキシカンとカレー多め

早速フェス飯調査に乗り出します!
フェスらしく屋台が基本ですが、どの屋台もなんだかお洒落に感じます。
こんな可愛らしいワゴンのお店も有りました。

オシャレ都市型フェスGREENROOM FES 2017のフェス飯事情探ってみた

全体的にはタコライス、チリ、カレーなどのメキシカンやスパイシーな料理が多め。
海に寄り添ったフェスらしいラインナップです。

さっそくブルースカイエリアで、先ほど写真に出ていたLunch Stand tipiさんの、タコライス、チリポテト、リングィーサを頼んでみました。

オシャレ都市型フェスGREENROOM FES 2017のフェス飯事情探ってみた
オシャレ都市型フェスGREENROOM FES 2017のフェス飯事情探ってみた

このリングィーサというもの、アルファベット表記ではLINGUICA。
リングイカと誤読して、てっきりイカリングだと思ったら、その正体は巨大ソーセージ!
リングィーサとは、ポルトガルやブラジル、ハワイやカリフォルニアで食べられている、豚肉に唐辛子などのスパイスが入った燻製していない生ソーセージなんだそう。
かなりジューシーで食べごたえがあり、ビールの進むお味でした。

オシャレ都市型フェスGREENROOM FES 2017のフェス飯事情探ってみた

ARAWIGOKITCHENさんでは、パクチーポテトグリーンカレーをいただきました。
グリーンカレーにはチキンがドーン!と乗っていてかなりボリュームたっぷり。

オシャレ都市型フェスGREENROOM FES 2017のフェス飯事情探ってみた

パクチーポテトは、個人的にはもっとパクチーがモリモリでもよかったかも。。。

ハミングバードエリアでは、かねよ食堂さんの三崎まぐろロースト弁当を!
小梅が乗っているので和な味付けかと思いきや、ソースはスパイシー。
これは意外でした。

オシャレ都市型フェスGREENROOM FES 2017のフェス飯事情探ってみた

このエリアはとっても立派なツリーハウスがあって、夜のライトアップされた様子はとってもきれいなんです。

オシャレ都市型フェスGREENROOM FES 2017のフェス飯事情探ってみた

チケットがなくても楽しめるのがGREENROOM FESTIVAL

GREENROOM FESTIVALの会場は、横浜赤レンガ倉庫の店舗エリアと、特設エリアに分かれています。
特設エリアはチケットを購入しないと入れませんが、店舗エリアはチケットがなくても楽しめるようになっています。
サーフマーケットと称して、様々なブランドや店舗がテントで物販コーナーを設けていて、とってもにぎやか。

オシャレ都市型フェスGREENROOM FES 2017のフェス飯事情探ってみた

我々はこちらのエリアで、なんと崎陽軒のシューマイを発見!
ビールに合うね~とっても合うね~、とおいしくいただきました。
野外で座ってビールを飲みながら青空の下、崎陽軒のシューマイを食べる経験って、めったに出来ないですよね笑

オシャレ都市型フェスGREENROOM FES 2017のフェス飯事情探ってみた
オシャレ都市型フェスGREENROOM FES 2017のフェス飯事情探ってみた

ヤミー!的フードツートップは、燻製勢

今回の調査で、ヤミー!的に最も美味しかったフードを2つ紹介します!
(選考基準は、「ビールに合う」、「スパイシーさに疲れた時によい」となっておりますので、あしからず…)
ひとつめは、J.S. BURGERS CAFÉのスモークターキー

オシャレ都市型フェスGREENROOM FES 2017のフェス飯事情探ってみた

ターキーだからこそ、チキンとは違ったハンパじゃない大きさの逸品。
一人では食べ切れそうにないボリュームです。
スモーク加減がちょうどよく、とにかくビールに合いまくります。
他のフードが盛り付けで時間がかかって並ぶなか、スモークターキーは並ばずに変えるところも高ポイントでした。

オシャレ都市型フェスGREENROOM FES 2017のフェス飯事情探ってみた

ふたつめは、赤レンガ倉庫内のPatagoniaブースで出会った、ワイルド・ソッカイ・サーモン
もともと加熱調理済みのスモークサーモンがパウチになって販売されていて、トルティーヤ・チップスとともに提供されます。

オシャレ都市型フェスGREENROOM FES 2017のフェス飯事情探ってみた

これが本当に美味しいんです!!!
味付けはシンプルに思えますが、程よい塩味とサーモンの旨味、スモークの絶妙さが完璧なバランスです。
Patagoniaのオリジナルビール、ロング・ルート・エールとともに楽しめば、気分は最高。

Long Root Ale, a new collaboration from @hopworksbeer & @patagoniaprovisions brewed with Kernza Perennial Grain. #patagonia #patagoniabeer #patagoniaprovisions #hopworksurbanbrewery #hopworks #hopworksbeer #hub #kernza #kernzagrain #kernzaperennialgrain #

