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【シリーズ京都パン屋巡り行ってみた】京都で最もおいしい!?「たま木亭」

京都最強と言われるパン屋「たま木亭」

強豪ひしめく京都のパン屋の中で、ナンバーワンの呼び声高いお店が「たま木亭」です。

【シリーズ京都パン屋巡り行ってみた】京都で最もおいしい!?「たま木亭」

宇治市にあるこの「たま木亭」には、おいしいパンを求めて京都のみならず、府外からもお客さんが訪れるため、店の前にはいつも行列が出来ています。
そのずっと気になっていた「たま木亭」に、家族総出で行って参りました。

私たちが訪れた時にも、駐車場には他府県ナンバーの車がずらりと並んでいました。
幸運なことに、お店の前の駐車場が空いていたので停められましたが、たま木亭の駐車場は近隣に散らばって30台分もありますので、運が悪いとちょっと離れた所に止めることになります。
すべてはタイミングですね。
しかし、やはりお店の前には列が出来ていて、子連れにはなかなか厳しい状態でした。

たま木亭

photo by Richard Murdey

優柔不断一家にはハードルが高かった…

列は外にまで延びているわけですから、店内もずらりとお客さんが一列に並んでいます。
つまり、逆走がしにくい状況になっています。
「やっぱさっきのパンが欲しい」と思っても、なかなか戻りにくい。
もちろん、戻って取りに来るお客さんもいましたが少数でした。
ネットなどで予習をしてから、ある程度目星をつけていくことをおすすめします。

我が家は長女を筆頭に優柔不断なので、いつもパン屋に行くと店内を5周くらいはうろつきます。
しかし、今回はそんなに悩む暇がないので「気になったパンがあったら、それにしてしまう。1人2個まで。」という決まり事をつくり、挑みました。
たぶん、お店の滞在時間がこれまでで最短だったんじゃないかな…。

せっかくなので外で食べます

たま木亭の真正面には、「京都大学宇治キャンパス」があります。
おしゃれな建物と、広い芝生が素敵なキャンパスです。
たま木亭でパンを買った家族連れが何組か芝生の上でピクニックを楽しんでいました。
ものすごく惹かれたのですが、私たちはたま木亭から車で10分ほどの「府立宇治公園」に移動しました。

宇治公園は宇治川の真ん中にある公園で、平等院のすぐそばにあります。
賀茂川のように「とんび」に襲われることもなく、まだ桜も咲いていませんでしたので人も少なく、ゆったりとパンを味わう事が出来ました。

【シリーズ京都パン屋巡り行ってみた】京都で最もおいしい!?「たま木亭」

たま木亭で購入したのは、「パンシュー」「ブルーベリーの練乳仕立て」「クリームパン」「3種のガレット」「ベーコンハース」「洋風あんぱん」「じゃがジューシー」の7種類。
カレーパンを狙っていた夫ですが、カレーパンはちょうど売り切れていて買えませんでした…。

カレーパン協会で一位になった、たま木亭のカレーパン

たま木亭のパンでまず驚くことが、冷蔵されていた「ブルーベリーの練乳仕立て」以外、すべてまだ暖かかったことです!
こんなことは初めてでした。
たくさんお客さんが来るので、焼き立てパンが常に並んでいる状態なのでしょうね。
ハード系のパンが多いので、冷えると硬くなっているだろうなと思うのですが、どのパンもパリパリフワフワで食べやすかったです!

そして、パンの美味しさ!感動ものです。
「パンシュー」と「ベーコンハース」は大きなベーコンがゴロゴロ入っていて、そのベーコンのジューシーさといったら!
ベーコンの油を吸ったパンの美味しさといったら!思い出すだけでたまりません。

パンシュー たま木亭のスペシャリテ うますぎる!! #たま木亭 #パンシュー  仲田

たま木亭さん(@tamakitei)がシェアした投稿 –

そして定番の「クリームパン」。これまで食べたことのない食感と、程よく濃いクリームの味が絶妙のバランスでした。
「洋風あんぱん」も同様に、やはりパンとあんこのバランスが素晴らしかったです。

我が家で栄えあるベストワンに選ばれたのが「じゃがジューシー」!じゃがいもとバター醤油がパンに溶け込んで、なんとも至福な味わいでした。

正直言うと、並ぶのが苦手なのでパンを食べるまでは「もう来ないかな」と思っていました。
しかし、パンを食べると「帰りにも寄って帰ろうか?」と本気で考えるほどにハマってしまいました。
きっと、また車を走らせ、行列に並んで買いに行くことでしょう。それくらい、最高においしいパン屋さんでした。

Written by フジイ

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© WOWOW INC.

