私は頭脳パンとは、レーズンが入っているパンだというイメージでした。レーズンが頭にいいんだと思っていたんですが、どうやら違う様です。
頭脳パンの定義は、「頭脳粉」で作られていることなんだそう。「頭脳粉」という名前だけでは、正直大丈夫なのかと思いますが、小麦粉にビタミンB1を混ぜたものを言いますので、全く怪しいものではありあません。この頭脳粉については、大脳生理学者である林髞(はやし たかし)氏が著書『頭のよくなる本 – 大脳生理学的管理法』の中で提唱しています。
ちなみにこの林髞氏は、あの「パブロフの犬」で有名なイワン・パブロフの元で条件反射学を学んでいて、木々 高太郎(きぎ たかたろう)というペンネームで推理小説も執筆していたという多才な人物です。頭脳パンはちゃんと学術的裏付けがある食べ物なんですね。
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実は私は幼少期に頭脳パンを食べたことがありません。当時の頭脳パンはレーズン入りというイメージがあったので、レーズンが嫌いな私は食べられなかったのです。
しかし、頭脳パン=レーズンというわけではないと分かった今、遅ればせながら頭脳パンデビューしてみようかなと思っています。アキコたちが願ったように今からでも頭脳明晰になるかもしれないし…。
なにより、しまちゃんの親と同じように“頭がよくなるように”と強く願って子どもたちにも食べさせてやろうと企んでいるのです。
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群 ようこ
唯一の身内である母を突然亡くしたアキコは、永年勤めていた出版社を辞め、母親がやっていた食堂を改装し再オープンさせた。しまちゃんという、体育会系で気配りのできる女性が手伝っている。メニューは日替わりの〈サンドイッチとスープ、サラダ、フルーツ〉のみ。安心できる食材で手間ひまをかける。それが、アキコのこだわりだ。そんな彼女の元に、ネコのたろがやって来た―――。泣いたり笑ったり・・・・・・アキコの愛おしい日々を描く傑作長篇。
今回取り上げるのは、以前紹介した『きりこについて』に続いて、西加奈子さんの作品です。
『うつくしい人』は32歳の蒔田百合という女性が主人公。
百合は自意識過剰な性格で、常に他人の目に対して怯えながら過ごしています。
「他人から見て、自分はどう見えるか」が物事を決める尺度となっていて、歴代の彼氏も「連れていて自慢できるかそうでないか」が決め手でした。
学生時代には嫌いではない(むしろ好きだった?)クラスメートへのいじめに加担していて、その過去が百合の心の暗い闇の原因となっています。
このように「好きでも無い彼氏と付き合う」「嫌いではないクラスメートをいじめる」など、自分の意志ではなく「他人の目」を基準に生きていくようになった理由の大きな存在が「姉」です。
百合の「姉」はとても「うつくしい人」であり、純真無垢な女性です。
純真無垢すぎて、学生の頃のある事件を皮切りに人間関係につまずき、ずっと「ひきこもり」をしています。
しかし、ひきこもりとなった今でも、姉は美しく、やさしく、やはり純真無垢なまま存在しています。
他人の目を気にしなさ過ぎて社会生活を送れない姉を反面教師のようにして、他人の目を気にすることで自分を守ってきたつもりだった百合でしたが、あることがきっかけでとうとう職場で急に泣きだしてしまいます。
それほどに、自らを他人の視線から追い込んでしまっていたのでした。
突然泣き出すという醜態をさらしてしまった百合は、一人旅に出ます。
この旅立ちの場面では、百合の病的なまでの自意識の描写が読んでいて辛いほどです。
しかし、百合はこの旅行でとあることに気づき、大きな変化を遂げるのです。
ホテルについた百合は、ホテルのバーへ行きます。
そこで、ちょっと失礼でうだつの上がらないバーテンの坂崎と謎のドイツ人マティアスと出会います。
この二人が、百合の救世主となるわけですが、ここで注目したいのが「ビール」です。
この小説は主人公である百合の語りで物語が進んでいきます。
先ほど書いたように、百合は他人の目を非常に気にします。
あの人にとって自分はこう見えているのではないかという考えはもちろんのこと、あの人、本当はこの仕事がしたくないのではないかという、少々余計なお世話なことまで考えています。
つまり、百合の頭の中は他人と自分のことでいっぱいなのです。
しかし、ビールを飲む瞬間はその百合の頭の中の独白がスっと消えているような感覚を覚えるのです。
つまり、何も考えていない、素の自分が出ているような感覚です。
このホテルの場面以外にもビールを飲むシーンは何度かあるのですが、特に前半の百合がまだ苦しんでいる時にすら、そのように感じました。
重苦しい世界の中、ビールだけが軽やかに百合の喉を潤しているような印象でした。
百合はお金持ちのお嬢様で、身に着けている物はすべて一流です。
歴代の彼氏も外車を乗り回しているようなタイプばかり。
そんな百合がバーであえて「ビール」を自然にオーダーしていることから、そのような印象を持ったのかもしれません。
だって、お嬢様ならシャンパンとか何だかおしゃれな飲み物を頼みそうだと思いませんか?
