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【おいしい小説】子供の頃にした?『きりこについて』独特過ぎる白玉の食べ方

【おいしい小説】子供の頃にした?『きりこについて』独特過ぎる白玉の食べ方

相当“ぶす”な女の子「きりこ」のお話『きりこについて』

『きりこについて』の主人公は相当“ぶす”な女の子「きりこ」。どのくらい“ぶす”かというと、本文の中で“ぶす”という文字にボールド(太字)がかかるくらい“ぶす”なのです。“ブス”ではなく“ぶす”とひらがな表記にしているところにも、きりこの“ぶす”さ加減が表れているような気がします。

著者の西加奈子が書くのは、“ぶす”なきりこの少女時代から20代半ばまで。かなり意外な結末と想像通りな結末が、ごちゃ混ぜになった様な不思議な本なのです。

小学生きりこの好物「白玉」

きりこが小学生時代にこよなく愛する食べ物が「白玉」です。

【おいしい小説】子供の頃にした?『きりこについて』独特過ぎる白玉の食べ方

どのくらい好きかというのは、給食に白玉が登場した時の説明がすべてを物語っています。

口に含み、噛まずに、舌の下や奥歯と頬の間で慈しみ、五限目が始まる頃まで置いておくことが、きりこにとって至上の喜びであった。

…なんとなく、美しい日本語で書かれていて騙されそうになりますが、きりこの白玉の食べ方、きたない!!
さらに、口の中にある白玉を友だちに見せびらかすなんてことも、やらかしています。

時間が経ってもなお張りを失わない、白玉のエロティックな、舌触り!

って、さすがの表現というか、白玉のエロティックさに、思わず「そうか」と納得しそうになりましたが、これ、自分の子どもがしていたら、確実に叱りつけるヤツだわ!と思いながら読んでいました。

【おいしい小説】子供の頃にした?『きりこについて』独特過ぎる白玉の食べ方

相棒の猫・ラムセス2世との出会いのきっかけが、白玉

きりこは白玉が給食として出たある日、白玉に夢中になり過ぎて、昼休みに皆に「シロツメクサ摘み」をやろうと言おうと思っていたのに、出遅れてしまいます。
きりこが気づいた時には、皆は運動場で「長縄跳び」をしていたのです。
長縄跳びをしている皆に「シロツメクサ摘みやろうや!」(きりこは関西弁です)と言いに行くわけですが、皆は長縄跳びに夢中で聞いてくれません。
そこで、思わず大声を出してしまい、案の定大切な白玉がポンと口から出てしまいます。

うちの可愛い可愛い、白玉……。

と打ちひしがれたきりこは涙をこらえながら、こういうのです。

お墓に埋めたるわな。

そこまで溺愛されているとは!何て幸せな白玉でしょうか。
私なら、落とした白玉のお墓を作るなんて、思いつきもしません。
きたない!とか思って申し訳ない気持ちになりました。
まぁ、その直後、お墓を作ろうと体育館裏に移動したきりこは、後に大切な相棒となる猫の「ラムセス2世」と出会い、

白玉をぽいっと、地面に投げ捨てた。

わけですが。

【おいしい小説】子供の頃にした?『きりこについて』独特過ぎる白玉の食べ方

これは、愛してやまない白玉を投げ捨てることで、ラムセス2世との出会いの衝撃を表現しているのか、ただ単に「大好きな白玉を落としてしまって、かわいそうな自分」の世界から目を醒ましただけなのかは分かりませんが、きりこにとって白玉はかけがえのない相棒と出会うきっかけになった食べ物であることは間違いありません。

その食べ方、そういえばしてたわ!

子どもがしてたら叱る、といいましたが、自分の好きな食べ物をずっと口に含む食べ方って、子どもの頃しませんでしたか?
思い起こせば子どもの頃、私はアーモンドチョコレートのアーモンドをずっと口に含んでいました。
我が家の子どもたちはグミで実行しています。
見つけ次第、注意しますが、いっこうに直る気配はありません。
自分も思い当たる節がありすぎるので、あまり強くも言えないですよね。
今度からは、大好きな食べ物の味をずっと感じていたいんだな、と大きな心で見守っておきます。
そして、もし口からポロリと落としてしまったら、いっしょにお墓を作ってあげようと思います。

Written by フジイ

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猫の★★★で作った世界で一番高いコーヒーを飲んでみた

コピ・ルアクというインドネシアで作られた世界で番高価だと言われているコーヒーをご存じですか?

1杯8000円するとも言われるコーヒーですが製造法に特徴があります。

 

その製造法はネコにコーヒー豆を食べさせその排泄物(ウンチですね)から

取り出したコーヒー豆で作るという大変変わったものになっています。

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↑え?僕ですか…!?

