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”深い生活”をしよう 食べる事=好きな事を楽しむ伊丹十三映画「タンポポ」

「深い(食)生活」をしているホームレス達

何より素敵なのはラーメン屋の再建にも一役買う事になる、“グルメのセンセイ”と、その仲間達。現在ホームレスの“センセイ”は、元産婦人科の先生で、元ラーメン屋。

伊丹十三 タンポポ

(c)東宝

“センセイ”は 、食にうるさいホームレス仲間達の事を、「深い生活をしている」と言い表す。彼等は、フランス料理やワインについて饒舌に語り、トンカツ屋の肉の質が落ちた事を嘆き、キャベツの千切りに機械を使うようになった事にも「愛情がこもってない」と文句を言うグルメなのだ。そんなホームレスの一人がタンポポの息子の為にふわふわ卵のオムライスを作るシーンでは、その味と香りがこちらまで漂ってくるようだ。

伊丹十三 タンポポ

(c)東宝

大切なのは心。「タンポポ」に出てくる人達は、先の事を考えずに今やるべき事をやり、今食べたいものの為に一生懸命だ。幸せとは、どれだけリッチな生活をしているかではなく、どれだけ好きな事を楽しめるかだと気付かせてくれる。ホームレス達が食について語る姿はとても幸せそうで、まさに“センセイ”の「深い生活をしている」という言葉がピッタリなのだ。

「好きな事をとことん楽しみ、今を感じて生きなさい」
食と人間の関わりを楽しいエピソードで見せながら、そんな大切な事をも教えてくれる映画だ。

伊丹十三 タンポポ

(c)東宝

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