パンの祭典「ISEPAN!」に行ってみた。開催期間2018年5月23日(水)〜28日(月)

パン好きのためのパンの祭典「ISEPAN!」(イセパン)が去年よりスケールアップして伊勢丹新宿店で開催されています。期間は、2018年5月23日(水)〜28日(月)。

パンの世界大会の日本代表のパンや、凄腕職人のパン、地方の人気店、コラボ商品まで、パン好きの心をくすぐるパンが期間限定で大集結。

イートインスペースではパンを引き立てるコーヒーとビールも楽しめます☆

 

私は3日目に行ってみました。

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平日の午後ですが中々混みあっておりました。

催事場に到着すると小麦のかぐわしい香りがただよってきました。

トースター型の大きなオブジェがあります。

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裏からもちらっと

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全国のパン屋さんの美味しそうなパンや鮮やかなサンドイッチなどが並んでいて、見ているだけでも楽しくなってきます。

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お取り寄せブースでは伊勢丹のバイヤーさんが全国各地からピックアップした美味しいおススメのパンたちが並んでおりました。

 

フォトジェニックなパンもたくさんありました。お土産にも良さそうですね☆

跳び箱型のパンや

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レインボーのベーグル

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(甘いクリームチーズがサンドされていました☆)

 

イートインスペースではビールやパンに合わせたコーヒーを一緒に楽しむことが

できます。

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全国のパンが一度に楽しめる「ISEPAN!」にぜひ足を運んでみてはいかがでしょうか。

 


「ISEPAN!」オフィシャルサイトはこちら!

Written by ぽむちょ

辛いもの好き必見!野外イベント「ナマステ・インディア」でスパイスの海に溺れてきた

9/23(土)と24(日)に、代々木公園イベント広場で行われた「ナマステ・インディア」に行って来ました!

辛いもの好き必見!野外イベント「ナマステ・インディア」でスパイスの海に溺れてきた

今回参加したのは2日目の日曜日。天気にも恵まれ、グルメにぴったりな陽気です。
このナマステ・インディア、グルメや物販、旅行関係など様々なインドにまつわるブースが出店しています。
グルメのブースは22店が出店。
都内にいながら本場インドの味を楽しめる、辛いもの好きなら見逃せないイベントです。
大勢の方が訪れ、インドグルメを楽しんでいました!

辛いもの好き必見!野外イベント「ナマステ・インディア」でスパイスの海に溺れてきた

会場は代々木公園イベント広場。数々のイベントが開催されている場所です。
野外ステージではダンスをはじめ、様々なインドのパフォーマンスが行われていました。

会場は既に食欲をそそる刺激的なスパイスの香りで包まれています…
お腹のコンディションを万全に整えて、いざスタートです!

口当たり良し、後引く辛さよし!絶品のサグチキン

空きっ腹には炭水化物!
ということで1品目は、ガンジスさんのサグチキン(ほうれん草のチキンカレー)を食べました。
カレーはセットとなっていて、ナンかライスが選べます。

辛いもの好き必見!野外イベント「ナマステ・インディア」でスパイスの海に溺れてきた
辛いもの好き必見!野外イベント「ナマステ・インディア」でスパイスの海に溺れてきた

ナンはビッグサイズ!顔以上の大きさで、もちもちしています。
ほうれん草のカレーは口当たりが良く、後引く辛さが絶品です。
もちもちのナンと相性が良い!
チキンはゴロっとしていて、食べ応えがあります。
一食目にぴったり、ボリュームたっぷり大満足のカレーでした!

うどん好きなら要チェックの祭典「うどん天下一決定戦」に行ってみた!

都内にいながら全国のうどんを食べられるイベント、うどん天下一決定戦

8/26(土)と27(日)に代々木公園広場で開催された、「うどん天下一決定戦2017」に行って来ました!

うどん好きなら要チェックの祭典「うどん天下一決定戦」に行ってみた!