 

実際は普通のネコではなくジャコウネコという変わったネコの食べたコーヒー豆を使用するそうです。

ジャコウネコは良質のコーヒー豆しか食べないので、そのフンには質の高いコーヒー豆が多く含まれ

さらにジャコウネコの腸内でコーヒーが化学変化を起こし、より上品な風味の豆が出来ると言われています。

そんなフンを洗ってそこから豆を取り出すのでわずかな量しか採取できないと言われています。

 

02

 

 

 

↑ネコというよりはイタチのようないでたちです。

 

そんなコピ・ルアクですが前にバリ島に行った時に買って来たので飲んでみることにしました。

粉は明るい茶色をしていてとても細かい印象を受けます。

03

 

 

飲み方も多少特徴があって淹れたらコーヒーが沈殿するのを待って

その上澄みを飲む、というようになっています。

04

 

↑コーヒーが沈殿してるのがわかりますでしょうか。

 

匂いを嗅いでみると普通に上品なコーヒーの心地よい風味が鼻をくすぐります。

気になる味ですがひとことで言うと不思議な味です。

コーヒーの酸味や苦みは少なく喉ごしは非常にスッキリしているのですが代わりに

ハーブのような風味がある後味が尾を引きます。

エスニックな味というかとりあえず日本ではあまり味わうことのない後味が非常にクセになる一品でした。

 

それにしてもどうすれば「ネコにコーヒー豆を食べさせて、排泄物からコーヒーを作る」なんて

製造法に至ったのでしょうか?

 

インドネシアは当時オランダの植民地としてインドネシアの現地人はオランダ人の荘園で働かされていました。

オランダの人々は当時からコーヒーを美味しそうに飲んでいました。

それを見たコーヒー豆荘園で働く現地の人は「自分たちもコーヒーを飲んでみたい」と思ったそうです。

しかし販売用のコーヒー豆を現地の人が勝手に食すには高価なコーヒーを飲むことはかないません、

それでも飲んでみたいと思った現地人はジャコウネコのフンからこっそりコーヒー豆を採取し飲んでみたら

とても美味しかった…というのがはじまりだと言われています。

 

そんなコピ・ルアクですがインドネシアのお土産で買うのが一番確かですが

日本でも飲ませてくれる店はちょくちょく存在します。

決して安い値段ではないかもしれませんが、興味がある人は一度足を運んでみてはいかがでしょうか?

by tori

 

 

 

おしゃれ料理小説『パンとスープとネコ日和』で異彩を放つのは「頭脳パン」

『かもめ食堂』好きにおすすめ・おしゃれ料理小説『パンとスープとネコ日和』

「おしゃれ料理小説」と言ってしまうと語弊があるかもしれませんが、『かもめ食堂』の群ようこさんの作品なので、やはりそんな雰囲気の小説です。ドラマ化の際には、主演が小林聡美さんだったし、安定のもたいまさこさんだったし、映像化してもやはりそんな雰囲気でした。

おしゃれ料理小説『パンとスープとネコ日和』で異彩を放つのは「頭脳パン」

主人公のアキコは53歳。たった一人の身内であった母親を亡くし、勤めていた出版社を退職して母親が長年営んでいた昔ながらの食堂を改装。“ボリュームのあるサンドイッチとスープ、サラダの、オーソドックスなメニュー”を提供する食堂を開店します。タイトルの“ネコ日和”の部分は、飼い猫の「たろ」のことです。アキコは、開店と同時期に拾ったたろを、唯一の家族として迎え入れます。

おしゃれ料理小説『パンとスープとネコ日和』で異彩を放つのは「頭脳パン」

© WOWOW INC.

『ラストレシピ~麒麟の舌の記憶~』嵐・二宮主演で今秋映画化!映画の前に原作をチェック

二宮和也主演映画化で注目!『料理の鉄人』演出家の小説デビュー作

嵐の二宮和也さん主演で映画化されると話題の小説が『ラストレシピ~麒麟の舌の記憶~』

嵐・二宮主演でこの秋映画化!満漢全席を超える幻のコース料理を巡る陰謀と愛の物語

あの伝説的人気番組『料理の鉄人』を手掛けた田中経一氏の小説デビュー作だ。

『ラストレシピ~麒麟の舌の記憶~』は、戦争の混乱の中で消失してしまった200品を超える壮大なコース料理「大日本帝国食彩全席」のレシピをめぐるストーリー。
物語は現代の日本と、第2次世界大戦頃の満州、2つの時代・2つの土地をつないでゆく。

2つの時代の2人の主人公と「大日本帝国食彩全席」

かつて清の始皇帝が宮廷料理人に作らせた“世界で一番スケールの大きなコース料理”が「満漢全席」と呼ばれていた。
第二次世界大戦の時代、日本の威厳を示すことを目的として、その「満漢全席」を超えるコース料理を作れと命じられたのが1人目の主人公・西島秀俊さん演じる山形直太朗
彼は絶対味覚、つまり“麒麟の舌”を持つ料理人で、天皇の料理番を勤めていた男だった。
この命令により山形は、「大日本帝国食彩全席」制作に専念するため単身満州へと渡り、その生活全てを捧げて13年の年月をかけてレシピを開発することとなる。

嵐・二宮主演でこの秋映画化!満漢全席を超える幻のコース料理を巡る陰謀と愛の物語

一方、二宮和也さん演じるのは現代日本に生きる2人目の主人公・佐々木充
彼もまた“麒麟の舌”を持ち、どんな料理でも再現してみせる特技を持っているのだが、料理に情は不要、技術の鍛錬こそが必要だという考えで、料理への情熱を失ってしまっていた。
佐々木は、依頼人が人生最後に食べたい物を再現して高額の報酬を得る「最期の料理人」として働いていたが、その再現能力を聞きつけた男に、消失してしまっていた「大日本帝国食彩全席」レシピの再現を依頼される。

