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漁港の肉子ちゃんに登場!ミートソースの歴史・豆知識をフカボリ【映画飯】

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この夏の話題作『漁港の肉子ちゃん』!
明石家さんまさんが企画・プロデュースしたことで、話題となったアニメ映画『漁港の肉子ちゃん』。
まだ観ていない方のためにちょっとだけ説明すると、この映画は直木賞作家である西 加奈子(にし かなこ)さんの同名小説をベースにしています。

漁港の肉子ちゃん
(出典:2021「漁港の肉子ちゃん」製作委員会)
とある漁港の船に住む母・肉子ちゃんは、食いしん坊で能天気。情に厚くて惚れっぽい。そしてすぐ男にだまされる…となかなかの豪快&パッションタイプ。
そして肉子ちゃんの娘・キクコは、肉子ちゃんとは正反対で、クールなしっかり者。
そんな正反対かつちょっと訳アリな2人に訪れる奇跡を描いたのがこの映画です。
(ちなみに肉子ちゃん役は意外?!にも大竹しのぶさん、キクコ役はCocomiさんが演じています)


美味しそうなメニューの中でも気になったのは、「ミートソーススパ」!
食いしん坊な肉子ちゃんのせいか、劇中には美味しそうな料理がいくつも登場します。
肉子ちゃんの勤務先である焼き肉屋「うをがし」のまかないメシからは、ミスジや肉焼きそばが。
母娘のごはんもシロップたっぷりのフレンチトーストや、ボリューム抜群のお弁当など何だか懐かしくも美味しそうなものばかり。

漁港の肉子ちゃん
(出典:2021「漁港の肉子ちゃん」製作委員会)


その中でも私が気になったのは、キクコが作った山盛りミートソーススパゲティ!
お皿からあふれんばかりに盛り付けられています。

漁港の肉子ちゃん
(出典:2021「漁港の肉子ちゃん」製作委員会)


粉チーズもたっぷりのせてあるのがいいですね!
でも、ミートソースってスパゲティの定番でありながら、意外と取り上げられることは少ないソース。
今日はこのミートソースをフカボリしようと思います!


ミートソースとその歴史
ミートソースはひき肉に玉ねぎ・セロリ・にんじんなどの野菜のみじん切りに、トマトピューレなどを加えて炒め煮込んだソースです。
隠し味に砂糖やウスターソースを使って、甘みを加えることもあります。
ソースは茹で上がったパスタと和えることもありますが、さくっと和える程度で、キクコのようにパスタの上にのせるだけ、が定番スタイルと言えるでしょう。

漁港の肉子ちゃん
(出典:写真AC)


このミートソース、なんとなくイタリアのもの?と思いますが、正解は「×」。
イタリアの「ボロネーゼ」がアメリカに渡ったのち、そこでアレンジされたものが日本に伝わったと言われています。

当初は洋食として「お店でいただくもの」だったこのミートソースが、一般家庭に普及したのは太平洋戦争後の昭和30年代。
アメリカ進駐軍によって、さまざまなものが日本に入ってきましたが、そのひとつに現在のものに近いトマト味のミートソースが。
これに影響を受けたのが、マヨネーズ等でおなじみのあの「キユーピー」。
昭和34年に缶入りのミートソースを発売し、ヒットしたことで家庭にも普及する下地を作ったんだそうです。
以来、家庭でも簡単・手軽に食べられるソースとして、多くのメーカーが缶詰・パウチを作り今に至っています。


由来となった「ボロネーゼ」はどんなソース?
ボロネーゼはミートソース同様、ひき肉がたっぷり入ったソースで、ほんのりトマトの味がします。
正式名称は「ラグー・アッラ・ボロネーゼ(ragu alla bolognese)」といい、イタリア語で「ボローニャ風のラグー」という意味が。

漁港の肉子ちゃん

(出典:写真AC)

ボローニャはイタリアの都市で、美食の街としても知られていますが、ハムやソーセージ・サラミなどの肉製品で有名な場所でもあります。
そして「ラグー」はイタリア語、肉や野菜などの具材を刻んで煮込んだもののこと。
つまり、ボロネーゼは「ボローニャの街でよく食べられている感じに煮込んだソース」ということになりますね。


「ボロネーゼ」と「ミートソース」その違いは?
さてここで気になるのは、由来となった「ボロネーゼ」との違いです。
実は似て非なるこの2つ、知っているとメニュー選びがもっと楽しくなるかもしれません!