きっと、「大好きなビールを飲みたい」と思う、百合自身の隠れていた意志が自然と出ていたシーンだったのでしょう。
好きな飲み物(特にお酒!)を前に、自分を偽ることなど出来ませんものね。
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他人の目を気にして、びくびくと生きている百合は、単純なミスがきっかけで会社をやめてしまう。発作的に旅立った離島のホテルで出会ったのはノーデリカシーなバーテン坂崎とドイツ人マティアス。ある夜、三人はホテルの図書館で写真を探すことに。片っ端から本をめくるうち、百合は自分の縮んだ心がゆっくりとほどけていくのを感じていた-。
強豪ひしめく京都のパン屋の中で、ナンバーワンの呼び声高いお店が「たま木亭」です。
宇治市にあるこの「たま木亭」には、おいしいパンを求めて京都のみならず、府外からもお客さんが訪れるため、店の前にはいつも行列が出来ています。
そのずっと気になっていた「たま木亭」に、家族総出で行って参りました。
私たちが訪れた時にも、駐車場には他府県ナンバーの車がずらりと並んでいました。
幸運なことに、お店の前の駐車場が空いていたので停められましたが、たま木亭の駐車場は近隣に散らばって30台分もありますので、運が悪いとちょっと離れた所に止めることになります。
すべてはタイミングですね。
しかし、やはりお店の前には列が出来ていて、子連れにはなかなか厳しい状態でした。
photo by Richard Murdey
列は外にまで延びているわけですから、店内もずらりとお客さんが一列に並んでいます。
つまり、逆走がしにくい状況になっています。
「やっぱさっきのパンが欲しい」と思っても、なかなか戻りにくい。
もちろん、戻って取りに来るお客さんもいましたが少数でした。
ネットなどで予習をしてから、ある程度目星をつけていくことをおすすめします。
我が家は長女を筆頭に優柔不断なので、いつもパン屋に行くと店内を5周くらいはうろつきます。
しかし、今回はそんなに悩む暇がないので「気になったパンがあったら、それにしてしまう。1人2個まで。」という決まり事をつくり、挑みました。
たぶん、お店の滞在時間がこれまでで最短だったんじゃないかな…。
たま木亭の真正面には、「京都大学宇治キャンパス」があります。
おしゃれな建物と、広い芝生が素敵なキャンパスです。
たま木亭でパンを買った家族連れが何組か芝生の上でピクニックを楽しんでいました。
ものすごく惹かれたのですが、私たちはたま木亭から車で10分ほどの「府立宇治公園」に移動しました。
宇治公園は宇治川の真ん中にある公園で、平等院のすぐそばにあります。
賀茂川のように「とんび」に襲われることもなく、まだ桜も咲いていませんでしたので人も少なく、ゆったりとパンを味わう事が出来ました。
たま木亭で購入したのは、「パンシュー」「ブルーベリーの練乳仕立て」「クリームパン」「3種のガレット」「ベーコンハース」「洋風あんぱん」「じゃがジューシー」の7種類。
カレーパンを狙っていた夫ですが、カレーパンはちょうど売り切れていて買えませんでした…。
カレーパン協会で一位になった、たま木亭のカレーパン
たま木亭のパンでまず驚くことが、冷蔵されていた「ブルーベリーの練乳仕立て」以外、すべてまだ暖かかったことです!
こんなことは初めてでした。
たくさんお客さんが来るので、焼き立てパンが常に並んでいる状態なのでしょうね。
ハード系のパンが多いので、冷えると硬くなっているだろうなと思うのですが、どのパンもパリパリフワフワで食べやすかったです!
そして、パンの美味しさ!感動ものです。
「パンシュー」と「ベーコンハース」は大きなベーコンがゴロゴロ入っていて、そのベーコンのジューシーさといったら!
ベーコンの油を吸ったパンの美味しさといったら!思い出すだけでたまりません。
そして定番の「クリームパン」。これまで食べたことのない食感と、程よく濃いクリームの味が絶妙のバランスでした。
「洋風あんぱん」も同様に、やはりパンとあんこのバランスが素晴らしかったです。
我が家で栄えあるベストワンに選ばれたのが「じゃがジューシー」!じゃがいもとバター醤油がパンに溶け込んで、なんとも至福な味わいでした。
正直言うと、並ぶのが苦手なのでパンを食べるまでは「もう来ないかな」と思っていました。
しかし、パンを食べると「帰りにも寄って帰ろうか?」と本気で考えるほどにハマってしまいました。
きっと、また車を走らせ、行列に並んで買いに行くことでしょう。それくらい、最高においしいパン屋さんでした。
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玉木 潤
連日行列の絶えない、京都府宇治市の人気パン店「たま木亭」。
人々をとりこにするのは、オーナーシェフの玉木潤さんがつくり出す、味わい深い食事パンや、オリジナリティに富んだ菓子・そうざいパン。
本書では、玉木さんの真骨頂といえるパンを網羅しました。
「ショートショートの神様」と呼ばれ、SF作家として認知されている星新一の時代小説があるのをご存じでしょうか。
その名も『星新一時代小説集』です。
文庫で出版されているのは、「天の巻」「地の巻」「人の巻」の3冊。今回のテーマは「天の巻」に収録されている「殿さまの日」というお話に出てくるごはんです。
「何万石の大名」というフレーズを聞いたことがあると思います。
この「石(こく)」は、お米の量を表す単位。
江戸時代は、そのお殿さまの領地は面積ではなく、収穫できるお米の量「石高」によってその広さを表していました。
もちろん、石高の高い大名ほど力が強いことは言うまでも有りません。