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西加奈子『うつくしい人』 他人の目を気にすることに疲れてしまったあなたへ

自意識過剰な主人公に共感できる?西加奈子「うつくしい人」

今回取り上げるのは、以前紹介した『きりこについて』に続いて、西加奈子さんの作品です。

西加奈子『うつくしい人』 他人の目を気にすることに疲れてしまったあなたへ

『うつくしい人』は32歳の蒔田百合という女性が主人公。
百合は自意識過剰な性格で、常に他人の目に対して怯えながら過ごしています。
「他人から見て、自分はどう見えるか」が物事を決める尺度となっていて、歴代の彼氏も「連れていて自慢できるかそうでないか」が決め手でした。
学生時代には嫌いではない(むしろ好きだった?)クラスメートへのいじめに加担していて、その過去が百合の心の暗い闇の原因となっています。

西加奈子『うつくしい人』 他人の目を気にすることに疲れてしまったあなたへ

このように「好きでも無い彼氏と付き合う」「嫌いではないクラスメートをいじめる」など、自分の意志ではなく「他人の目」を基準に生きていくようになった理由の大きな存在が「姉」です。

百合の「姉」はとても「うつくしい人」であり、純真無垢な女性です。
純真無垢すぎて、学生の頃のある事件を皮切りに人間関係につまずき、ずっと「ひきこもり」をしています。
しかし、ひきこもりとなった今でも、姉は美しく、やさしく、やはり純真無垢なまま存在しています。

他人の目を気にしなさ過ぎて社会生活を送れない姉を反面教師のようにして、他人の目を気にすることで自分を守ってきたつもりだった百合でしたが、あることがきっかけでとうとう職場で急に泣きだしてしまいます。
それほどに、自らを他人の視線から追い込んでしまっていたのでした。

西加奈子『うつくしい人』 他人の目を気にすることに疲れてしまったあなたへ

突然泣き出すという醜態をさらしてしまった百合は、一人旅に出ます。
この旅立ちの場面では、百合の病的なまでの自意識の描写が読んでいて辛いほどです。
しかし、百合はこの旅行でとあることに気づき、大きな変化を遂げるのです。

百合を潤す唯一の存在、それがビール

ホテルについた百合は、ホテルのバーへ行きます。
そこで、ちょっと失礼でうだつの上がらないバーテンの坂崎と謎のドイツ人マティアスと出会います。
この二人が、百合の救世主となるわけですが、ここで注目したいのが「ビール」です。

西加奈子『うつくしい人』 他人の目を気にすることに疲れてしまったあなたへ

この小説は主人公である百合の語りで物語が進んでいきます。
先ほど書いたように、百合は他人の目を非常に気にします。
あの人にとって自分はこう見えているのではないかという考えはもちろんのこと、あの人、本当はこの仕事がしたくないのではないかという、少々余計なお世話なことまで考えています。
つまり、百合の頭の中は他人と自分のことでいっぱいなのです。

しかし、ビールを飲む瞬間はその百合の頭の中の独白がスっと消えているような感覚を覚えるのです。
つまり、何も考えていない、素の自分が出ているような感覚です。
このホテルの場面以外にもビールを飲むシーンは何度かあるのですが、特に前半の百合がまだ苦しんでいる時にすら、そのように感じました。
重苦しい世界の中、ビールだけが軽やかに百合の喉を潤しているような印象でした。

西加奈子『うつくしい人』 他人の目を気にすることに疲れてしまったあなたへ

百合はお金持ちのお嬢様で、身に着けている物はすべて一流です。
歴代の彼氏も外車を乗り回しているようなタイプばかり。
そんな百合がバーであえて「ビール」を自然にオーダーしていることから、そのような印象を持ったのかもしれません。
だって、お嬢様ならシャンパンとか何だかおしゃれな飲み物を頼みそうだと思いませんか?

西加奈子『うつくしい人』 他人の目を気にすることに疲れてしまったあなたへ

きっと、「大好きなビールを飲みたい」と思う、百合自身の隠れていた意志が自然と出ていたシーンだったのでしょう。
好きな飲み物(特にお酒!)を前に、自分を偽ることなど出来ませんものね。

Written by フジイ

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【シリーズ京都パン屋巡り行ってみた】京都で最もおいしい!?「たま木亭」

京都最強と言われるパン屋「たま木亭」

強豪ひしめく京都のパン屋の中で、ナンバーワンの呼び声高いお店が「たま木亭」です。

【シリーズ京都パン屋巡り行ってみた】京都で最もおいしい!?「たま木亭」

宇治市にあるこの「たま木亭」には、おいしいパンを求めて京都のみならず、府外からもお客さんが訪れるため、店の前にはいつも行列が出来ています。
そのずっと気になっていた「たま木亭」に、家族総出で行って参りました。