【2つのソースの違い①】加える野菜・トマトの量
ミートソースは、玉ねぎ・セロリ・にんじんなどの野菜をみじん切りにして、たっぷり加えるのがセオリー。トマトペーストやケチャップもたっぷり使い、ゆるめのソースに仕上げます。
しかしボロネーゼは使う野菜はごく少量。玉ねぎなどの具材は同じですが、あくまで肉の臭み消しのような扱いです。トマトに関してもやはり少量で、ペーストをほんの少し加えるだけ。

【2つのソースの違い②】ひき肉の仕上げ方
みじん切りの野菜と同じ程度の大きさになるよう、固まりがないように仕上げるのがミートソース。
一方、ボロネーゼはひき肉を崩さないように焼き付けるのがポイント。そのため、より肉々しい感じに仕上がり、ミートボール大の固まりがあらわれることも!

【2つのソースの違い③】使うパスタの種類
ミートソースは断面が円形で紐状に細長いもの(いわゆる「スパゲッティ」ですね)を使います。太さは好みやお店に応じてまちまちですが、かたちは基本的には変わりません。
対するボロネーゼは「タリアテッレ」と呼ばれる幅広の麺を使います。
イタリアでは地方・料理ごとに、「このソースには、このパスタ」という決まり事があり、ラグーソースにはこのタリアテッレが相性抜群!とされています。

漁港の肉子ちゃん
(出典:写真AC)


ミートソースのおすすめ「ちょい足し」3選!
こうして比較してみると、ミートソースは万人向け、ボロネーゼは肉好き・大人向けな印象がありますね。
ただ家庭で食べるとなると、簡単・手軽さからミートソースに軍配が。
美味しいレトルトソースも数多く販売されていて、利用している方も多いと思います。
この市販のレトルト品にちょっと加えるだけで、より美味しくなるおすすめ「ちょい足し」を3つご紹介します!

1. 赤ワイン
漁港の肉子ちゃん
(出典:写真AC)

ソースをフライパン等であたためる際に、赤ワインを小さじ1~2ほど足すとコクと味わいが深まります。
加えたらしっかり煮立たせて、アルコールを飛ばしてくださいね。
あまりたくさん入れると、ワインの渋みが際立ってしまうのでご注意を!


2. ローリエなどのハーブ類
漁港の肉子ちゃん
(出典:写真AC)

これもまたソースをあたためる際に1枚程度加えると、ぐっと風味がよくなります。
缶詰の場合、どことなく「缶詰っぽさ」が味や風味に残ってしまうように感じるのですが、これだけで格段に香りがよくなって、本格的な味に近づく気がしています。


3. はちみつ

はちみつ加えてソースと一緒にあたためることで、まろやかさとコクがプラスされます。
ソースの塩気や酸味が気になるときにおすすめです。
甘みも加わるので、お子さんと一緒に食べる際にもよさそうです。
味をみながら少しずつ足してみてください。

漁港の肉子ちゃん

(出典:写真AC)


まとめ
ミートソースの歴史や、ボロネーゼとの違い、おすすめちょい足しと見てきましたが、いかがでしたか?
手作りでもレトルトでも美味しいミートソースは、アレンジも無限。
リモートワーク中のお昼ごはんや、夏休み中のお子さんごはんにもよさそうです。
「今日はごはん作るの、頑張れないー!」なんて日には、買い置きのレトルトソースでちょい足しアレンジをぜひ楽しんでみてくださいね。

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