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ダライ・ラマと豚肉とじゃがいものスープ

ヤミー編集部からオイシイ情報をお届け!!

先日チベットについて色々と調べ物をする機会がありまして、

その時 「チベットの人は何を食べているのだろう?」 と思い

日本には数少ないチベット料理屋さん 「タシデレ」 に行って参りました。

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丁度お昼だったのでランチセットを注文しました。

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ピンシャという豚肉とジャガイモと春雨の入ったスープをいただきました。

後々考えたら具材のラインナップが肉じゃがと同じです。

 

肉と野菜の味が十分沁み込んだ優しい味のスープに

ほんのりとスパイシーでエスニックな風味が絡み合ってクセになる美味しさ。

きっと冬に食べたらカラダが温まるのだろうな、と思いながらいただきました。

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上の白いパンはティンモと呼ばれる蒸しパン。

食べてみた感覚は完全に具の入ってない肉饅…です。

好みで右にある唐辛子のティンプを付けて食べる感じになっています。

 

左の小龍包みたいなのはチベット語で饅頭を意味するモモと言う一品です。

今回は牛肉が入ってますが本来はヤクやマトンの肉で作る料理だとか。

皮の内側にまで浸みこんだ肉と油の旨味と少し厚めに作られた皮のハーモニーが溜まりません。

この皮は一から毎日作っているそうで手間もかかっています。

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デザートはハルワという料理がついて来ます。

こちらはインドのデザートでセモリナ粉という粒子の荒い小麦とドライフルーツを

ギーと言うバターオイルで炒めてプディングにしたもの。

インドではお祝いの時に食べられるそうです。

甘さもほどよくざらざらした生地の食感がクセになる一品でした。

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これにサラダが付きます

(あまりの空腹で写真を撮るのを忘れて食べてしまいました…汗)

 

お店ではチベット語講座やチベット映画の鑑賞会などが行われ

食事以外にも様々なチベット文化に触れられる催し物が行われています。

 

さて、チベットと言えばチベット仏教の指導者、ダライ・ラマがとても有名です。

僕はチベット仏教にはあまり詳しくありませんが、

ダライ・ラマ師の言葉はどれも印象的で心に強く残っています。

 

・どんな大きな流れも、きっかけは一人の小さな行動から生まれます。

もしあなたが「自分には大したことなど出来ない」と思ってしまったら、

それは世界にとって大きな損失となるのです。

 

・わたしたち人間には、愛や思いやりを称えられる能力があります。

このささやかな能力こそ、人間のもっとも大切な天分だとわたしは思うのです。

 

・あなたが勝利を得ることが出来なくても、

そこから学んだことまで捨てる必要はないのです。

 

どれも沈んだ気持ちを包み込んで背中を押してくれる温かい言葉ばかりです。

聖人と呼ばれる方はやはり人格も完成されているのだな、と思い知らされます。

日本人の僕でもこれだけの救いを覚えてしまうのだから

チベットの方にとってどれだけ偉大な存在なのだろう、と思います。

 

ちなみにそんなダライ・ラマ14世、実は紅茶花伝が大好きで

日本に来ると必ず飲んでいるそうです。僕も好きなのでそこだけは親近感を覚えたり…。

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そんなダライ・ラマの後継者を決めるための方法があまりに斬新だったので紹介させて下さい。

 

ダライ・ラマは没後、次期ダライ・ラマに生まれ変わる、と言われています。

そうは言っても実際世襲制なのかな…くらいに思っていましたが

これがフタを開けてみるとなかなか壮絶でした。

 

・ダライ・ラマ没後、予言に基き次のダライ・ラマが生まれるとされる場所へ皆で子供を探しに行く。

・誕生時の特徴や幼少時のくせなどを候補者を選ぶ。

・さらにその中から先代ゆかりの品物とそうでない品物を同時に見せて

 ゆかりの持ち物に愛着を示すなどの反応をした子供が次期ダライ・ラマになる。

 

勿論、厳格なしきたりなどがあるのはわかります。

後継者争いを防ぐ意味があるのもわかります。

それにしても偉大な宗教の最高権力者というとても大切なことを決めるにしては

どこか牧歌的というか日本人から見ると変なところでガバガバだなぁ…思わざるを得ません。

品物を2つ並べて選ばせる、という絵面がどうしても芸能人格付けチェックを彷彿してしまうのも原因でしょう。

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そんな日本人から見たら斬新なダライ・ラマ選定システムですが、

他ならぬダライ・ラマ14世が「私はもう生まれ変わることは無い」

ダライ・ラマ制を廃止すると制定し波紋を呼んでいます。

 

400年の伝統があったダライ・ラマ制度。

精神的支柱であるダライ・ラマがいなくなったら周りは不安に思うのではないか、

という声もあがっていますがダライ・ラマ本人は

「大切なのは指導者ではなく、信仰の深さと他人を思いやる気持ちだ」

として自分がいなくても人々1人1人が信仰を深めていくことを望んでいます。

人間1人1人の可能性を本当に信じている人の言葉だなぁ、と思います。

 

制度を廃止するのが正しいのか日本人で部外者の僕にはわかりませんが、

長年続いた伝統もこうして時代の変化とともに変わっていくのだな、としみじみ感じました。

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