私たちが訪れた時にも、駐車場には他府県ナンバーの車がずらりと並んでいました。
幸運なことに、お店の前の駐車場が空いていたので停められましたが、たま木亭の駐車場は近隣に散らばって30台分もありますので、運が悪いとちょっと離れた所に止めることになります。
すべてはタイミングですね。
しかし、やはりお店の前には列が出来ていて、子連れにはなかなか厳しい状態でした。

たま木亭

photo by Richard Murdey

優柔不断一家にはハードルが高かった…

列は外にまで延びているわけですから、店内もずらりとお客さんが一列に並んでいます。
つまり、逆走がしにくい状況になっています。
「やっぱさっきのパンが欲しい」と思っても、なかなか戻りにくい。
もちろん、戻って取りに来るお客さんもいましたが少数でした。
ネットなどで予習をしてから、ある程度目星をつけていくことをおすすめします。

我が家は長女を筆頭に優柔不断なので、いつもパン屋に行くと店内を5周くらいはうろつきます。
しかし、今回はそんなに悩む暇がないので「気になったパンがあったら、それにしてしまう。1人2個まで。」という決まり事をつくり、挑みました。
たぶん、お店の滞在時間がこれまでで最短だったんじゃないかな…。

せっかくなので外で食べます

たま木亭の真正面には、「京都大学宇治キャンパス」があります。
おしゃれな建物と、広い芝生が素敵なキャンパスです。
たま木亭でパンを買った家族連れが何組か芝生の上でピクニックを楽しんでいました。
ものすごく惹かれたのですが、私たちはたま木亭から車で10分ほどの「府立宇治公園」に移動しました。

宇治公園は宇治川の真ん中にある公園で、平等院のすぐそばにあります。
賀茂川のように「とんび」に襲われることもなく、まだ桜も咲いていませんでしたので人も少なく、ゆったりとパンを味わう事が出来ました。

【シリーズ京都パン屋巡り行ってみた】京都で最もおいしい!?「たま木亭」

たま木亭で購入したのは、「パンシュー」「ブルーベリーの練乳仕立て」「クリームパン」「3種のガレット」「ベーコンハース」「洋風あんぱん」「じゃがジューシー」の7種類。
カレーパンを狙っていた夫ですが、カレーパンはちょうど売り切れていて買えませんでした…。

カレーパン協会で一位になった、たま木亭のカレーパン

たま木亭のパンでまず驚くことが、冷蔵されていた「ブルーベリーの練乳仕立て」以外、すべてまだ暖かかったことです!
こんなことは初めてでした。
たくさんお客さんが来るので、焼き立てパンが常に並んでいる状態なのでしょうね。
ハード系のパンが多いので、冷えると硬くなっているだろうなと思うのですが、どのパンもパリパリフワフワで食べやすかったです!

そして、パンの美味しさ!感動ものです。
「パンシュー」と「ベーコンハース」は大きなベーコンがゴロゴロ入っていて、そのベーコンのジューシーさといったら!
ベーコンの油を吸ったパンの美味しさといったら!思い出すだけでたまりません。

パンシュー たま木亭のスペシャリテ うますぎる!! #たま木亭 #パンシュー  仲田

たま木亭さん(@tamakitei)がシェアした投稿 –

そして定番の「クリームパン」。これまで食べたことのない食感と、程よく濃いクリームの味が絶妙のバランスでした。
「洋風あんぱん」も同様に、やはりパンとあんこのバランスが素晴らしかったです。

我が家で栄えあるベストワンに選ばれたのが「じゃがジューシー」!じゃがいもとバター醤油がパンに溶け込んで、なんとも至福な味わいでした。

正直言うと、並ぶのが苦手なのでパンを食べるまでは「もう来ないかな」と思っていました。
しかし、パンを食べると「帰りにも寄って帰ろうか?」と本気で考えるほどにハマってしまいました。
きっと、また車を走らせ、行列に並んで買いに行くことでしょう。それくらい、最高においしいパン屋さんでした。

Written by フジイ

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『バー・リバーサイド』様々なカクテルとマスターの名言 大人の為の会話劇小説

二子玉川の落ち着いたバーで一杯

ちょっと感傷的になったり、気持ちに整理がつかない時…ちょうどいい距離感で優しく話を聞いてくれ、おいしいお酒を作ってくれるバーでマスターとおしゃべり、なんて出来たら良いですよね。
今回紹介するのは、吉村喜彦さんによる小説『バー・リバーサイド』です。

様々なカクテルと沁みる名言 大人の会話劇小説『バー・リバーサイド』

舞台は東京・二子玉川にある席数わずか7席の小さなバー・リバーサイド。
静かな空気感の落ち着いたお店で、マスターの川原草太とスタッフの新垣琉平が働いています。
彼らと6人の個性的な常連客が繰り広げるのは、それぞれの世界で様々な境遇を経た者たちならではの印象的な会話劇
物語は5つの短編で構成されていて、ページ数も多くないので、あっという間に読み終えてしまいます。
全ての短編にそれぞれの会話にちなんだお酒や料理が登場するのですが、作者の吉村さんは元サントリーの宣伝部勤務というだけあって、その描写が独特なのです。

