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【作ってみた】『深夜食堂』のナポリタンで深夜めし 罪悪感は最高のスパイス

【作ってみた】『深夜食堂』のナポリタンで深夜めし 罪悪感は最高のスパイス

人はなぜ深夜めしに惹かれるのか

深夜に食べるご飯は、どうしてあんなにおいしいのだろう。それはきっと、夜深くに食事をする、という行為につきまとう罪悪感によるものではないか。夜22時以降に口にしたものは、脂肪になりやすいとか、翌朝胃もたれするとか…健康に悪いというような言葉がわんさかある。それでも食べてしまう、「ダイエットしなきゃいけないのに」と思いながらも。そんな罪悪感がスパイスになって、深夜飯を味わい深くしているのかもしれない。

深夜めし、といえば『深夜食堂』

ドラマ、映画にもなっている漫画、『深夜食堂』を読むと、漫画のストーリーを真似て夜中に食事をしたくなる
物語は新宿ゴールデン街をモデルにしたような、東京のとある雑多な飲み屋街に提灯を灯す「めしや」が舞台。物語の語り部は店のマスター。強面で口数は少ないけど、心やさしい人である。営業は夜から朝まで、夜な夜な集まるちょっとわけありの客達が紡ぐ人情物語がメインストーリーだ。

この作品の大きな柱となっているのが、マスターが作る大衆料理。「できるものはなんでも作るよ」というのがマスターのスタイル。昔母がよく作ってくれたメニューをオーダーする客、昔の恋人の得意料理をオーダーする客など、みなオーダーする料理に様々な思いを抱えている。

ナポリ人がナポリタンを食べるとどうなる?

『深夜食堂』第1巻には、常連客が連れてきたイタリア人のエピソードが収録されている。イタリア人の彼が「めしや」で食べたナポリタンにハマり、そのうち店で顔なじみになった常連の落語家と仲良くなり、落語家デビューした、という話だ。

【作ってみた】『深夜食堂』のナポリタンで深夜めし 罪悪感は最高のスパイス

常連客はナポリ生まれの彼に、故郷の味をと思ってナポリタンを食べさせてあげる。しかし、ご存知の方も多いとは思うが、ナポリタンはイタリアで生まれたパスタ料理ではない。戦後日本で普及した日本のパスタ料理である。日本人には馴染み深いナポリタンも、パスタの本場イタリアの人にはおいしい、と感じられないことが多いそうだ。作中でも、ナポリタンを食べたイタリア人の彼は「美味しくない」と言っている。でも、なぜか「癖になる味だ」と言って、毎度オーダーするのだ。

【作ってみた】『深夜食堂』のナポリタンで深夜めし 罪悪感は最高のスパイス

深夜にナポリタンを作ってみた

この話を読んだ後、なんだかすごくナポリタンを食べたくなった。しかし、時刻は深夜1時。今から炭水化物の塊であるパスタ料理を食べても良いものか…と迷うも、気がつけば足はキッチンへと向いていた。

【作ってみた】『深夜食堂』のナポリタンで深夜めし 罪悪感は最高のスパイス

ナポリタンの材料(1人分)
パスタ 100g
タマネギ、ハム(今回はサラミで代用)、ピーマン お好みで
ケチャップ 大さじ3~
しょうゆ 少々

作中で「ナポリタンの具はハムとタマネギ、洒落た店じゃマッシュルーム、それから必ずピーマンが入ってたもんさ。」と、マスターが一人語りしている。残念ながら筆者の住む家は洒落てもなんでも無いので、マッシュルームは入れなかった。更に、冷蔵庫内には酒の肴用のサラミがあったので、ハムのかわりに入れてみた。

【作ってみた】『深夜食堂』のナポリタンで深夜めし 罪悪感は最高のスパイス

ナポリタンで重要なのは、あのコシのないむっちりとした麺である。喫茶店などでは、一度茹でた麺に油を絡ませ、一晩寝かせるらしい。でも今回はすぐに食べたい。ということで、長めに茹でたパスタをザルにあけたら、サラダ油を絡ませて数分置いてみた。

【作ってみた】『深夜食堂』のナポリタンで深夜めし 罪悪感は最高のスパイス

フライパンで切った材料をしんなりするまで炒め、ケチャップを投入し、しばらく中火で火を通す。ケチャップはじっくりと加熱することで、酸味が丸くなり味に深みが出るそうだ。

【作ってみた】『深夜食堂』のナポリタンで深夜めし 罪悪感は最高のスパイス

その後寝かせておいた麺をほぐしてからフライパンに入れて、強火でサッと炒める。ここで”追いケチャップ”をして、再び炒めて完成!

【作ってみた】『深夜食堂』のナポリタンで深夜めし 罪悪感は最高のスパイス

まずは何もかけずに一口。麺は数分置いただけだが、もっちり感が出ていてボリューミー。しっかり炒めたケチャップはトマトの旨みが凝縮されていた。ハムのかわりに入れたサラミが、肉の旨みを補っていい仕事をしている。タバスコ、粉チーズをたっぷりかけたら、皿の上が空になるまで時間はかからなかった。

『深夜食堂』でナポリタンを食べたイタリア人の彼は、落語家として日本で修行を始めた。しかし、その後故郷の姉二人に強制的にイタリアに連れ戻されてしまう。それでもイタリアで落語家として活動し、ナポリタンをテーマとした落語を演じている、という後日談があった。異国の地で食べた料理で人生が変わった、という話は現実にはどれくらいあるのだろうか。いつかそんな衝撃的な料理に出会ってみたいものである。

Written by 右京

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