イギリス発祥の離乳食〜赤ちゃん主導離乳食ってご存知ですか?
小児科医ののびです。
「赤ちゃん主導離乳食」という言葉を聞いたことがあるでしょうか?
最近、これまでとは違う離乳食の進め方として、非常に注目を集めています。
今回は、「赤ちゃん主導離乳食」について、詳しくご紹介します。
赤ちゃん主導離乳食とは?
(出典:photo AC)
イギリスが発祥の赤ちゃん主導の離乳は、赤ちゃんの自主性を尊重した方法です。
別名、「Baby Led Weaning: BLW」とも言われます。
スプーンでのペースト状の離乳食を省略して、初めから固形食を与える方法で、赤ちゃんは自分の指で食べ物をつまんで食べます。
赤ちゃんの成長に合わせ始めますが、しっかりとお座りできることが必要で、生後5〜6か月あたりから始める赤ちゃんが多いようです。
赤ちゃん主導離乳食の実際
(出典:photo AC)
家族の食事の際に、赤ちゃんも一緒にテーブルにつかせます。
歯茎で潰せる程度の柔らかさのもの、または柔らかく調理した食材*を3~5つくらい調理し、あとはテーブルについた赤ちゃんの前に置き、親は隣で見守ります。
*具体的には野菜(ブロッコリー、にんじん、カリフラワー、かぼちゃなど)、芋類、果物(アボカド、バナナ、キウイなど)、肉(茹で鶏、魚など)、穀類(おにぎり、耳なし食パン、パスタなど)が候補です。
赤ちゃんは自分の指で食べ物をつまむように促され、必要なだけ食べます。
また赤ちゃんは、母乳または人工乳を継続し、必要がなくなればミルクを減らしましょう。
赤ちゃん主導離乳食のメリット?
(出典:Photo by June Gathercole on Unsplash)
赤ちゃんは自分で食べることを学び、何をどのくらい食べるかをコントロールできるようになります。幼い時期に食べるものをコントロールする経験をした赤ちゃんは、幼児期以降に過食症になる可能性が低くなることがわかっています。
また、赤ちゃんは重要な運動能力や口腔機能を練習する機会が得られます。様々な種類の食べ物を自分で食べることで、赤ちゃんは舌の動き、顎の力、飲み込む力を鍛えることができ、指で大きさの違う食べ物をつまむのに必要な細かい運動能力を身につけることができます。
なお、最近の研究では、離乳食を自分の指で食べ物をつまんで開始した赤ちゃんは、スプーンで食べさせられた赤ちゃんに比べて、食べ物を喉に詰まらせる可能性が低いことが示されています。
赤ちゃん主導離乳食の注意点
まず、食事中は赤ちゃんを一人でしない、また豆など喉に詰まる危険性があるものは、本人がしっかり噛めるようになるまでは与えてはいけません。
食事中は赤ちゃんをまっすぐ座らせ、赤ちゃんが「食べ物」に集中できるようにしましょう。
なお赤ちゃんが好きなものだけ食べることを心配される方もおられますが、無理に食べさせようとせずに、さまざまな食材に挑戦させると、次第に食べることができるようになります。
楽しみながら赤ちゃんの食べたい気持ちを育みましょう!
(出典:Photo by Henley Design Studio on Unsplash)
本当に最初から固形物を食べられるの?
と心配になるかもしれませんが、赤ちゃんの食べたい気持ち、自主性が育つ様子を見守りつつ、楽しみましょう。
ライター のび
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