参加したのは初日の26日。
予報では天気が崩れそうでしたが、当日は打って変わって夏らしい晴れ模様に。
絶好のうどん日和でした。

うどん天下一決定戦2017は、日本全国から選りすぐりの15店が出店しています。 日本全国のうどんを都内にいながら楽しめる、うどん好きにはたまらないイベントです。

うどん好きなら要チェックの祭典「うどん天下一決定戦」に行ってみた!

会場は数々のグルメイベントが開催されている、代々木公園B地区イベント広場。
うどんを楽しむために、子供から大人まで多くの方で集まり、会場はとても賑わっていました。

この日はよさこいのイベントも開催されていて、ステージでは様々なチームが躍っていたので、お祭り気分も味わえました!

美味しいうどんを最高のコンディションでなるべくたくさん食べるべく、前日はお酒を控え、当日は朝食を控えめに。
万全な状態に整えて、イベントに参加してきました!

A5ランク極上の肉を使用!讃岐のおうどん 花は咲く「極上の肉うどん」

お腹が空いていたので、まずはがっつり食べたい!
そこで1品目は、讃岐のおうどん 花は咲くさんの極上の肉うどんをチョイスしました。

うどん好きなら要チェックの祭典「うどん天下一決定戦」に行ってみた!

とにかく肉が絶品!
A5ランクの極上の肉は食べ応えがあり、甘辛ダレとの鉄板の組み合わせが最高です。
うどんはコシがあり、喉ごし良し。
甘辛ダレの肉とコシのある麺は相性抜群で、どんどん箸が進みます。
つゆはすっきり、生姜やネギの薬味もたっぷりなので、さっぱりと食べられます。
肉の味が格別な、贅沢なうどんでした!

うどん好きなら要チェックの祭典「うどん天下一決定戦」に行ってみた!

かき氷・魯肉飯・小籠包…注目の台湾グルメイベント「台湾フェスタ」に行ってみた!

かき氷・魯肉飯・小籠包…注目の台湾グルメイベント「台湾フェスタ」に行ってみた!

都内にいながら台湾グルメを味わえるイベント・台湾フェスタ

7/29(土)と30(日)に代々木公園広場で開催された、「台湾フェスタ2017」に行って来ました!
参加したのは初日の29日で、天気は曇りから晴れに。
夏本番の高い気温にもかかわらず、台湾グルメを味わうために大勢のお客さんが来場していました。

かき氷・魯肉飯・小籠包…注目の台湾グルメイベント「台湾フェスタ」に行ってみた!

台湾フェスタでは、がっつりご飯が食べられるフードブースが38店、スイーツブースが10店、ケータリングブースが6店と合計で54店の飲食ブースが出店。
さらにその他にも物販などのブースもあり、台湾の魅力を存分に楽しめるイベントとなっています。

会場は色々なグルメのイベントでお馴染みの代々木公園イベント広場。
様々なブースに加えて、メインステージでは数多くのイベントが開催され、盛り上がりをみせていました。

たくさん台湾グルメを味わうため朝食は控えめにし、お腹のコンディションを調整。
お腹を空かせてスタートです!

西加奈子『うつくしい人』 他人の目を気にすることに疲れてしまったあなたへ

自意識過剰な主人公に共感できる?西加奈子「うつくしい人」

今回取り上げるのは、以前紹介した『きりこについて』に続いて、西加奈子さんの作品です。

西加奈子『うつくしい人』 他人の目を気にすることに疲れてしまったあなたへ

『うつくしい人』は32歳の蒔田百合という女性が主人公。
百合は自意識過剰な性格で、常に他人の目に対して怯えながら過ごしています。
「他人から見て、自分はどう見えるか」が物事を決める尺度となっていて、歴代の彼氏も「連れていて自慢できるかそうでないか」が決め手でした。
学生時代には嫌いではない(むしろ好きだった?)クラスメートへのいじめに加担していて、その過去が百合の心の暗い闇の原因となっています。

西加奈子『うつくしい人』 他人の目を気にすることに疲れてしまったあなたへ

このように「好きでも無い彼氏と付き合う」「嫌いではないクラスメートをいじめる」など、自分の意志ではなく「他人の目」を基準に生きていくようになった理由の大きな存在が「姉」です。

