【『サチのお寺ごはん』に登場!精進料理っていったいどんな料理?】
(出典:https://renta.papy.co.jp/renta/sc/frm/item/91261/)
「イケメン僧侶×ご飯」の組み合わせが新しいグルメ漫画『サチのお寺ごはん』。
仕事もプライベートもツイてない臼井幸(うすいさち)が、ご近所のお寺でふるまわれる料理によって、生活や心の持ち方をポジティブに変えていく様子を描いています。
ここに登場するご飯は全て「精進料理」。
スーパーで買えるようなごく普通の食材を中心に、自宅で挑戦できそう&美味しそうな料理が毎回登場するのですが、読み進めていくうちにふと思いました。
「……精進料理って、そもそもどんな料理?」
精進料理ってどんな料理?
精進料理は仏教の訓えが強く反映された和食のひとつ。
その歴史は古く、仏教と同時に日本に伝わったと言われています。
食事も修行のうちと考え、「食べたい」という欲求を抑える鍛錬を目的にしているため、見た目も質素なのが特徴です。
そして、そこには仏教由来のいくつかのルールが存在しています。
1.肉は使わない!
生き物の命を奪うことを避けるため、肉や魚・卵は使いません。
そのため野菜や豆類メインの料理になっています(お汁や煮物のだしも、もちろん野菜からとります!)。
2.香りが強い野菜もNG!
ネギ・ニラ・ニンニクなどは、食欲をそそる香りで煩悩を刺激するという考えから禁止されています。
時代や地域で禁止されているものは違うそうですが、香りが強い食材はやはり避けるようです。
3.香辛料ももちろんNG!
料理のアクセントとなる香辛料も、「もっと食べたい」という気持ちを呼び起こすため、禁止されています。唐辛子やショウガが代表としてあげられますが、確かにあの味わいはクセになりますよね……!
(出典:http://www.houkouji.or.jp/shojinryori.html)
それでも美味しいものが食べたい!!
とは言えど、食べることはいつの時代も楽しみのひとつ。
当時の修行僧たちも例外ではなかったようです。
「食べちゃいけないけど、何とかそれっぽいのを!」と考えた修行僧たち。
彼らは肉や魚に近い見た目や味を、野菜類だけで作ろうと奮起し、たくさんの「もどき料理」を生み出しました。
ここでピンとくる人もいるでしょう!
おでんの具として人気の「がんもどき」も精進料理から生まれたものです。
鳥の「雁(がん)」の味に似せて作ったから、鶏肉のすり身を丸めた料理「丸(がん)」に似せて作ったから、と名前の由来には所説あるようですが、鶏肉を再現しようとしたことには間違いなさそうです。
他にもこんにゃくで刺身を表現したり、豆腐をうなぎのかば焼き風にしたりと、もどき料理には様々なレパートリーがあります。
(『サチのお寺ごはん』にも、「うなぎもどき」やお麩を肉に見立てた「お麩じゃが」が登場します!)
(出典:https://sachinooteragohan.com/recipe.html)
意外と気軽に楽しめるかも?
最初は正直、精進料理=ストイックで作るのも大変な料理、だと思っていました。
ですがこの漫画を読むと、普段のご飯に取り入れられる料理もあり、そんなに身構えなくていいのかなという気がしています。
近頃では精進料理をメインにしたカフェも登場していて、気軽に楽しめる機会も増えているようです。
いつもとは違うご飯が食べたい……そんなときには精進料理も選択肢のひとつに入れてみてはいかがでしょうか。
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