1石=1,000合だそうで、いったい何合炊きの炊飯器がいるのかと、どうでもいい想像をしてしまいそうです。
私は時代劇や大河ドラマを観る程度の知識しかなく、今までで読んだことのある時代小説も「鬼平犯科帳」くらいでしたので、この時代のお米の重要性がこんなにも大きいとは知りませんでした。
収穫できるお米の量は大名の力を表すだけではなく、すべての人々への生活に直結したものだったのです。
「殿さまの日」は、そんな時代のとあるお殿さまの1日が書かれています。
殿さまは一日中、いろいろな事を考えています。回想、妄想、思想さまざまなことが頭をぐるぐると支配している様です。しかし、いろいろな事を考えても、立場上直面した問題を解消することが出来ません。
というのも、殿さまが問題解決のために何かをしようとすると、家臣によけいな気づかいをさせてしまうばかりか、幕府や他藩との関係に変化が起こってしまいますので、なかなか行動を起こす事ができません。
そのため、殿さまはいつも通りの1日を何事もないかのように過ごすしかないのでした。
そんな殿さまの一日の最初のご飯は、朝8時の朝食です。ご飯の為のお座敷に移動していただきます。
メニューは「うめぼし、大根のみそ汁、とうふの煮たもの、めし」だそうで、意外と質素。
つぎの間に控えている「毒見役」が一通り口に入れて、問題が無いか確認。さらにその毒見役を監視する小姓もいます。
そんな厳戒態勢の中、殿さまの前に運ばれてきたごはんはすっかりぬるくなっています。
「たまには温かいご飯が食べたいなぁ」とでも思うのかと想像していましたが、殿さまは子どものころから、ぬるくなったご飯しか食べたことがないので「料理とは、ぬるくつめたいものなのだ」と殿さまは「思いこんで」いるそう。
温かいご飯を食べたことがないので、そもそもホカホカの温かいご飯の存在を知らないということなのです。
何だかとてもかわいそうな気がしてきました。殿さまとは本当に窮屈なお仕事です。
すべてが形式にのっとっていて、平和な時代でさえも「毒見役」が必要なのです。
思案ばかりしている殿さまがその存在に疑問を抱いても、形式上その役職に人間を置いておかなければいけません。
食事中に小姓に何と話しかけるかも、吟味に吟味を重ねた他愛のない形式張った言葉です。
いつも周りにいる側近たちですら、殿さまが形式張った行動をとる裏でこんなに思案をしているとは、露ほども知らないでしょう。
正午には「すまし、野菜の煮つけ、いわしのひもの、めし」と、やはり思いのほか質素なお昼ご飯を食べます。
もちろん、形式上毒見役を経由しているので冷えています。
食べながら、「たまには変わったものが食べてみたい」と思いつつも「無理なことだ」とあきらめている殿さま。
ひとことそんなことを言ってしまえば、料理係が責任をとらされ、さらに食費が財政を圧迫してしまうと容易に想像できるからです。
夕飯も代り映えのしないメニューを食べ、甘い物(干し柿)か酒どちらにするか問われた殿さまはぬるくなったお酒を飲みます。
物足りない気持ちもありますが「殿さまのからだは藩のものでもある」ため、自らの欲求のために必要以上の飲酒はできません。
お米の取れ高が重要だった時代の大名(殿さま)が、ご飯が最もおいしい状態、つまり炊き立てのご飯の美味しさを知らないとは、何だか切ないですね。
物語のキャラクターとはいえ、藩のトップという立場の殿さまの周囲すべてに気を使いながら過ごしている様子が、家庭で奥さんに気を使って肩身の狭い思いをしている旦那さんのようで、何だか胸がきゅっと締め付けられてしまいました。
読了後、炊き立てご飯を食べてながら、自分の国で収穫されたお米をしっかりと味わい、こんな平和な世の中にしてくれた先人たちへ思いを馳せていきたいな…と少々感傷的になってしまいました。
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わたしは彼らと違うのだ。いかにむなしくても、それはどうしようもないことだ―。殿さまには殿さまの悩みがあって、些細な物事にも思いを馳せる(『殿さまの日』)。“ショートショートの神様”が、斬新な切り口によって描き出す傑作時代小説集第一弾。
重松清著の『また次の春へ』は、2011年3月11日の「東日本大震災」をテーマにした、7編の短い物語が集められた1冊です。
“その日”の話というよりは、“その後、残された人たち”の話に焦点を当てていて、感傷的なお話ではなく、ほとんどが現実的で人の感情がじわじわと心に入りこんで来るようなお話ばかりです。
津波にさらわれたまま、見つからない息子や親。残された家族は、「ただいま」って帰ってくるんじゃないかという思いと、もうだめなんだろうという思いの狭間で揺れ動きます。残された人々は、それぞれの想いを抱えたまま生きていくことになるのです。
読んでいる最中は、目を背ける事をしてはいけないような気持になり、ほとんど貪るように読みふけってしまう、そんな本でした。
その7編の小説のうち、特にじんわりと心に染みたお話が「トン汁」です。
この「トン汁」というお話はのスタートは東日本大震災ではありません。主人公の母親が急死し、そのお葬式から帰ってきた場面から始まります。
母親は冷え込んだ早朝、トイレに行こうとした瞬間に倒れて、脳溢血(のういっけつ)で亡くなりました。この時、主人公は小学3年生。中学1年生の兄と小学5年生の姉がいました。それから、これまで料理をしたこともなかったであろう、父親。残された4人家族は、呆然としたまま葬式が行われた田舎から帰宅したのです。
帰宅してしばらく後に、お隣のおばさんが申し訳なさそうに“生協の食料品”を持って訪ねてきました。2週間前に母親が注文した食材が届いたので、預かっていてくれたのです。生前、母親が注文しておいてくれたシーズン前の酸っぱい「いちご」を、それぞれの方法で食べる子どもたち。