百合の「姉」はとても「うつくしい人」であり、純真無垢な女性です。
純真無垢すぎて、学生の頃のある事件を皮切りに人間関係につまずき、ずっと「ひきこもり」をしています。
しかし、ひきこもりとなった今でも、姉は美しく、やさしく、やはり純真無垢なまま存在しています。

他人の目を気にしなさ過ぎて社会生活を送れない姉を反面教師のようにして、他人の目を気にすることで自分を守ってきたつもりだった百合でしたが、あることがきっかけでとうとう職場で急に泣きだしてしまいます。
それほどに、自らを他人の視線から追い込んでしまっていたのでした。

西加奈子『うつくしい人』 他人の目を気にすることに疲れてしまったあなたへ

突然泣き出すという醜態をさらしてしまった百合は、一人旅に出ます。
この旅立ちの場面では、百合の病的なまでの自意識の描写が読んでいて辛いほどです。
しかし、百合はこの旅行でとあることに気づき、大きな変化を遂げるのです。

百合を潤す唯一の存在、それがビール

ホテルについた百合は、ホテルのバーへ行きます。
そこで、ちょっと失礼でうだつの上がらないバーテンの坂崎と謎のドイツ人マティアスと出会います。
この二人が、百合の救世主となるわけですが、ここで注目したいのが「ビール」です。

西加奈子『うつくしい人』 他人の目を気にすることに疲れてしまったあなたへ

この小説は主人公である百合の語りで物語が進んでいきます。
先ほど書いたように、百合は他人の目を非常に気にします。
あの人にとって自分はこう見えているのではないかという考えはもちろんのこと、あの人、本当はこの仕事がしたくないのではないかという、少々余計なお世話なことまで考えています。
つまり、百合の頭の中は他人と自分のことでいっぱいなのです。

しかし、ビールを飲む瞬間はその百合の頭の中の独白がスっと消えているような感覚を覚えるのです。
つまり、何も考えていない、素の自分が出ているような感覚です。
このホテルの場面以外にもビールを飲むシーンは何度かあるのですが、特に前半の百合がまだ苦しんでいる時にすら、そのように感じました。
重苦しい世界の中、ビールだけが軽やかに百合の喉を潤しているような印象でした。

西加奈子『うつくしい人』 他人の目を気にすることに疲れてしまったあなたへ

百合はお金持ちのお嬢様で、身に着けている物はすべて一流です。
歴代の彼氏も外車を乗り回しているようなタイプばかり。
そんな百合がバーであえて「ビール」を自然にオーダーしていることから、そのような印象を持ったのかもしれません。
だって、お嬢様ならシャンパンとか何だかおしゃれな飲み物を頼みそうだと思いませんか?

西加奈子『うつくしい人』 他人の目を気にすることに疲れてしまったあなたへ

きっと、「大好きなビールを飲みたい」と思う、百合自身の隠れていた意志が自然と出ていたシーンだったのでしょう。
好きな飲み物(特にお酒!)を前に、自分を偽ることなど出来ませんものね。

Written by フジイ

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【星新一の時代小説】お金よりお米が価値を持った時代 殿さまの食卓はぬるい?

ショートショートの神様・星新一がつむぎ出した、時代小説

「ショートショートの神様」と呼ばれ、SF作家として認知されている星新一の時代小説があるのをご存じでしょうか。
その名も『星新一時代小説集』です。

【星新一の時代小説】お金よりお米が価値を持った時代 殿さまの食卓はぬるい?

文庫で出版されているのは、「天の巻」「地の巻」「人の巻」の3冊。今回のテーマは「天の巻」に収録されている「殿さまの日」というお話に出てくるごはんです。

現代とは比にならない?その時代の「お米」の重要性

「何万石の大名」というフレーズを聞いたことがあると思います。
この「石(こく)」は、お米の量を表す単位。
江戸時代は、そのお殿さまの領地は面積ではなく、収穫できるお米の量「石高」によってその広さを表していました。
もちろん、石高の高い大名ほど力が強いことは言うまでも有りません。
1石=1,000合だそうで、いったい何合炊きの炊飯器がいるのかと、どうでもいい想像をしてしまいそうです。
私は時代劇や大河ドラマを観る程度の知識しかなく、今までで読んだことのある時代小説も「鬼平犯科帳」くらいでしたので、この時代のお米の重要性がこんなにも大きいとは知りませんでした。
収穫できるお米の量は大名の力を表すだけではなく、すべての人々への生活に直結したものだったのです。

【星新一の時代小説】お金よりお米が価値を持った時代 殿さまの食卓はぬるい?

