by ヤミー!-自己満足 食・文化メディア

おしゃれ料理小説『パンとスープとネコ日和』で異彩を放つのは「頭脳パン」

『かもめ食堂』好きにおすすめ・おしゃれ料理小説『パンとスープとネコ日和』

「おしゃれ料理小説」と言ってしまうと語弊があるかもしれませんが、『かもめ食堂』の群ようこさんの作品なので、やはりそんな雰囲気の小説です。ドラマ化の際には、主演が小林聡美さんだったし、安定のもたいまさこさんだったし、映像化してもやはりそんな雰囲気でした。

おしゃれ料理小説『パンとスープとネコ日和』で異彩を放つのは「頭脳パン」

主人公のアキコは53歳。たった一人の身内であった母親を亡くし、勤めていた出版社を退職して母親が長年営んでいた昔ながらの食堂を改装。“ボリュームのあるサンドイッチとスープ、サラダの、オーソドックスなメニュー”を提供する食堂を開店します。タイトルの“ネコ日和”の部分は、飼い猫の「たろ」のことです。アキコは、開店と同時期に拾ったたろを、唯一の家族として迎え入れます。

おしゃれ料理小説『パンとスープとネコ日和』で異彩を放つのは「頭脳パン」

© WOWOW INC.

こだわりの描写・アキコとしまちゃんの朝食

作中に出てくる料理は、アキコが丁寧に丁寧に作っている様子が描かれていて、非常においしそうです。近くにこんなお店があったら、行ってみたいなと思わせるほど、その描写にこだわりが垣間見えます。
なんといっても、食堂のメニューよりもアキコが休日に食べる朝食のおいしそうなこと!読めば、干物を猫と分けながらゆったり朝ごはんが食べたくなるのです。

おしゃれ料理小説『パンとスープとネコ日和』で異彩を放つのは「頭脳パン」

こちらは食堂のメニューを調理中のシーン
© WOWOW INC.

しかし、そんなアキコでもお店のある日の朝食はおにぎりだけなど、簡単に済ませてしまいます。そこで、アキコはアルバイトのしまちゃんが朝食を食べていないなら、いっしょに食べようかと思い、“どんなご飯を食べてきたの”と尋ねるのです。しまちゃんはこう答えます。

私は最近は頭脳パンです

まさかの頭脳パン!全粒粉パンでサンドイッチ作っちゃうような「おしゃれ料理小説」で頭脳パンに出会えるとは!
翌日、アキコはしまちゃんの実家からの仕送りに大量に入っているという頭脳パンを食べさせてもらいます。二人が頭脳パンを食べている描写は、やはりおしゃれな雰囲気をまとっていました。頭脳パンなのに…。さすが群ようこ小説です。

おしゃれ料理小説『パンとスープとネコ日和』で異彩を放つのは「頭脳パン」

© WOWOW INC.

レーズンが入っているパンだけが「頭脳パン」ではない

私は頭脳パンとは、レーズンが入っているパンだというイメージでした。レーズンが頭にいいんだと思っていたんですが、どうやら違う様です。
頭脳パンの定義は、「頭脳粉」で作られていることなんだそう。「頭脳粉」という名前だけでは、正直大丈夫なのかと思いますが、小麦粉にビタミンB1を混ぜたものを言いますので、全く怪しいものではありあません。この頭脳粉については、大脳生理学者である林髞(はやし たかし)氏が著書『頭のよくなる本 – 大脳生理学的管理法』の中で提唱しています。
ちなみにこの林髞氏は、あの「パブロフの犬」で有名なイワン・パブロフの元で条件反射学を学んでいて、木々 高太郎(きぎ たかたろう)というペンネームで推理小説も執筆していたという多才な人物です。頭脳パンはちゃんと学術的裏付けがある食べ物なんですね。

おしゃれ料理小説『パンとスープとネコ日和』で異彩を放つのは「頭脳パン」

© WOWOW INC.

頭脳パンに願いを込めて。

実は私は幼少期に頭脳パンを食べたことがありません。当時の頭脳パンはレーズン入りというイメージがあったので、レーズンが嫌いな私は食べられなかったのです。
しかし、頭脳パン=レーズンというわけではないと分かった今、遅ればせながら頭脳パンデビューしてみようかなと思っています。アキコたちが願ったように今からでも頭脳明晰になるかもしれないし…。
なにより、しまちゃんの親と同じように“頭がよくなるように”と強く願って子どもたちにも食べさせてやろうと企んでいるのです。

おしゃれ料理小説『パンとスープとネコ日和』で異彩を放つのは「頭脳パン」

© WOWOW INC.

Written by フジイ

過去のランキングはこちらから!

  • マンガ飯
  • 映画に出てくるおいしいものたち
  • おいしいnovel
  • overseasのごはん事情
  • お酒の話
  • フェス飯・イベント飯
ページトップ