いちごを食べ終わると同時に、今まで黙ってこたつに入っていた父親がこういうのです。
これが、この家の味となる「トン汁」が誕生した瞬間でした。“腹、減ってないか”。
父親がこの日作ったトン汁の具は、生協から届いた“豚肉のコマ切れ”と“モヤシ”でした。母のトン汁とは大違いの具材でしたが、父親は“モヤシだったら包丁も使わずにすむんだし”“お父さんのオリジナル料理だ”と言って、笑います。この時、主人公ははじめて「お母さんがもういない」現実を目の当たりにして、ようやく泣く事ができたのです。
父親が初めて作ったトン汁は、あまりおいしくありませんでした。しかし、このトン汁はその後“我が家にとって大切な、特別な料理になった”のです。もちろん、具は「豚肉」と「もやし」のみのままで。
その後、3人の兄弟はそれぞれ大人になり、結婚後も「トン汁」を特別な料理として、それぞれの家庭で作り続けます。兄は父親のオリジナルレシピのまま、姉はいろいろなアレンジを加えながら、そして主人公は豆腐を入れたトン汁を“わが家のトン汁”としています。
この家族にとっては、トン汁が「家族の団結」の味であり、傷ついた気持ちを何とか守ろうとする、後ろ盾のようなものだったのだろうと思います。
母親の急死という突然の出来事に戸惑い、泣く事すらできなかった残された家族たち。そのどうしようもない気持ちを、父親が作る温かいトン汁がまとめてくれました。
「家庭の味」や「おふくろの味」ではなく、その瞬間でしか生まれない「我が家の特別な料理」は、奇跡にも近い味。「失恋した日に食べたスイーツ」や「受験前日に食べたごはん」…特別な料理が生まれるきっかけは、誰にでもあるものです。その時の味や気持ちは、いつまでも忘れられない大切なものとなって、その人の心に残り続けるのです。
江國香織著『間宮兄弟』は、佐々木蔵之介さんとドランクドラゴン塚地武雅さんでの映画化も話題になった作品です。
主人公は明信と徹信、趣味や価値観がちょっと不思議な兄弟。
作中で描かれる非モテな間宮兄弟の恋愛模様が、独特かつ滑稽、しかも妙に共感出来たりと、読んでいくうちに間宮兄弟の魅力に引き込まれていきます。彼らは、男性としての魅力はあまりないかもしれませんが、まさに「愛すべき人間」といった感じで、本人たちに自覚はなくともとても優れた人間力を持っている印象を受けるキャラクターです。
©「間宮兄弟」製作委員会
ストーリー上最初の大きなポイントとなるのが“カレーパーティ”です。間宮家で開催されるカレーパーティのゲストは、徹信が“明信好み”だと感じた小学校の教諭「葛原依子」と、明信が密かに好意を抱いているレンタルビデオ店店員の女子大生「本間直美」の2人でした。
勇気を出して女性を招待したそのパーティから、いつもとは違う「女性が関わってくる」間宮兄弟の日常が始まります。
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カレーパーティに招待された本間直美は、仲良しの妹・夕美に報告をします。男二人暮らしの部屋に行くわけですから、直美も不安です。しかし、妹は“一緒に行こう”との姉の誘いを“やだよ”“あやしーじゃん、そんなの。”と言って断ります。
物静かで優しいけれど、気の弱い姉・直美と、振る舞いが乱暴ではあるけれど、優しくしっかり者の妹・夕美。そんな二人の話合いのシーンには“ボウルいっぱいつくったフルーチェ”が登場します。この食べ方は姉妹ならではだなーと、とても印象的な場面です。
“ボウルいっぱいつくったフルーチェ”を2人でスプーンでつついて女子会議をする様子は、姉妹の内側を見せてくれたような、瑞々しい魅力にあふれていました。
もちろん映画でもこのシーンがあります。沢尻エリカさんと北川景子さん演じる本間姉妹は、かわいいというより美しすぎましたが。
©「間宮兄弟」製作委員会
ちなみに間宮兄弟の開催したパーティに登場したのは、“エダマメやさつまあげ、茹でとうもろこし”など…間宮兄弟の普段の食卓も昭和感漂うちょっと質素なメニューが登場します。
©「間宮兄弟」製作委員会
一方で、本間姉妹が食べるシーンはファミレスやファストフードなど、「イマドキ」な雰囲気で描かれています。
©「間宮兄弟」製作委員会
『間宮兄弟』の小説や映画に触れてから、 “ボウルいっぱいつくったフルーチェ”を実現したいという誘惑が度々訪れました。しかし、これを実行するには絶対に相方が必要です。本間姉妹のように、誰かと「あーでもないこーでもない」と話しながら食べないと、魅力が半減してしまう気がするのです。
そんな思いを抱えたまま数年。長女が3才くらいの時です。誘惑に抗いきれず、「いけるんじゃないか」と思い “ボウルいっぱいつくったフルーチェ”を作ってみたことがありました。結果は、そもそもフルーツが嫌いだった長女はフルーチェにあまり興味を示さずに断念…。ほぼ一人で無理やりたくさんのフルーチェを食べる羽目に陥りました…。
妹が生まれ、長女がそこそこ大きくなった今、“ボウルいっぱいつくったフルーチェ”リベンジをしてみる良いタイミングではないかと、またひそかに思っています。その時には、女子会議ならでは、子供たちの好きな子の話なんて、聞けるのかもしれません…♪
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牛乳とまぜるだけで作ることができる果肉入りの液体ベースのデザートの素なので、健康的なフルーツ果肉入りのデザートを簡単に家庭で楽しむ事ができます。牛乳と混ぜるだけで簡単に作れます。イチゴ果肉とピューレが入ったフルーティーなおいしさです。ぷるぷるとした他にない食感です。甘すぎない後味のスッキリとしたおいしさです。