「殿さまの日」

「殿さまの日」は、そんな時代のとあるお殿さまの1日が書かれています。
殿さまは一日中、いろいろな事を考えています。回想、妄想、思想さまざまなことが頭をぐるぐると支配している様です。しかし、いろいろな事を考えても、立場上直面した問題を解消することが出来ません。

というのも、殿さまが問題解決のために何かをしようとすると、家臣によけいな気づかいをさせてしまうばかりか、幕府や他藩との関係に変化が起こってしまいますので、なかなか行動を起こす事ができません。
そのため、殿さまはいつも通りの1日を何事もないかのように過ごすしかないのでした。

【星新一の時代小説】お金よりお米が価値を持った時代 殿さまの食卓はぬるい?

形式張った殿さまのごはん

そんな殿さまの一日の最初のご飯は、朝8時の朝食です。ご飯の為のお座敷に移動していただきます。
メニューは「うめぼし、大根のみそ汁、とうふの煮たもの、めし」だそうで、意外と質素。
つぎの間に控えている「毒見役」が一通り口に入れて、問題が無いか確認。さらにその毒見役を監視する小姓もいます。
そんな厳戒態勢の中、殿さまの前に運ばれてきたごはんはすっかりぬるくなっています。

【星新一の時代小説】お金よりお米が価値を持った時代 殿さまの食卓はぬるい?

「たまには温かいご飯が食べたいなぁ」とでも思うのかと想像していましたが、殿さまは子どものころから、ぬるくなったご飯しか食べたことがないので「料理とは、ぬるくつめたいものなのだ」と殿さまは「思いこんで」いるそう。
温かいご飯を食べたことがないので、そもそもホカホカの温かいご飯の存在を知らないということなのです。

何だかとてもかわいそうな気がしてきました。殿さまとは本当に窮屈なお仕事です。
すべてが形式にのっとっていて、平和な時代でさえも「毒見役」が必要なのです。
思案ばかりしている殿さまがその存在に疑問を抱いても、形式上その役職に人間を置いておかなければいけません。
食事中に小姓に何と話しかけるかも、吟味に吟味を重ねた他愛のない形式張った言葉です。
いつも周りにいる側近たちですら、殿さまが形式張った行動をとる裏でこんなに思案をしているとは、露ほども知らないでしょう。

正午には「すまし、野菜の煮つけ、いわしのひもの、めし」と、やはり思いのほか質素なお昼ご飯を食べます。
もちろん、形式上毒見役を経由しているので冷えています。
食べながら、「たまには変わったものが食べてみたい」と思いつつも「無理なことだ」とあきらめている殿さま。
ひとことそんなことを言ってしまえば、料理係が責任をとらされ、さらに食費が財政を圧迫してしまうと容易に想像できるからです。

夕飯も代り映えのしないメニューを食べ、甘い物(干し柿)か酒どちらにするか問われた殿さまはぬるくなったお酒を飲みます。
物足りない気持ちもありますが「殿さまのからだは藩のものでもある」ため、自らの欲求のために必要以上の飲酒はできません。

【星新一の時代小説】お金よりお米が価値を持った時代 殿さまの食卓はぬるい?

炊き立てごはんの美味しさを知らないお殿さま

お米の取れ高が重要だった時代の大名(殿さま)が、ご飯が最もおいしい状態、つまり炊き立てのご飯の美味しさを知らないとは、何だか切ないですね。
物語のキャラクターとはいえ、藩のトップという立場の殿さまの周囲すべてに気を使いながら過ごしている様子が、家庭で奥さんに気を使って肩身の狭い思いをしている旦那さんのようで、何だか胸がきゅっと締め付けられてしまいました。

読了後、炊き立てご飯を食べてながら、自分の国で収穫されたお米をしっかりと味わい、こんな平和な世の中にしてくれた先人たちへ思いを馳せていきたいな…と少々感傷的になってしまいました。

