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アメリカ発!市販離乳食の開発をめぐる意外な歴史

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まんが王国

小児科医ののびです。

 

離乳食は、赤ちゃんのためにお母さんが作ることが一般的ではないかと思います。

 

しかし、女性の社会進出の歴史が長いアメリカでは、市販離乳食を買う人が多くいます。

 

今回は、アメリカの市販離乳食開発にまつわる、意外な歴史をご紹介します。

最初の市販離乳食は、お父さんが作った野菜スープだった

 

(出典:Pixabay)

 

アメリカで最初に市販の離乳食を作ったのは、Harold Clappという方です。

 

その出発は、Haroldさんが病気で家事ができない奥さんの代わりに、赤ちゃんのJackに牛肉で出汁をとったシリアル入り野菜スープを作ったことにあります。

 

予想以上にJackが食べてくれたことに気を良くしたHaroldさんは、その後Clapp’s Baby Foodという会社を設立。このスープを商品化し、缶詰に入れて薬局を通じて販売するようになりました。

 

1922年のことです。

 

その後、このスープは様々な野菜や味を交え、「ジュニアフード」という名前で最終的には17種類の製品が生まれています。

 

Gerberの誕生は小児科医のひとことがきっかけだった!

(出典:Gerber社HP https://www.thegerberstore.com/baby-food/)

 

Gerberは、アメリカの市販離乳食の代名詞と言っても過言ではありません。

 

どこのスーパーに行っても離乳食のセクションがあり、必ずGerberの製品が売られています。

 

その出発は、Dorothy Gerberさんに「赤ちゃんには野菜をこしたものを与えるといいですよ」と小児科医が言ったひとことにありました。

 

Dorothyさんは、小児科医に言われた通りに7か月の娘、Sallyちゃんの食事を用意しましたが、すぐに缶詰会社を経営する夫のFrankの方が、この食事を簡単に作ることができることに気づきます。

 

1927年のことです。

 

当時、母親たちは小児科医のアドバイスを聞く傾向にあることを、自分の経験からも理解していたGerberさんたちは、小児科医たちに対し無料で製品を配り、キャンペーンを始めます。

 

また、広告には「手作りの離乳食は市販の離乳食よりも安全性に欠ける」とか「お母さんが離乳食を作るために台所に行くことは、赤ちゃんにとってよくない」と言ったメッセージが込められました。

 

さらにパッケージに生後4か月の赤ちゃんの絵を入れました。

 

またその他の市販離乳食の広告には、「生後3か月から離乳食を始めることを推奨する」と書かれたものもありました。

 

その影響も受け、1950年代にはなんと生後6週間目には固形の市販離乳食を開始する赤ちゃんもいたそうです。

 

はじまりは夫婦の共同作業だった!

(出典:Photo by life is fantastic on Unsplash

 

ビジネスと結びついた市販離乳食は、一時行き過ぎた感はあります。

 

しかし興味深いことは、ClappさんもGerberさんも、出発は子どもを思う夫婦の共同作業であったということです。

 

最近は、多くの研究の積み重ねにより、離乳食の開始時期は生後5〜6か月程度が推奨されていますし、市販離乳食の内容も赤ちゃんの味覚や今後の成長に配慮したものになっています。

 

でもいつの時代も子どもを思う親の愛情は同じです。

 

市販離乳食を赤ちゃんに食べさせる時も、そこに愛情という隠し味を加えてあげることで、オリジナルの味に仕上げることができますね。

 

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