コージー・ミステリーという小説のジャンルをご存じでしょうか?ミステリーなので、事件が起こって主人公がそれを解決するのですが、その主人公が「近所のおばちゃん」や「好奇心旺盛なおねえさん」だったりするのが特徴です。代表的な作品はアガサ・クリスティーの『ミス・マープル』だといえば、ピンとくる方も多いと思います。暴力的な表現が少なく、恋愛要素や、お料理に絡ませた作品も多いので、気軽に読んで楽しめるジャンルの小説なんです。
そんなコージー・ミステリー作品の一つ、『秘密のお料理代行① そのお鍋、押収します!』では、“秘密のお料理代行”を仕事としている主人公・ライラが、事件に巻き込まれていきます。
“秘密のお料理代行”とは、お客の依頼によって、その人が作ったように見せかけた料理をライラが作り、こっそり納品するケータリング業のこと。そのお客の一人、ペット・グランディに納品した「チリコンカン」が今回の事件のきっかけになります。なんと、「チリコンカン」を食べた女性が急に倒れて死んでしまうのです。自分が作った料理だけど、ペットの名誉のためにそれを明かすことが出来ないライラ。惹かれ合っているイケメンな担当刑事・ジェイにも事実を言えないことに、さらに後ろめたさも感じて…。と、そんな感じでライラはいつの間にか事件解決のために奮闘している、といったストーリーです。
ライラは小説内でいろいろなおいしそうなお料理を作っていますが、やはり事件のきっかけとなった「チリコンカン」が気になります!毒入りは勘弁ですが。
「チリコンカン」、その存在は知っていたし、だいぶ以前になんちゃってチリコンカンは作ったこともありましたが、本格的なものはまだ食べたことがありません。そもそもチリコンカンってどこの料理屋さんに行けば食べられるんでしょう。
訳者あとがきによると、チリコンカンは“テキサス生まれのメキシコ料理”だそう。普通に南米の料理なんだろうと思っていた私はびっくりしました。アメリカで生まれたお料理なんですね!“アメリカの国民食”である、チリコンカンは“日本の家庭で作るカレーのようなもの”という説明が、アメリカにおける「チリコンカン」の存在感を分かりやすくしてくれています。
作中、ペットの作るチリコンカンは地域の人みんなを虜にしている、と書かれています。(本当はライラが作っているのですが。)もともと、アメリカ人に絶大なる人気を誇る「チリコンカン」なのに、ライラの作るチリコンカンは、よほど美味しいんでしょうね。うーん、ますます食べたい!
実は、巻末にライラのレシピ集が収録されており、もちろんチリコンカンのレシピも掲載されています。おお、作ってみようかなと思ってはみたものの、材料を見て断念。到底、我が家のキッチンにある材料では作れず、材料を揃えるだけですごい出費になりそうです。調理器具にしても、ダッチオーブンとかターキーベイスターとか無いので、どうすればいいんだろうという感じ。
ネットで検索すれば、日本仕様に作りやすくなったチリコンカンのレシピは見つかりますが、やっぱり本場のチリコンカンが食べたい!チリコンカンが食べられるお店を探しても、「チリコンカン風」が多いですし…。
“アメリカの国民食”と言われるほど、あちらではポピュラーなお料理なのに、日本では簡単にその味を楽しめないなんて…本場アメリカの味「チリコンカン」を日本で探す道は、なかなか険しいようです。
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ジュリア バックレイ
昼間は両親の不動産業を手伝う普通のOL。そんなライラにはもうひとつ別の顔があった。それは秘密のお料理代行。ちょっと訳ありの依頼人―料理下手なのを隠したい、高齢で料理できなくなったことを家族に内緒にしたい―さまざまな事情を持つお客様のもとに、美味しい料理を作ってこっそり届けるのだ。ところがある日、いつもどおり秘密の注文を受けて作ったチリコンカンがイベントで振り舞われると、最初に口にした女性が死亡してしまった。何者かが鍋に毒を混入したらしい。ライラはその料理を作ったのが自分だとすぐに警察に話そうとするものの、依頼人は秘密を明かすことを許してくれない。そのせいでライラはとんでもない窮地に追いやられてしまい!?
今回は、京都の老舗パン屋の一つ、進々堂さんに行って、家族で「週末モーニング」をしてきました!創業100年を越える進々堂さんは、京都市内に12店舗あります。
進々堂北山店は、地下鉄北山駅すぐそば。北山通沿いにあります。正面が府立植物園というゆったりした立地です。駐車場完備ですので、車で訪れる方も多いですね。
間口が広く、レンガ造りの素敵なお店です。店舗1階右がレストラン、左がテイクアウトのパン売り場になっています。今回利用したイートインスペースは2階です。
まずはパン売り場でパンを購入してから、2階のイートインスペースに移動します。ここで注意なのですが、2階のイートインスペースを利用する場合はドリンクを頼まなくてはいけません。子どもたちは売り場でパックジュースを買い、大人はレジでコーヒーを淹れてもらいました。
レジの横にある階段を上ると、イートインスペースに到着です。モーニングメニューを提供している1階レストランはお客さんで一杯でしたが、イートインスペースは程よく空いています。
49席ある広々としたイートインスペースです。
オーブントースターや電子レンジのパンを温める機器があり、お水のサーバーも設置してあります。また、お子様用の椅子やお皿など、子連れにもうれしい備品が用意されています。本棚・wifi・トイレも完備。ずっと入り浸りたい空間です。
私たちはイートインスペースの真ん中にある大きなテーブル席を利用させていただきました!