Written by フジイ

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【おいしい小説】『また次の春へ』父が作った豚コマともやしのトン汁

「東日本大震災」を題材にした短編集『また次の春へ』

重松清著の『また次の春へ』は、2011年3月11日の「東日本大震災」をテーマにした、7編の短い物語が集められた1冊です。

【おいしい小説】変わる味と変わらない味『また次の春へ』我が家の味トン汁

“その日”の話というよりは、“その後、残された人たち”の話に焦点を当てていて、感傷的なお話ではなく、ほとんどが現実的で人の感情がじわじわと心に入りこんで来るようなお話ばかりです。 津波にさらわれたまま、見つからない息子や親。残された家族は、「ただいま」って帰ってくるんじゃないかという思いと、もうだめなんだろうという思いの狭間で揺れ動きます。残された人々は、それぞれの想いを抱えたまま生きていくことになるのです。
読んでいる最中は、目を背ける事をしてはいけないような気持になり、ほとんど貪るように読みふけってしまう、そんな本でした。
その7編の小説のうち、特にじんわりと心に染みたお話が「トン汁」です。

「トン汁」のはじまり

この「トン汁」というお話はのスタートは東日本大震災ではありません。主人公の母親が急死し、そのお葬式から帰ってきた場面から始まります。
母親は冷え込んだ早朝、トイレに行こうとした瞬間に倒れて、脳溢血(のういっけつ)で亡くなりました。この時、主人公は小学3年生。中学1年生の兄と小学5年生の姉がいました。それから、これまで料理をしたこともなかったであろう、父親。残された4人家族は、呆然としたまま葬式が行われた田舎から帰宅したのです。
帰宅してしばらく後に、お隣のおばさんが申し訳なさそうに“生協の食料品”を持って訪ねてきました。2週間前に母親が注文した食材が届いたので、預かっていてくれたのです。生前、母親が注文しておいてくれたシーズン前の酸っぱい「いちご」を、それぞれの方法で食べる子どもたち。

【おいしい小説】変わる味と変わらない味『また次の春へ』我が家の味トン汁

いちごを食べ終わると同時に、今まで黙ってこたつに入っていた父親がこういうのです。

“腹、減ってないか”。

これが、この家の味となる「トン汁」が誕生した瞬間でした。

【おいしい小説】変わる味と変わらない味『また次の春へ』我が家の味トン汁

「トン汁」の役割

父親がこの日作ったトン汁の具は、生協から届いた“豚肉のコマ切れ”“モヤシ”でした。母のトン汁とは大違いの具材でしたが、父親は“モヤシだったら包丁も使わずにすむんだし”“お父さんのオリジナル料理だ”と言って、笑います。この時、主人公ははじめて「お母さんがもういない」現実を目の当たりにして、ようやく泣く事ができたのです。

父親が初めて作ったトン汁は、あまりおいしくありませんでした。しかし、このトン汁はその後“我が家にとって大切な、特別な料理になった”のです。もちろん、具は「豚肉」と「もやし」のみのままで。

【おいしい小説】変わる味と変わらない味『また次の春へ』我が家の味トン汁

その後、3人の兄弟はそれぞれ大人になり、結婚後も「トン汁」を特別な料理として、それぞれの家庭で作り続けます。兄は父親のオリジナルレシピのまま、姉はいろいろなアレンジを加えながら、そして主人公は豆腐を入れたトン汁を“わが家のトン汁”としています。
この家族にとっては、トン汁が「家族の団結」の味であり、傷ついた気持ちを何とか守ろうとする、後ろ盾のようなものだったのだろうと思います。

【おいしい小説】変わる味と変わらない味『また次の春へ』我が家の味トン汁

家族の戸惑いをまとめてくれた「トン汁」

母親の急死という突然の出来事に戸惑い、泣く事すらできなかった残された家族たち。そのどうしようもない気持ちを、父親が作る温かいトン汁がまとめてくれました。
「家庭の味」や「おふくろの味」ではなく、その瞬間でしか生まれない「我が家の特別な料理」は、奇跡にも近い味。「失恋した日に食べたスイーツ」や「受験前日に食べたごはん」…特別な料理が生まれるきっかけは、誰にでもあるものです。その時の味や気持ちは、いつまでも忘れられない大切なものとなって、その人の心に残り続けるのです。

