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気分は鬼平犯科帳? アサリ・アオヤギ…春の旬な貝で江戸の味を楽しもう

気分は鬼平犯科帳? アサリ・アオヤギ…春の旬な貝で江戸の味を楽しもう

春の海の風物詩、潮干狩り
関東では3月頃から潮干狩りの人たちをみかけるようになります。
そんな潮干狩りでとれるアサリ。そしてアサリに混じって獲れることもあるアオヤギ。
普段あなたはどうやって食べていますか?

江戸前の海で豊富にとれる貝は、江戸の人々にも馴染み深い味でした。
グルメで知られる池波正太郎の小説「鬼平犯科帳」にも、そんな江戸の貝料理が出てくるのです。

気分は鬼平犯科帳? アサリ・アオヤギ…春の旬な貝で江戸の味を楽しもう

鬼平の思い出の味「深川飯」

鬼平犯科帳のテレビ第1シリーズ第23話「用心棒」の中で、深川飯を食べるシーンがあります。

鍋の中でぐつぐつ音を立てる汁の中から、おたまでねぎとアサリをすくい、飯にかけ、それを平蔵にさしだします。

猫殿「またお頭も、物好きな・・・」
平蔵「猫殿、これがうまいのだ。昔々な、おやじに勘当されたとき、もう3日3晩飲まず食わずで屋敷の周りをうろつきまわってな。やっとのことで、門番のお袋にこうしてねぎとアサリの深川飯をふるまってもらったときの、そのうまさといったらもう・・・こうして思い出しただけでもよだれがたれるわ」
猫殿「でも、これはあの、醬油味でないと」
平蔵「いや何をいうんだい 深川飯は味噌に限る」
猫殿「いえいえ。なんとおっしゃろうと醬油味でございますよ!」

互いに譲らない二人を遠くから見ていた奥方が声をかけたところで、二人の小さな言い争いは終了します。

気分は鬼平犯科帳? アサリ・アオヤギ…春の旬な貝で江戸の味を楽しもう

深川飯とは?

そもそも深川めしって何なのでしょう?
簡単にいえば、アサリの入ったご飯。アサリの入った汁物をご飯にかける、いわゆるぶっかけの形と、アサリを炊き込んだ炊き込みご飯の形があります。
農林水産省選定の「農山漁村の郷土料理百選」でも東京都の郷土料理の一つとして選ばれた一品です。

深川飯 Fukagawa Meshi

「深川」は現在の東京都江東区の地名で、貝の産地として有名でした。
その深川の漁師が仕事の合間に手早く食べていたのが深川飯のはじまりといわれていますが、深川以外でも、貝のとれる地域では他にも同じようなご飯が伝わっているようです。

現在の江東区も海沿いですが、江戸時代はの深川のほうにも海岸があり、ハマグリ、カキ、バカ貝(あおやぎ)が名産でした。
今の深川飯といえばアサリが定番ですが、江戸時代にはバカ貝で作られていたともいわれています。

鬼平犯科帳劇中の長谷川平蔵は、若いときは本所深川を放蕩三昧で遊び回っていたようですが、実在の平蔵も少年時代を本所の母の実家か、長谷川家の屋敷で過ごしていた可能性もあるそうです。
深川は「本所・深川」と並び称されるように、隣り合った地です。
平蔵が深川の名物だった貝類を食べていたのも不思議ではありません。

ソバ好きな江戸っ子もよく食べた「あられそば」

気分は鬼平犯科帳? アサリ・アオヤギ…春の旬な貝で江戸の味を楽しもう

鬼平犯科帳では深川飯の他にも貝を使ったいろいろな料理が登場しますが、そのうちの一つ、現在はあまり見かけなくなったのが「あられそば」
小説では「ふたりの五郎蔵」の中で女性の密偵が立ち寄ったそば屋で、密偵達が注文したそばです。

あられそばとは、海苔とバカ貝(あおやぎ)の貝柱をいれた蕎麦のこと。
日本料理ではさいの目切りよりももっと細かいサイコロ状にする切り方を霰に見立てて「あられ切り」といいますが、具のバカ貝がこれと同じようにあられに見えることからこの名がつけられたようです。

江戸末期のそばの値段を見ると、以下のような相場だったようです。

そば      16文(普通のそば)
あんかけうどん 16文
あられそば   24文
花巻そば    24文(浅草のりをかけたもの)
天ぷらそば   32文(芝エビの天ぷらをのせたもの)
上酒一合    40文
(『江戸のファーストフード』講談社 より)

それぞれのそばのちょうど平均的な価格あたり。庶民にはなじみのあるそばでした。
現在のおそば屋さんではあまり見かけませんが、2月あたりに期間限定でメニューに載せるお店もあるので、見かけたらぜひ味わってみてください。

気分は鬼平犯科帳? アサリ・アオヤギ…春の旬な貝で江戸の味を楽しもう

関東では潮干狩りの季節。
旬の貝を使って、鬼平気分で江戸の味を楽しんでみるのも、また粋ではないでしょうか♪

Written by ハヤミ

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