10連発!世界の「へぇ〜」な食習慣
中国では、宴会の際に食べきれないほどの料理を頼むのが習わしだ。どの家に招待されても次から次へと料理が出てくる。聞けば中国では、「昔は満足にご飯を食べられなかったから、ご飯を食べ切る=足りない」という思考になるのだそうだ。中国の人達にとって食べきれないほどたくさん提供することこそが、真のもてなしなのである。
中国以外にも、その国/エリア独自の食べ方やテーブルマナー・食材があるに違いない。そこで今回は、私たちの知らない世界の食習慣・食文化を紹介していこう。
1.韓国では、食器は持ち上げない。
小さい頃に「犬喰いはやめなさい!」と怒られた人もいるのでは?しかしお隣・韓国では事情が異なる。食器はテーブルに置いたまま食べる。というのも、韓国ではかつて、器が金属で作られていて重かった。「重い」から「持たない」の習慣が、今も残っているようだ。
2.インドでは、右手がカレー用、左手はお尻用。
知っている方も多かろう。インドでは手でカレーを食べるが、その時に使うのは右手のみである。左手はトイレでお尻を拭く用。くれぐれも間違えずに。ちなみにこの習慣があるのは、インドの他にも、ネパール、スリランカ、バングラデシュなど。親指、人差し指、中指、薬指を使って上手にすくう。
3.イギリスでは、フィッシュ&チップスに酢をかける。
イギリス人がフィッシュ&チップスにかけるのは、ケチャップやタルタルソースだけではない。モルトビネガーをダボダボになるまでかけるのだ。モルトビネガーとは、その名の通り麦芽酢のこと。少しクセのある、酸っぱいだけの液体である。とはいえ一度食べると病みつきになるらしい。鳥の唐揚げや餃子にも合うので、試してみてほしい。
4.イタリアでは、パスタは出てきたらすぐに食べる。
イタリアでパスタが運ばれてきたら、他の人のサーブを待たずに、アツアツのパスタをすぐに食べ始めても良い。ちなみにこれはパスタに限ったこと。他の料理はすぐに手をつけず、マナーを守って皆の分が揃ってから食べ始めよう。
5.タイでは、マクドナルドに“ごはん”がある。
マクドナルドといえば、ドナルド。タイのドナルドは「コップンカー」のポーズで出迎えてくれる。さて、気になるメニューだが、レッドカレーにガパオ、果ては、唐揚げ定食や焼肉定食まで、タイのマクドナルドでは“ごはんもの”が豊富。さすが、お米の輸出量世界一の国。
コップンカー
6.エチオピアの主食は、酸っぱいクレープである。
エチオピアの主食は、テフと呼ばれる穀物を粉末にして水と混ぜ、発酵させて焼いたインジェラと呼ばれる食べ物。見た目はクレープのようでもあり、プツプツと穴が開いてスポンジのようでもあり……。実はこれ、味が強烈なのである。Google先生に聞くと雑巾の味だと予測してくる。が、クセになるのか、ハマる人も多いらしい……
7.アフガニスタンでは、パンを落としたらキスをする。
アフガニスタンは、インドと同じように手食文化である。大きな部屋にテーブル代わりの布を引き、皆で床に座って大皿を囲み、手で食事をする。もし、うまく手を使えずに、パンを床に落としてしまったら……?それを素早く拾い上げ、パンにキスをして、それから自分の額に掲げて、また美味しくいただくのだ。
8.オーストラリアでは、朝食に塩辛トーストを食べる。
海外に行くオーストラリア人がスーツケースに忍ばせているものといえば、野菜をイースト菌で発酵させた食品ベジマイト。彼らはベジマイトを朝食のトーストに塗って食べる。チョコレートのような見た目とは裏腹に、味は、イカの塩辛と醤油と味噌と……。こう書くといけそうだが、塩辛さの度合いが違う。ひどい顔をする外国人を見て楽しんでいるオーストラリア人を見ると、おそらくこれは納豆のようなポジションではないかと思う。
9.マレーシアのあいさつは「ごはん食べた?」
マレーシアでは、「スダマカン?」(ごはん食べた?)が定番のあいさつ。初対面でもビジネスの場でも使われる。食べることが大好きなマレーシア人は、相手の健康を気遣って、この言葉を掛け合うのだ。ちなみにこのあいさつは、インドネシアでも通じる。
10.ロシアでは、日本食が大ブーム
ロシアでは、ロシア料理の次に日本食のレストランが多い。その数なんと4万軒以上。うどんに寿司、焼き鳥、すき焼き、それからお茶漬けと、種類も幅広い。料理はどれもロシア風にアレンジされており、店員の金髪女性たちは、かんざし風に頭に箸を刺している。なんとも見事な文化の融合である。
知っているものはいくつあっただろうか?これらのことが本当かどうかは、いつか各地へ行く機会があったら確かめてほしい。
食文化は時代に合わせて姿かたちを変えていく。その最前線を体験できるのは、他ならぬ自分自身の舌なのだ。さあ夏休みも残り少ない!いざ、旅へ出よう!
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世界ぐるっとひとり旅、ひとりメシ紀行 (だいわ文庫)
西川治
各国の言葉が聞こえる三ツ星レストランでは食べられない、現地に住む人びとが味わう、とびっきりうまいもの。 写真家であり料理研究家でもある著者が、古今東西、世界中を食べ歩いて50年、折々に書き留めた、旅を味わい深くする食味エッセイ集。
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