Written by フジイ

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【おいしい小説】『間宮兄弟』“ボウルいっぱいつくったフルーチェ” の誘惑

愛すべき不思議兄弟の恋愛模様

江國香織著『間宮兄弟』は、佐々木蔵之介さんドランクドラゴン塚地武雅さんでの映画化も話題になった作品です。

【おいしい小説】『間宮兄弟』“ボウルいっぱいつくったフルーチェ” の誘惑

主人公は明信と徹信、趣味や価値観がちょっと不思議な兄弟
作中で描かれる非モテな間宮兄弟の恋愛模様が、独特かつ滑稽、しかも妙に共感出来たりと、読んでいくうちに間宮兄弟の魅力に引き込まれていきます。彼らは、男性としての魅力はあまりないかもしれませんが、まさに「愛すべき人間」といった感じで、本人たちに自覚はなくともとても優れた人間力を持っている印象を受けるキャラクターです。

【おいしい小説】『間宮兄弟』“ボウルいっぱいつくったフルーチェ” の誘惑

©「間宮兄弟」製作委員会

ストーリー上最初の大きなポイントとなるのが“カレーパーティ”です。間宮家で開催されるカレーパーティのゲストは、徹信が“明信好み”だと感じた小学校の教諭「葛原依子」と、明信が密かに好意を抱いているレンタルビデオ店店員の女子大生「本間直美」の2人でした。
勇気を出して女性を招待したそのパーティから、いつもとは違う「女性が関わってくる」間宮兄弟の日常が始まります。

【おいしい小説】『間宮兄弟』“ボウルいっぱいつくったフルーチェ” の誘惑

©「間宮兄弟」製作委員会

本間姉妹の“ボウルいっぱいつくったフルーチェ”

カレーパーティに招待された本間直美は、仲良しの妹・夕美に報告をします。男二人暮らしの部屋に行くわけですから、直美も不安です。しかし、妹は“一緒に行こう”との姉の誘いを“やだよ”“あやしーじゃん、そんなの。”と言って断ります。
物静かで優しいけれど、気の弱い姉・直美と、振る舞いが乱暴ではあるけれど、優しくしっかり者の妹・夕美。そんな二人の話合いのシーンには“ボウルいっぱいつくったフルーチェ”が登場します。この食べ方は姉妹ならではだなーと、とても印象的な場面です。
“ボウルいっぱいつくったフルーチェ”を2人でスプーンでつついて女子会議をする様子は、姉妹の内側を見せてくれたような、瑞々しい魅力にあふれていました。 もちろん映画でもこのシーンがあります。沢尻エリカさんと北川景子さん演じる本間姉妹は、かわいいというより美しすぎましたが。

【おいしい小説】『間宮兄弟』“ボウルいっぱいつくったフルーチェ” の誘惑

©「間宮兄弟」製作委員会

ちなみに間宮兄弟の開催したパーティに登場したのは、“エダマメさつまあげ茹でとうもろこし”など…間宮兄弟の普段の食卓も昭和感漂うちょっと質素なメニューが登場します。

【おいしい小説】『間宮兄弟』“ボウルいっぱいつくったフルーチェ” の誘惑

©「間宮兄弟」製作委員会

一方で、本間姉妹が食べるシーンはファミレスファストフードなど、「イマドキ」な雰囲気で描かれています。

【おいしい小説】『間宮兄弟』“ボウルいっぱいつくったフルーチェ” の誘惑

©「間宮兄弟」製作委員会

“ボウルいっぱいつくったフルーチェ”の誘惑

『間宮兄弟』の小説や映画に触れてから、 “ボウルいっぱいつくったフルーチェ”を実現したいという誘惑が度々訪れました。しかし、これを実行するには絶対に相方が必要です。本間姉妹のように、誰かと「あーでもないこーでもない」と話しながら食べないと、魅力が半減してしまう気がするのです。
そんな思いを抱えたまま数年。長女が3才くらいの時です。誘惑に抗いきれず、「いけるんじゃないか」と思い “ボウルいっぱいつくったフルーチェ”を作ってみたことがありました。結果は、そもそもフルーツが嫌いだった長女はフルーチェにあまり興味を示さずに断念…。ほぼ一人で無理やりたくさんのフルーチェを食べる羽目に陥りました…。
妹が生まれ、長女がそこそこ大きくなった今、“ボウルいっぱいつくったフルーチェ”リベンジをしてみる良いタイミングではないかと、またひそかに思っています。その時には、女子会議ならでは、子供たちの好きな子の話なんて、聞けるのかもしれません…♪