「お母さん(私)の選んだパン」
300円のホットコーヒーに「オニオンハムカイザー」と「リングドーナツ」です。朝なので、さっぱりとハムカイザーをチョイス。前日夫が別のパン屋で抹茶チョコのドーナツを選んでいて、ドーナツが食べたくなったので思わずベーシックなドーナツを選んでしまいました。毎日パンを食べてる一家なんです…。
進々堂の「オニオンカイザー」は、志津屋の「カルネ」と比べられることが多いですが、味付けはかなり違うように思います。「カルネ」はマーガリンの味が強い素朴な味で、「オニオンカイザー」はたくさん入った玉ねぎの風味とカラシマヨネーズがピリリと効いた大人の味です。
「お姉ちゃん(小1)の選んだパン」
母親の影響で「カイザー」系のサンドイッチがあると、それを選ぶようになった長女。加えて、昔からの長女の定番パン・クリームパンです。進々堂のクリームパンは「自家炊きクリームブリオッシュ」という名前。パンの歯ざわりが良く、たっぷりたぷたぷに入ったクリームが美味しいのですが、力加減の知らない子どもが持つとクリームたっぷり過ぎて崩壊することも。
「次女(年中)が選んだパン」
「これこれ!これ美味しいんだよねー。」とさも常連のように選んだ「ブルーベリーのベーグル」と、次女の定番、ウィンナーのパン「フランク」。実は以前に食べさせた記憶はないのですが、確かに進々堂のベーグルは美味しいのです!「これこれ!」と言いたくなる気持ちはわかります。しかし、まだまだおなかのキャパが小さい年中の娘、案の定途中でお腹がいっぱいに。ベーグルはずしっとお腹にきますしね。こんな時、進々堂のイートインスペースにはパン持ち帰り用の袋が置かれているので、とっても便利です。ベーグルは持ち帰って、次の日のお母さんのおやつになりました。
「お父さんが選んだパン」
カフェラテと、「チーズパン」と「リングドーナツ」です。2日連続でドーナツを選んでいました。大好きですね。「チーズパン」はオーブントースターで温めて。おいしそうです。イートインスペースで食べる時は、パンをこのカゴに入れてくれます。
帰りにラスクでも買って帰ろうかと思っていたら、子どもたちが「こっちがいい」とおねだりしてきたのが、「クリスマス全粒粉スコーン」。
「ホワイトチョコがかかった星」と「ストロベリーチョコがかかったブーツ」、それから今回は購入しなかった「抹茶チョコがかかったツリー」の3種類。ホロホロとしたスコーンは子どもたちに大好評でした。
クリスマスが近いので、シュトーレンやサンタさんの形のパンなどクリスマス限定商品がたくさんありましたよ。
日曜日の朝、ゆったりとリラックスした時間が過ごせる「進々堂北山店」。週末は朝の7時半から営業しています。進々堂でモーニングを食べた後、北山の街や植物園の散策をするのも、素敵な週末の過ごし方かもしれませんね。
『きりこについて』の主人公は相当“ぶす”な女の子「きりこ」。どのくらい“ぶす”かというと、本文の中で“ぶす”という文字にボールド(太字)がかかるくらい“ぶす”なのです。“ブス”ではなく“ぶす”とひらがな表記にしているところにも、きりこの“ぶす”さ加減が表れているような気がします。
著者の西加奈子が書くのは、“ぶす”なきりこの少女時代から20代半ばまで。かなり意外な結末と想像通りな結末が、ごちゃ混ぜになった様な不思議な本なのです。
きりこが小学生時代にこよなく愛する食べ物が「白玉」です。
どのくらい好きかというのは、給食に白玉が登場した時の説明がすべてを物語っています。
口に含み、噛まずに、舌の下や奥歯と頬の間で慈しみ、五限目が始まる頃まで置いておくことが、きりこにとって至上の喜びであった。
…なんとなく、美しい日本語で書かれていて騙されそうになりますが、きりこの白玉の食べ方、きたない!!
さらに、口の中にある白玉を友だちに見せびらかすなんてことも、やらかしています。
時間が経ってもなお張りを失わない、白玉のエロティックな、舌触り!
って、さすがの表現というか、白玉のエロティックさに、思わず「そうか」と納得しそうになりましたが、これ、自分の子どもがしていたら、確実に叱りつけるヤツだわ!と思いながら読んでいました。
きりこは白玉が給食として出たある日、白玉に夢中になり過ぎて、昼休みに皆に「シロツメクサ摘み」をやろうと言おうと思っていたのに、出遅れてしまいます。
きりこが気づいた時には、皆は運動場で「長縄跳び」をしていたのです。
長縄跳びをしている皆に「シロツメクサ摘みやろうや!」(きりこは関西弁です)と言いに行くわけですが、皆は長縄跳びに夢中で聞いてくれません。
そこで、思わず大声を出してしまい、案の定大切な白玉がポンと口から出てしまいます。
うちの可愛い可愛い、白玉……。
と打ちひしがれたきりこは涙をこらえながら、こういうのです。
お墓に埋めたるわな。
そこまで溺愛されているとは!何て幸せな白玉でしょうか。
私なら、落とした白玉のお墓を作るなんて、思いつきもしません。
きたない!とか思って申し訳ない気持ちになりました。
まぁ、その直後、お墓を作ろうと体育館裏に移動したきりこは、後に大切な相棒となる猫の「ラムセス2世」と出会い、
白玉をぽいっと、地面に投げ捨てた。
わけですが。
これは、愛してやまない白玉を投げ捨てることで、ラムセス2世との出会いの衝撃を表現しているのか、ただ単に「大好きな白玉を落としてしまって、かわいそうな自分」の世界から目を醒ましただけなのかは分かりませんが、きりこにとって白玉はかけがえのない相棒と出会うきっかけになった食べ物であることは間違いありません。
子どもがしてたら叱る、といいましたが、自分の好きな食べ物をずっと口に含む食べ方って、子どもの頃しませんでしたか?
