呪術廻戦~なぜ虎杖は宿儺の指を食うのか?~
(呪術廻戦とは?)
こんにちは!
今回は呪術廻戦の主人公、虎杖裕仁がなぜ両面宿儺(りょうめんすくな)の指を食べるのか。
その理由についてお話しようと思います。
呪術廻戦をご存じでない方のために説明すると
呪術廻戦とは週刊少年ジャンプで連載中の人気漫画で、呪霊(じゅれい)という人の怨念や執着が化け物の形をして跋扈する世界を舞台に呪霊とそれを祓う力を持った呪術師の戦いを描いたダークファンタジーです。
(宿儺の指とは?)
主人公虎杖裕仁はある事件をきっかけに呪いの王と呼ばれる両面宿儺(りょうめんすくな)の指を飲み込みます。しかし、呪いに耐性のあった虎杖は宿儺の指を取り込んでもなんともありませんでした。
(出典:©芥見下々/集英社)
宿儺の指、それは宿儺の魂を切り分け封じたもので様々な呪いを引き寄せるおぞましい呪物です。破壊することは不可能で普通の人間がそれを飲み込んでも爆散してしまいます。
(なぜ指なのか?)
今回お話するのはなぜ、虎杖が取り込むのは宿儺の指なのか? という話です。
一言でいうなら指に宿儺の魂が宿っているからですが、なぜ指なのでしょうか?
目とか心臓では駄目なのでしょうか?
そこで今回はなぜ虎杖が取り込むのが指なのかお話しようと思います。
(指先信仰について)
皆さんは指切りをやったことがありますか?
(出典:http://gondoablog.blog25.fc2.com/blog-entry-2795.html)
「指切りげんまん嘘ついたら針千本飲ます、指切った」というやつです。
これを聞いて思いませんでしたか? ペナルティ重すぎだろ、と。
なぜ嘘をついただけで針を千本飲まされなければならないのか?
実はこれ昔は本当に指を切って約束の誓いの証としていたからなんです。
それなら確かに針千本飲まされるのもなんとなく納得できます。
しかし、ここでも疑問が…
なぜ指なのか?
指を捧げる意味とはなんでしょうか?
ここには「指先霊魂説」が大きく関わっています。
実は古来から日本では指先は魂が宿る場所、あるいは霊が出入りする場所と考えられてきました。
霊柩車が通る時、親指を隠せと言われるのは親指を隠さないと死者の魂が指先から自分の体に入ってくるからなんです。
(出典:https://business-textbooks.com/superstition/)
したがって指切りで本当に指を切って誓いの印としたのはいわば自らの魂を切り分け、誓いの固さを証明するということです。
(なぜ指なのか?)
ここでもう一度考えてみましょう。
なぜ虎杖が食うのは宿儺の目でも心臓でもなく「指」なのか?
それは指にこそ魂が宿るからです。
他の部位ではそもそも駄目なのです。
霊魂の出入りする場所は指と古来より日本では決まっているのです。
おそらく作者の芥見先生はこれを分かっていて宿儺の魂が宿るものとして指を出したのでしょう。さすがです。
呪術廻戦が面白いのは民俗学の知識がふんだんに盛り込まれているからかもしれませんね。
「ヤミー!」は「おいしい」を読む活字たっぷりWEBマガジンです!
その他の記事もぜひご覧ください!