様々なカクテルと沁みる名言 大人の会話劇小説『バー・リバーサイド』

沖縄の独特な埋葬に使われる「花酒」をつかったカクテル

たとえば、うどん店で働く客・井上が語るのは、あの世とこの世に関するちょっとスピリチュアルな話題。
スタッフ・琉平が出身地である沖縄特有の死者の埋葬方法を語り始めます。

沖縄には洞窟が多く、昔はその中に亡くなった人を葬って、亡くなって七年後に親戚がその骨一本一本を丁寧に泡盛で洗ったそう。
使う泡盛はできれば、与那国島で作られる60度の泡盛・花酒がいいとされていたといいます。

井上が静かに相槌を打ちながら琉平の話を聞いていると、突然マスターが目を輝かせていいます。

「あ、いいカクテル、思いついた!」

シェイカーに氷を入れ、花酒をとろりと注ぎ、
シャカシャカ、シャカシャカッ—-
マスターがシェイカーをかなり激しく振り続ける。
シェイクの決め手は
氷を微妙に溶かし、酒に水を入れることだ。
水と空気によって、酒が開かれ、香りがたち、液体の味はまろやかになる。
円錐形のグラスに、できたかカクテルをやさしく注ぎ入れた。
シェイクのおかげで、液体の色は、ほんのり霧のかかったような乳白色。
グラスには、きめ細かい霜がびっしりとついている。
マスターは表面張力ぎりぎりまでグラスに液体を注いだ。
グラスの縁の液体が、ぷっくり膨れてエロチックだ。

「マスター。これ、何ちゅうカクテルなん?」
花酒シェケラート。花酒をシェイクしただけ。」

花酒シェケラート、こんな素敵な文章で描かれると味がとっても気になりますよね。
他にも、紹興酒と烏龍茶で作るドラゴン・ウォーター、桃のカクテル・ベリーニ、ジョニ赤のハイボール…様々なお酒が個性豊かに登場します。

様々なカクテルと沁みる名言 大人の会話劇小説『バー・リバーサイド』

心に響くマスターの名言の数々

フリーライター・森の話題は、少しディープな人間関係の悩み。
落ち込み気味の森にマスターが差し出すのは、ダーティ・マティーニです。
こんな言葉をかけます。

「マティーニは時を重ねるごとに、どんどんドライになっていきました。でも私は、影と湿り気のある方が好きなんです。だから、森さんにはこのカクテル。
切れ味が過ぎると、その鋭い刃で、自分が怪我をすることになります。加減が難しい。少し澱(おり)を残しておいた方がいい。そう。自分の『いい加減』を見つけることがたいせつです」

こんな風に、マスターの心に響く名言が飛び出しまくるのも、この小説の魅力の一つ。
その言葉の数々は決して説教臭かったり押し付けがましいことはなく、常連客達の心に寄り添おうとしているようで、説得力があります。

様々なカクテルと沁みる名言 大人の会話劇小説『バー・リバーサイド』

おいしいカクテルや料理と共に、人情味あふれるマスターの言葉たちが、お客さんの悩み・葛藤・迷いをそっと包んでくれるバー・リバーサイド。
読んでいると、常連客達の心や体のどこかに詰まっていた何かがすっと押し流されていくのを見守っているような感覚になります。
帰路につく頃に、どこかすっきりとした表情になっている彼らの顔が浮かぶよう。
春や初夏の涼しい夜、お酒を片手に是非読んでいただきたい一冊です。

Written by にゃも

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【星新一の時代小説】お金よりお米が価値を持った時代 殿さまの食卓はぬるい?

ショートショートの神様・星新一がつむぎ出した、時代小説

「ショートショートの神様」と呼ばれ、SF作家として認知されている星新一の時代小説があるのをご存じでしょうか。
その名も『星新一時代小説集』です。

【星新一の時代小説】お金よりお米が価値を持った時代 殿さまの食卓はぬるい?

文庫で出版されているのは、「天の巻」「地の巻」「人の巻」の3冊。今回のテーマは「天の巻」に収録されている「殿さまの日」というお話に出てくるごはんです。

現代とは比にならない?その時代の「お米」の重要性

「何万石の大名」というフレーズを聞いたことがあると思います。
この「石(こく)」は、お米の量を表す単位。
江戸時代は、そのお殿さまの領地は面積ではなく、収穫できるお米の量「石高」によってその広さを表していました。
もちろん、石高の高い大名ほど力が強いことは言うまでも有りません。
1石=1,000合だそうで、いったい何合炊きの炊飯器がいるのかと、どうでもいい想像をしてしまいそうです。
私は時代劇や大河ドラマを観る程度の知識しかなく、今までで読んだことのある時代小説も「鬼平犯科帳」くらいでしたので、この時代のお米の重要性がこんなにも大きいとは知りませんでした。
収穫できるお米の量は大名の力を表すだけではなく、すべての人々への生活に直結したものだったのです。

【星新一の時代小説】お金よりお米が価値を持った時代 殿さまの食卓はぬるい?