実はこちらはPatagonia内のキャンプやトラベルに適した食品を製造しているプロビジョンズの商品。
Patagoniaのオンラインストアでも買うことが出来るので、キャンプやピクニック、お花見の時に持っていけば、その日の人気メニューNO.1となること間違いなしです。

オシャレ都市型フェスGREENROOM FES 2017のフェス飯事情探ってみた

今年のGREENROOM FESTIVALでは、たくさんのおいしいフェス飯に出会うことが出来ました。
他のフェスで今回おすすめしたフードを見かけたら、是非食べてみてくださいね。

Written by にゃも

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西加奈子『うつくしい人』 他人の目を気にすることに疲れてしまったあなたへ

自意識過剰な主人公に共感できる?西加奈子「うつくしい人」

今回取り上げるのは、以前紹介した『きりこについて』に続いて、西加奈子さんの作品です。

西加奈子『うつくしい人』 他人の目を気にすることに疲れてしまったあなたへ

『うつくしい人』は32歳の蒔田百合という女性が主人公。
百合は自意識過剰な性格で、常に他人の目に対して怯えながら過ごしています。
「他人から見て、自分はどう見えるか」が物事を決める尺度となっていて、歴代の彼氏も「連れていて自慢できるかそうでないか」が決め手でした。
学生時代には嫌いではない(むしろ好きだった?)クラスメートへのいじめに加担していて、その過去が百合の心の暗い闇の原因となっています。

西加奈子『うつくしい人』 他人の目を気にすることに疲れてしまったあなたへ

このように「好きでも無い彼氏と付き合う」「嫌いではないクラスメートをいじめる」など、自分の意志ではなく「他人の目」を基準に生きていくようになった理由の大きな存在が「姉」です。

百合の「姉」はとても「うつくしい人」であり、純真無垢な女性です。
純真無垢すぎて、学生の頃のある事件を皮切りに人間関係につまずき、ずっと「ひきこもり」をしています。
しかし、ひきこもりとなった今でも、姉は美しく、やさしく、やはり純真無垢なまま存在しています。

他人の目を気にしなさ過ぎて社会生活を送れない姉を反面教師のようにして、他人の目を気にすることで自分を守ってきたつもりだった百合でしたが、あることがきっかけでとうとう職場で急に泣きだしてしまいます。
それほどに、自らを他人の視線から追い込んでしまっていたのでした。

西加奈子『うつくしい人』 他人の目を気にすることに疲れてしまったあなたへ

突然泣き出すという醜態をさらしてしまった百合は、一人旅に出ます。
この旅立ちの場面では、百合の病的なまでの自意識の描写が読んでいて辛いほどです。
しかし、百合はこの旅行でとあることに気づき、大きな変化を遂げるのです。

百合を潤す唯一の存在、それがビール

ホテルについた百合は、ホテルのバーへ行きます。
そこで、ちょっと失礼でうだつの上がらないバーテンの坂崎と謎のドイツ人マティアスと出会います。
この二人が、百合の救世主となるわけですが、ここで注目したいのが「ビール」です。

西加奈子『うつくしい人』 他人の目を気にすることに疲れてしまったあなたへ

この小説は主人公である百合の語りで物語が進んでいきます。
先ほど書いたように、百合は他人の目を非常に気にします。
あの人にとって自分はこう見えているのではないかという考えはもちろんのこと、あの人、本当はこの仕事がしたくないのではないかという、少々余計なお世話なことまで考えています。
つまり、百合の頭の中は他人と自分のことでいっぱいなのです。

しかし、ビールを飲む瞬間はその百合の頭の中の独白がスっと消えているような感覚を覚えるのです。
つまり、何も考えていない、素の自分が出ているような感覚です。
このホテルの場面以外にもビールを飲むシーンは何度かあるのですが、特に前半の百合がまだ苦しんでいる時にすら、そのように感じました。
重苦しい世界の中、ビールだけが軽やかに百合の喉を潤しているような印象でした。

西加奈子『うつくしい人』 他人の目を気にすることに疲れてしまったあなたへ

百合はお金持ちのお嬢様で、身に着けている物はすべて一流です。
歴代の彼氏も外車を乗り回しているようなタイプばかり。
そんな百合がバーであえて「ビール」を自然にオーダーしていることから、そのような印象を持ったのかもしれません。
だって、お嬢様ならシャンパンとか何だかおしゃれな飲み物を頼みそうだと思いませんか?

西加奈子『うつくしい人』 他人の目を気にすることに疲れてしまったあなたへ

きっと、「大好きなビールを飲みたい」と思う、百合自身の隠れていた意志が自然と出ていたシーンだったのでしょう。
好きな飲み物(特にお酒!)を前に、自分を偽ることなど出来ませんものね。

Written by フジイ

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