Written by フジイ

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秘密のお料理代行屋の主人公が謎を解くコージーミステリ 事件の鍵はチリコンカン

コージー・ミステリー『秘密のお料理代行① そのお鍋、押収します!』

コージー・ミステリーという小説のジャンルをご存じでしょうか?ミステリーなので、事件が起こって主人公がそれを解決するのですが、その主人公が「近所のおばちゃん」「好奇心旺盛なおねえさん」だったりするのが特徴です。代表的な作品はアガサ・クリスティーの『ミス・マープル』だといえば、ピンとくる方も多いと思います。暴力的な表現が少なく、恋愛要素や、お料理に絡ませた作品も多いので、気軽に読んで楽しめるジャンルの小説なんです。
そんなコージー・ミステリー作品の一つ、『秘密のお料理代行① そのお鍋、押収します!』では、“秘密のお料理代行”を仕事としている主人公・ライラが、事件に巻き込まれていきます。

“秘密のお料理代行”とは、お客の依頼によって、その人が作ったように見せかけた料理をライラが作り、こっそり納品するケータリング業のこと。そのお客の一人、ペット・グランディに納品した「チリコンカン」が今回の事件のきっかけになります。なんと、「チリコンカン」を食べた女性が急に倒れて死んでしまうのです。自分が作った料理だけど、ペットの名誉のためにそれを明かすことが出来ないライラ。惹かれ合っているイケメンな担当刑事・ジェイにも事実を言えないことに、さらに後ろめたさも感じて…。と、そんな感じでライラはいつの間にか事件解決のために奮闘している、といったストーリーです。

秘密のお料理代行屋さんの主人公が謎を解くコージーミステリ 事件の鍵はチリコンカン

声に出して言いたくなる料理「チリコンカン」

ライラは小説内でいろいろなおいしそうなお料理を作っていますが、やはり事件のきっかけとなった「チリコンカン」が気になります!毒入りは勘弁ですが。

Chirikonkan

「チリコンカン」、その存在は知っていたし、だいぶ以前になんちゃってチリコンカンは作ったこともありましたが、本格的なものはまだ食べたことがありません。そもそもチリコンカンってどこの料理屋さんに行けば食べられるんでしょう。
訳者あとがきによると、チリコンカンは“テキサス生まれのメキシコ料理”だそう。普通に南米の料理なんだろうと思っていた私はびっくりしました。アメリカで生まれたお料理なんですね!“アメリカの国民食”である、チリコンカンは“日本の家庭で作るカレーのようなもの”という説明が、アメリカにおける「チリコンカン」の存在感を分かりやすくしてくれています。

mexican chili con carne

ますます食べたくなるぞ!チリコンカン!

作中、ペットの作るチリコンカンは地域の人みんなを虜にしている、と書かれています。(本当はライラが作っているのですが。)もともと、アメリカ人に絶大なる人気を誇る「チリコンカン」なのに、ライラの作るチリコンカンは、よほど美味しいんでしょうね。うーん、ますます食べたい!

Spicy Homemade Chili Con Carne Soup

実は、巻末にライラのレシピ集が収録されており、もちろんチリコンカンのレシピも掲載されています。おお、作ってみようかなと思ってはみたものの、材料を見て断念。到底、我が家のキッチンにある材料では作れず、材料を揃えるだけですごい出費になりそうです。調理器具にしても、ダッチオーブンとかターキーベイスターとか無いので、どうすればいいんだろうという感じ。
ネットで検索すれば、日本仕様に作りやすくなったチリコンカンのレシピは見つかりますが、やっぱり本場のチリコンカンが食べたい!チリコンカンが食べられるお店を探しても、「チリコンカン風」が多いですし…。
“アメリカの国民食”と言われるほど、あちらではポピュラーなお料理なのに、日本では簡単にその味を楽しめないなんて…本場アメリカの味「チリコンカン」を日本で探す道は、なかなか険しいようです。

Written by フジイ

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