「殿さまの日」

「殿さまの日」は、そんな時代のとあるお殿さまの1日が書かれています。
殿さまは一日中、いろいろな事を考えています。回想、妄想、思想さまざまなことが頭をぐるぐると支配している様です。しかし、いろいろな事を考えても、立場上直面した問題を解消することが出来ません。

というのも、殿さまが問題解決のために何かをしようとすると、家臣によけいな気づかいをさせてしまうばかりか、幕府や他藩との関係に変化が起こってしまいますので、なかなか行動を起こす事ができません。
そのため、殿さまはいつも通りの1日を何事もないかのように過ごすしかないのでした。

【星新一の時代小説】お金よりお米が価値を持った時代 殿さまの食卓はぬるい?

形式張った殿さまのごはん

そんな殿さまの一日の最初のご飯は、朝8時の朝食です。ご飯の為のお座敷に移動していただきます。
メニューは「うめぼし、大根のみそ汁、とうふの煮たもの、めし」だそうで、意外と質素。
つぎの間に控えている「毒見役」が一通り口に入れて、問題が無いか確認。さらにその毒見役を監視する小姓もいます。
そんな厳戒態勢の中、殿さまの前に運ばれてきたごはんはすっかりぬるくなっています。

【星新一の時代小説】お金よりお米が価値を持った時代 殿さまの食卓はぬるい?

「たまには温かいご飯が食べたいなぁ」とでも思うのかと想像していましたが、殿さまは子どものころから、ぬるくなったご飯しか食べたことがないので「料理とは、ぬるくつめたいものなのだ」と殿さまは「思いこんで」いるそう。
温かいご飯を食べたことがないので、そもそもホカホカの温かいご飯の存在を知らないということなのです。

何だかとてもかわいそうな気がしてきました。殿さまとは本当に窮屈なお仕事です。
すべてが形式にのっとっていて、平和な時代でさえも「毒見役」が必要なのです。
思案ばかりしている殿さまがその存在に疑問を抱いても、形式上その役職に人間を置いておかなければいけません。
食事中に小姓に何と話しかけるかも、吟味に吟味を重ねた他愛のない形式張った言葉です。
いつも周りにいる側近たちですら、殿さまが形式張った行動をとる裏でこんなに思案をしているとは、露ほども知らないでしょう。

正午には「すまし、野菜の煮つけ、いわしのひもの、めし」と、やはり思いのほか質素なお昼ご飯を食べます。
もちろん、形式上毒見役を経由しているので冷えています。
食べながら、「たまには変わったものが食べてみたい」と思いつつも「無理なことだ」とあきらめている殿さま。
ひとことそんなことを言ってしまえば、料理係が責任をとらされ、さらに食費が財政を圧迫してしまうと容易に想像できるからです。

夕飯も代り映えのしないメニューを食べ、甘い物(干し柿)か酒どちらにするか問われた殿さまはぬるくなったお酒を飲みます。
物足りない気持ちもありますが「殿さまのからだは藩のものでもある」ため、自らの欲求のために必要以上の飲酒はできません。

【星新一の時代小説】お金よりお米が価値を持った時代 殿さまの食卓はぬるい?

炊き立てごはんの美味しさを知らないお殿さま

お米の取れ高が重要だった時代の大名(殿さま)が、ご飯が最もおいしい状態、つまり炊き立てのご飯の美味しさを知らないとは、何だか切ないですね。
物語のキャラクターとはいえ、藩のトップという立場の殿さまの周囲すべてに気を使いながら過ごしている様子が、家庭で奥さんに気を使って肩身の狭い思いをしている旦那さんのようで、何だか胸がきゅっと締め付けられてしまいました。

読了後、炊き立てご飯を食べてながら、自分の国で収穫されたお米をしっかりと味わい、こんな平和な世の中にしてくれた先人たちへ思いを馳せていきたいな…と少々感傷的になってしまいました。

Written by フジイ

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【バレンタインに読みたい絵本】幸せを運ぶ、甘い甘いチョコレートのお話

【バレンタインに読みたい絵本】幸せを運ぶ、甘い甘いチョコレートのお話

さーて、今年はだれにあげる?

お年ごろのみなさんはソワソワする季節となりました。2月14日はバレンタインデー。好きな人や恋人・夫婦に限らず、義理チョコや友チョコ、自分チョコなど、さまざまな口実でおいしいチョコを食べちゃおうという日。
デパートや百貨店には特設会場もでき、試食ができるお店にはたくさんの人が群がっています。休憩所にはチョコレートメーカーのアイスクリームやドリンクコーナーがあることも。海外メーカーの商品も豊富で、可愛くてゴージャスなパッケージの箱や缶を見ると欲しくなって、つい手がのびてしまいます。

【バレンタインに読みたい絵本】幸せを運ぶ、甘い甘いチョコレートのお話

初めての手づくりチョコレート

初めて手づくりチョコレートを作ったのは、みなさん小学校高学年の頃でしょうか。初恋も同じくらいの時期で、お家の人に手伝ってもらったり、友だちと集まったりして、大騒ぎして作った記憶があるのでは?
チョコレートの固まりを削って、湯煎にかけて、アルミの型に入れて固めて……暖房の効いた部屋だと削っているそばからチョコレートが溶けはじめて、エプロンやふきんがベッタベタに……。微笑ましい思い出
近ごろは石臼のような道具でカカオ豆を挽くところから作る手づくりチョコレートもあるそうです。これで意中の人を落とせなかったら、チョコレートのやけ食いをしそうですね!