思い起こせば子どもの頃、私はアーモンドチョコレートのアーモンドをずっと口に含んでいました。
我が家の子どもたちはグミで実行しています。
見つけ次第、注意しますが、いっこうに直る気配はありません。
自分も思い当たる節がありすぎるので、あまり強くも言えないですよね。
今度からは、大好きな食べ物の味をずっと感じていたいんだな、と大きな心で見守っておきます。
そして、もし口からポロリと落としてしまったら、いっしょにお墓を作ってあげようと思います。
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西 加奈子
きりこは「ぶす」な女の子。人の言葉がわかる、とても賢い黒猫をひろった。美しいってどういうこと? 生きるってつらいこと? きりこがみつけた世の中でいちばん大切なこと。
シリーズ京都パン屋巡り。今回伺ったのは、ベーグル専門店の「Radio Bagel(レディオベーグル)」さん。ベーグル専門店は数あれど、Radio Bagel(以後敬称略)のベーグルはダントツでおいしいと評判のお店なのです。
Radio Bagel(以後敬称略)は、地下鉄烏丸線の北山駅から徒歩10分弱の場所にあるベーグル専門店。下鴨中通から住宅街の路地に入り、何店舗か軒を連ねた一番奥。住宅街と山に囲まれ、そばには深泥池という池がある静かな場所です。
Radio Bagelは手づくり市出身のパン屋さん。京都ではほぼ毎週末どこかで手づくり市と呼ばれる参加者が手づくりの雑貨やお菓子などを売るイベントが開催されています。手づくり市出身のパン屋さんやケーキ屋さんは意外と多く見かけますので、登竜門のような場になっているのかもしれませんね。
店内はおしゃれでありながら、落ち着く雰囲気。イートインスペースもあり、小さなテーブル席が3つあります。ドリンクも各種販売しているので、来店するとたいていお客さんがこのスペースでベーグルをほおばっています。朝8時開店なので、朝ごはんにもおすすめ。
この日はもう残り少なめでしたが、ショーケースには、ベーグルがずらり。閉店時間は17時なのですが、閉店時間より前にベーグルが売り切れてしまう日もあるそう。予約も受け付けているようなので、遠方から訪れる場合は予約しておいた方が安心かもしれません。私がうかがった時も予約で10個購入していたお客さんがいました。すごい!
ベーグルをそのまま購入してもよいのですが、おすすめはサンドイッチです。週ごとにメニューが変わり、期間限定のものもあるので毎回楽しみにしています。
この日のサンドイッチのメニューがこちら。
ベーグルとクリームチーズのベーシックな「シンプルサンド」も良いのですが、やっぱりガッツリ系がおいしそう!
「3種のキノコとチーズスクランブルエッグ」は秋限定。この季節だけなので、こちらを選んでみました。昼食を買いについてきた夫もガッツリ系で「ベーコンエッグ&チーズ」をチョイス。ベーグルは先ほどのショーケースから好きなものを選ぶのですが、ここは無難に「プレーン」にしました。正直クルミやオニオンも気になっていましたが…。
持ち帰り時間が短い場合はベーグルを軽くトーストしてくれます。イートインもいいのですが、歩いて15分くらいのところに府立植物園があるので、そこでピクニックをするのもおすすめです。
私は今回も帰宅後いただきました!