【バレンタインに読みたい絵本】幸せを運ぶ、甘い甘いチョコレートのお話

幸せな気持ちになるチョコレート

じつは筆者は甘いものがあまり得意ではありません。いい大人になってからは、バレンタインデーに贈るのも、チョコレートではなくお酒のことが多くなりました。
それでもこのシーズン、チョコレートの専門店をのぞいたり、さまざまな味や形のチョコレートを眺めるのは大好き。
ドライフルーツやナッツ、クリームやお酒が入っていたり。味だけでなく形や装飾もさまざまで、みんな可愛い。価格はピンキリではありますが、ほぼ一つ数百円、そしてたったひと粒で、幸せな気持ちでいっぱいになるお菓子ってすごいなあと思います。

【バレンタインに読みたい絵本】幸せを運ぶ、甘い甘いチョコレートのお話

絵本『チョコレート屋のねこ』(スー・ステイントン=文 アン・モーティマー=絵 中川千尋=訳 ほるぷ出版)は、そんなお話。

猫がしかけたチョコレートの魔法

小さな村の流行らないチョコレート屋さんに、気むずかしいおじいさんと猫が暮らしていました。ある日おじいさんが思いつきで作った、しっぽにピンクの砂糖をまぶしたねずみの形のチョコレートを猫がひとかじりしてみたら……ひげと前足が勝手に動くほどのおいしさ! ねこは村の人にも教えたいと、ある作戦を思いつきます。
ねこは最初に、ねずみのチョコレートをこっそり八百屋さんに置きに行きました。それを食べた八百屋さんはおいしさにびっくり。おじいさんのところに駆け込んで、自分の店のフルーツとのコラボチョコレートを提案します。
こんな調子で、ねこはいろんなお店にねずみのチョコレートをしのばせて、次々とおいしそうな新作コラボチョコレートが誕生するのです。チェリーボンボン、チョコレートケーキ、ホットチョコレート……アン・モーティマーの、猫の毛並みやチョコレートのつややかさまで描ききった絵から、ふわっと甘い香りが漂ってくるようです。

おじいさんの笑顔がもどってくる頃には、読者の心も幸せな気持ちで満たされていることでしょう。人の心まで動かしてしまうチョコレートの魔法。2月14日は、魔法の力をみんなが持つ日なのかもしれませんね。

【バレンタインに読みたい絵本】幸せを運ぶ、甘い甘いチョコレートのお話

Written by obaya

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【おいしい小説】『また次の春へ』父が作った豚コマともやしのトン汁

「東日本大震災」を題材にした短編集『また次の春へ』

重松清著の『また次の春へ』は、2011年3月11日の「東日本大震災」をテーマにした、7編の短い物語が集められた1冊です。

【おいしい小説】変わる味と変わらない味『また次の春へ』我が家の味トン汁

“その日”の話というよりは、“その後、残された人たち”の話に焦点を当てていて、感傷的なお話ではなく、ほとんどが現実的で人の感情がじわじわと心に入りこんで来るようなお話ばかりです。 津波にさらわれたまま、見つからない息子や親。残された家族は、「ただいま」って帰ってくるんじゃないかという思いと、もうだめなんだろうという思いの狭間で揺れ動きます。残された人々は、それぞれの想いを抱えたまま生きていくことになるのです。
読んでいる最中は、目を背ける事をしてはいけないような気持になり、ほとんど貪るように読みふけってしまう、そんな本でした。
その7編の小説のうち、特にじんわりと心に染みたお話が「トン汁」です。

「トン汁」のはじまり

この「トン汁」というお話はのスタートは東日本大震災ではありません。主人公の母親が急死し、そのお葬式から帰ってきた場面から始まります。
母親は冷え込んだ早朝、トイレに行こうとした瞬間に倒れて、脳溢血(のういっけつ)で亡くなりました。この時、主人公は小学3年生。中学1年生の兄と小学5年生の姉がいました。それから、これまで料理をしたこともなかったであろう、父親。残された4人家族は、呆然としたまま葬式が行われた田舎から帰宅したのです。
帰宅してしばらく後に、お隣のおばさんが申し訳なさそうに“生協の食料品”を持って訪ねてきました。2週間前に母親が注文した食材が届いたので、預かっていてくれたのです。生前、母親が注文しておいてくれたシーズン前の酸っぱい「いちご」を、それぞれの方法で食べる子どもたち。

【おいしい小説】変わる味と変わらない味『また次の春へ』我が家の味トン汁

いちごを食べ終わると同時に、今まで黙ってこたつに入っていた父親がこういうのです。

“腹、減ってないか”。

これが、この家の味となる「トン汁」が誕生した瞬間でした。

【おいしい小説】変わる味と変わらない味『また次の春へ』我が家の味トン汁

「トン汁」の役割

父親がこの日作ったトン汁の具は、生協から届いた“豚肉のコマ切れ”“モヤシ”でした。母のトン汁とは大違いの具材でしたが、父親は“モヤシだったら包丁も使わずにすむんだし”“お父さんのオリジナル料理だ”と言って、笑います。この時、主人公ははじめて「お母さんがもういない」現実を目の当たりにして、ようやく泣く事ができたのです。

父親が初めて作ったトン汁は、あまりおいしくありませんでした。しかし、このトン汁はその後“我が家にとって大切な、特別な料理になった”のです。もちろん、具は「豚肉」と「もやし」のみのままで。

【おいしい小説】変わる味と変わらない味『また次の春へ』我が家の味トン汁

その後、3人の兄弟はそれぞれ大人になり、結婚後も「トン汁」を特別な料理として、それぞれの家庭で作り続けます。兄は父親のオリジナルレシピのまま、姉はいろいろなアレンジを加えながら、そして主人公は豆腐を入れたトン汁を“わが家のトン汁”としています。
この家族にとっては、トン汁が「家族の団結」の味であり、傷ついた気持ちを何とか守ろうとする、後ろ盾のようなものだったのだろうと思います。

【おいしい小説】変わる味と変わらない味『また次の春へ』我が家の味トン汁

家族の戸惑いをまとめてくれた「トン汁」

母親の急死という突然の出来事に戸惑い、泣く事すらできなかった残された家族たち。そのどうしようもない気持ちを、父親が作る温かいトン汁がまとめてくれました。
「家庭の味」や「おふくろの味」ではなく、その瞬間でしか生まれない「我が家の特別な料理」は、奇跡にも近い味。「失恋した日に食べたスイーツ」や「受験前日に食べたごはん」…特別な料理が生まれるきっかけは、誰にでもあるものです。その時の味や気持ちは、いつまでも忘れられない大切なものとなって、その人の心に残り続けるのです。

Written by フジイ

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©「間宮兄弟」製作委員会

ストーリー上最初の大きなポイントとなるのが“カレーパーティ”です。間宮家で開催されるカレーパーティのゲストは、徹信が“明信好み”だと感じた小学校の教諭「葛原依子」と、明信が密かに好意を抱いているレンタルビデオ店店員の女子大生「本間直美」の2人でした。
勇気を出して女性を招待したそのパーティから、いつもとは違う「女性が関わってくる」間宮兄弟の日常が始まります。

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©「間宮兄弟」製作委員会

本間姉妹の“ボウルいっぱいつくったフルーチェ”

カレーパーティに招待された本間直美は、仲良しの妹・夕美に報告をします。男二人暮らしの部屋に行くわけですから、直美も不安です。しかし、妹は“一緒に行こう”との姉の誘いを“やだよ”“あやしーじゃん、そんなの。”と言って断ります。
物静かで優しいけれど、気の弱い姉・直美と、振る舞いが乱暴ではあるけれど、優しくしっかり者の妹・夕美。そんな二人の話合いのシーンには“ボウルいっぱいつくったフルーチェ”が登場します。この食べ方は姉妹ならではだなーと、とても印象的な場面です。
“ボウルいっぱいつくったフルーチェ”を2人でスプーンでつついて女子会議をする様子は、姉妹の内側を見せてくれたような、瑞々しい魅力にあふれていました。 もちろん映画でもこのシーンがあります。沢尻エリカさんと北川景子さん演じる本間姉妹は、かわいいというより美しすぎましたが。

【おいしい小説】『間宮兄弟』“ボウルいっぱいつくったフルーチェ” の誘惑

©「間宮兄弟」製作委員会

ちなみに間宮兄弟の開催したパーティに登場したのは、“エダマメさつまあげ茹でとうもろこし”など…間宮兄弟の普段の食卓も昭和感漂うちょっと質素なメニューが登場します。

【おいしい小説】『間宮兄弟』“ボウルいっぱいつくったフルーチェ” の誘惑

©「間宮兄弟」製作委員会

一方で、本間姉妹が食べるシーンはファミレスファストフードなど、「イマドキ」な雰囲気で描かれています。

【おいしい小説】『間宮兄弟』“ボウルいっぱいつくったフルーチェ” の誘惑

©「間宮兄弟」製作委員会

“ボウルいっぱいつくったフルーチェ”の誘惑

『間宮兄弟』の小説や映画に触れてから、 “ボウルいっぱいつくったフルーチェ”を実現したいという誘惑が度々訪れました。しかし、これを実行するには絶対に相方が必要です。本間姉妹のように、誰かと「あーでもないこーでもない」と話しながら食べないと、魅力が半減してしまう気がするのです。
そんな思いを抱えたまま数年。長女が3才くらいの時です。誘惑に抗いきれず、「いけるんじゃないか」と思い “ボウルいっぱいつくったフルーチェ”を作ってみたことがありました。結果は、そもそもフルーツが嫌いだった長女はフルーチェにあまり興味を示さずに断念…。ほぼ一人で無理やりたくさんのフルーチェを食べる羽目に陥りました…。
妹が生まれ、長女がそこそこ大きくなった今、“ボウルいっぱいつくったフルーチェ”リベンジをしてみる良いタイミングではないかと、またひそかに思っています。その時には、女子会議ならでは、子供たちの好きな子の話なんて、聞けるのかもしれません…♪

Written by フジイ

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