見分けがつくように、スタンプが押してありました。キノコかわいすぎです。
具だくさんでしたが、ぺろりと食べちゃいました!しっかりと味のついたキノコたちが本当においしい!ベビーリーフのシャキシャキもとろりとしたスクランブルエッグも絶妙なバランスです。
そしてなにより、ベーグルのもちもちパリパリな食感!硬すぎず、もちゃもちゃ。子どもでも噛みきれると思います。そして、プレーンだからこその素朴な味わい!やっぱり、ダントツにおいしいベーグルです。
肉厚ベーコンとチェダーチーズのアメリカンなルックスが食欲をそそります。大きい具がたくさん挟まっているので「食べづらい…」といいながらも、ガツガツ食べていました。食後は「お腹いっぱい」と満足そうにしていたので、男性でも十分にお腹を満たすことができるようです。ベーグルは腹持ちもいいので、お腹の満足度が高いですよね。
店内のオシャレな雰囲気と「ベーグル」というアイテムから、若い女性客ばかりなのでは?と思うかもしれませんが、Radio Bagelは男性客も多いように感じます。ふらりと立ち寄って、イートインスペースでガッツリ系サンドイッチを食べている若い男性もいましたし、落ち着いた雰囲気のご夫婦がベーグルを購入していく場面もありました。
また、ママ友の間でも人気の高いお店でもあります。というのも、ベーグルの生地に動物性の材料が一切入っておらず、子どもも安心して食べることができるのです。
“基本の材料は北海道産小麦粉、三温糖、天日塩、イースト、水、の5種類。
(引用元:Radio Bagel)
とのこと。ママに連れられて、Radio Bagelファンになった子どもも多いのです。
老若男女から愛されるRadio Bagelは、ベーグルにこだわりつつも、幅広いお味で楽しめる、ステキなお店でした。
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藤田 千秋
基本のレシピである塩系、甘い系から、それぞれサンド、ソース、ディップ、ジャムなどのアレンジ法や、ベーグルを主食にした 朝ご飯、ランチ、パーティーのメニュー、ベーグルチップ、ベーグルクルトン、ベーグルパン粉などの活用法、ベーグルで作る ちょっと豪華なスイーツなど、幅広いレシピを55種類紹介します。
京都のパン屋さん巡り、今回はザ・京都のパン屋ということで志津屋さんの本店に行ってきました!志津屋さんを避けて、京都のパン屋は語れません。
京都のパン屋でもっとも有名というか、溶け込みすぎて当たり前になっているパン屋が「志津屋(SIZUYA)」(以後敬称略)です。
京都府内に23店舗あり、大きめのスーパーのパン売り場にも商品が置いてあるので、京都なら比較的どこででも購入できます。
先日開催された「京都パンフェスティバル」にも出展していて、通りすがりのおじさんが「志津屋はいつでも食べられるからなぁ」と通り過ぎてしまうぐらい、京都市民のスタンダードなパン屋さんなのです。
そんな志津屋ですが、本店には行ったことがない…そこで今回は志津屋本社工場の横にある、志津屋本店に行って参りました!
志津屋本店があるのは右京区の志津屋の工場のすぐそば。
最寄り駅は地下鉄東西線の「太秦天神川駅」で、駐車場も完備されています。
店内には他のお客さんもいたので写真は撮れませんでしたが、広々としていてベビーカーを押したお母さんも買い物しやすそう。
カウンターが並んだイートインスペースもあり、ゆったり過ごせそうな雰囲気です。
店内では小川珈琲のコーヒーが味わえるようです。
コーヒーのテイクアウトサービスもしているとは…。やはりパンとコーヒーは切り離せない間柄です。
志津屋といえば、外せないのが「元祖ビーフカツサンド」です。今回は、いろいろ買いたかったのでハーフサイズを選びました。実は「京都パンフェスティバル」でも、ビーフカツサンドを購入しましたが、今回はいつもと違ってホカホカ温かい出来立てでした。さすが工場併設!
ビーフカツサンドと同様に、志津屋の代表的なパンが「カルネ」です。
志津屋のサイトでも“京都人の国民食”と紹介されている「カルネ」は、ハムと玉ねぎが挟んであるシンプルなサンドイッチです。
ペッパー味など、いろいろなバリエーションがありましたが、今回はスタンダードなカルネにしました。
志津屋本店の人気NO.1が、このクリームパン。
持つとずっしり重たいクリームパンには、自家製カスタードクリームがたっぷり入っています。
ちなみに、NO.2はカレーパン、NO.3が塩パンでした。
毎度ながら、ラスク購入。
プレーンとメイプルもありましたが、和三盆好きなので和三盆糖味を選びました!たくさん入った大袋もありましたよ。
ドリップ式のレギュラーコーヒーが一袋108円(税込)で売っていたので、買ってみました!何だか絶対おいしい予感。
カルネは袋に書いてあった通り、オーブントースターで軽く温めました。もちろん「パン屋さんのコーヒー」も淹れましたよ。
志津屋は、いつも小さいお手拭きを付けてくれます。ありがたいサービス!
手を拭いて、いただきます!
「元祖カツサンド」は、安定のおいしさ。分厚いビーフカツにフルーティなソースが良く合います。
今回はハーフサイズですが、これだけでも十分お腹いっぱいになります!この肉の厚さで255円(税込)はコスパもかなりいいですよね。
続いて、「カルネ」。マーガリンの味が効いていて、とてもおいしかったです。ハムと玉ねぎの組み合わせはさっぱりしていて、いくらでも食べられそう。カルネのパンは、少しソフトなフランスパン、といった感じです。3個入りの袋もあったのですが、そっち買っても良かったかも…。
「たっぷりクリームパン」の中が見たくて、切ってみました。
一瞬「デカい空洞?」と思ったのですが、よく見るとたぷんたぷんにクリームが入っていました!
ずっしりと重いはずです!
食べてみると、甘くてトロリとしたカスタードクリームがたっぷり。
もうお腹が限界までいっぱいになってしまいました…。
ラスクは、おやつの時間に子どもといただきました。和三盆の甘さと風味がとても上品でした。これも、大袋で買えばよかったかな。
志津屋は、他に「SIZUYAPAN」としてもブランド展開しています。SIZUYAPANは、あんパン専門店。ロゴやパッケージなどのデザインもこだわりが光る、おしゃれなお店です。SIZUYAPANとしては4店舗展開していて、京都駅にもありますので京都土産におすすめですよ。
京都観光に来たら、是非志津屋のパンを食べて京都人スタンダードを味わってほしいと思います!
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読者の視点から利用しやすい7テーマを厳選。バラエティー豊かなお店をセレクト。また、種類別コラムも充実させ、一度は行ってみたい、食べてみたいパン&スイーツ好き必見の本が出来ました!きっとお気に入りのお店が見つかるはず。