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【長野B級グルメ】焼きそばでもラーメンでもない…謎の「ローメン」が気になる!

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四方を山に囲まれ、豊かな自然に満ちた長野県。
ほぼ日本の真ん中に位置し、首都圏はもちろん、中京圏からのアクセスもいいため、訪れたことがある方も多いのではないでしょうか?そんな長野県には「ローメン」という、とってもユニークな麺料理が存在するんです!

ローメン

(出典:https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AD%E3%83%BC%E3%83%A1%E3%83%B3

 

「ローメン」は長野県伊那市の名物&B級グルメ!

ローメンは長野県伊那地方で食べられている名物グルメ。 伊那市には90軒ほどの取り扱い店舗が存在しているほど、人気のご当地グルメでもあります。

そんなローメンは一言でいうと、キャベツと肉などの具材がたっぷりと入った麺料理です。 …これだけだと、焼きそばをイメージしたり、具沢山のラーメンを思い浮かべたりする方もいらっしゃるのではないでしょうか? そして「たいして珍しくないじゃん」と思った方もいたでしょう!

でも実際は焼きそばに近く、ラーメンにも近いのですが、どちらともまったく違う食べ物なんです!

 

ローメンの特徴その1:肉は絶対マトン!

ローメン

(出典:写真AC)

 

麺料理に入っている肉と言えば豚や牛が一般的ですが、ローメンはひつじの肉。 それも“マトン”というこだわりがあります。

※余談ですが…「ラム」は生まれてからだいたい1年くらいの子ひつじの肉、「マトン」は生後2年以上から7年程度まで成長したひつじの肉を指します。

実は長野県は「ジンギスカン街道」と呼ばれる道があるくらい、ひつじに親しんでいる県。

昔からひつじの飼育が盛んだったため(当時は羊毛生産のために飼育していました)、大きくなったひつじを食べる機会も多かったようです。

 

ローメンの特徴その2:「焼きそば風」と「ラーメン風」の2種類が存在!

ローメンにはなんと2種類が存在します。 汁のない「焼きそば」のようなスタイルと、スープたっぷりの「ラーメン」のようなスタイルがあり、お店によって提供しているものが異なるんだとか。

ローメン

(出典:写真AC)

 

 

■焼きそば風ローメン

焼きそば風ローメンは、ソースベースの味付けとなっています。 ざく切りのキャベツをはじめとする野菜(具材はお店によっていろいろ!)、きくらげにマトン、そして中華麺を炒めたスタイルです。 麺は中太~太めくらいで硬めのため、食べ応えがしっかりあります。

マトンというと匂いや臭みが気になる…なんてこともありますが、ソースやにんにくの風味でマイルドになり、マトン独特の味わいを楽しみながら美味しくいただくことができますよ。

ローメン

(出典:写真AC)

 

■ラーメン風ローメン

ラーメンのようにスープ多めのローメンは、醤油ベースの味付けです。
こちらも具材は、キャベツにきくらげ・野菜、そしてマトンが入っています。
くたくたになるまで煮込まれたキャベツの甘みに、優しい醤油スープがよく合います。
そこにマトンの風味がいいアクセントとなって、クセになる味わいが広がるんだとか…!

ちなみにスープは麺がしっかり浸るくらいから、麺の1/3~半分程度と量もさまざま。 お店の個性がこんなところにも出ているので、食べるときには要チェックです!

ローメンの特徴その3:最後の味付けは自分で!

ローメン

(出典:写真AC)

 

そしてローメン最大の特徴は「自分で完成させる」こと! お店で提供されるローメンの大半は、だいーぶ薄味に作られているんです。
いつからかローメンは自分好みに味付けして仕上げることが定番となったため、お店側もそれをふまえて、あえて薄めの味付けにしているんだそう。

ローメンを提供しているお店には、醤油やお酢・ソースなど調味料が必ずテーブルの上に並んでいます(珍しいところではマヨネーズやカレー粉もあるとか!)。

辛め、すっぱめ、しょっぱめ…と味変しながら楽しむのもよし、自分のお気に入りブレンドを見つけるのもよしといろんな楽しみ方ができるのもローメンの魅力のひとつです。

 

 

ユニークなローメンの歴史は?

 

このローメン、具材や食べ方もユニークですが、なぜ伊那地方で広まったのでしょうか? 歴史とともにその成り立ちを見ていきたいと思います!

ローメン

(出典:イラストAC)

 

はじまりは1955年、小さな中華料理店から

 

ローメンがはじめて作られたのは、1955年(昭和30年)の頃。 今ではローメンの老舗として名をはせる、伊那市の中華料理店「萬里」の初代店長・伊藤 和弌(いとう わいち)さんが創作しました。
(ちなみにこの「萬里」、ラーメンスタイルのローメンで人気のお店です!)

 

ローメンは生めんをどう保存するか?から生まれた

ローメン生みの親である伊藤さんは、もともと東京・横浜で修行を積んだ料理人でした。
その後、郷里の伊那市に戻って「萬里」を開いたのですが、当時は昭和20年代。
冷蔵庫が一般に普及していなかったため、せっかく仕入れた生めんが保存できないことに悩んでいました。

ローメン

(出典:写真AC)

 

 

「せっかくお店を開いたのに、麺が保存できずだめになってしまうのはもったいない…何かいい方法はないだろうか…」と苦慮していた伊藤さん。

そこで、伊藤さんは地元の製麺業者である服部製麺所に協力を求めます。
試行錯誤をくりかえし、伊藤さんはついに麺を深く蒸すことで日持ちさせる技法を見つけました。
できた麺は茶色っぽく、ラーメンや焼きそばの麺とはまったく違ったものでした。

「麺を蒸せば日持ちするようになった!しかも独特の風味や食感もある!」と気付いた伊藤さんは、この麺ならではの特徴を生かした創作麺料理を考えます。 それがローメンだったのです!

 

1軒のお店から他のお店へ、そして地方全体に

 

伊藤さんの作った元祖ローメンの具材は、現在のものとほとんど変わりません。
マトン同様、キャベツも周辺で多く栽培されていたことから使用したそうで、いわば「地産地消」のメニューだったんですね…!

ローメン

(出典:写真AC)

 

当初は「炒肉麺(チャーローメン)」という名前で提供されたこの料理、実際にお店で出してみると大好評で定番メニューとなりました。 そしてこの料理が広まっていくにつれ、「チャー」がとれてしまい、「ローメン」という名前が定着していったといいます。

評判となった萬里のローメンですが、伊藤さんはこれを自分だけのものにしませんでした。
地域全体の発展を考え、「ローメン」の名前をみんなが自由に使えるようにしたのです。
これによってローメンは他のお店にも広がり、その中でラーメン風だけでなく焼きそば風のローメンも現れ、伊那地方を中心にローメンはどんどんバリエーションを増やしていきました。

 

今では伊那地方のご当地グルメに!

地方に根づいたローメンは、家庭のごはんや学校給食にも進出しています。
今ではお土産や家庭用として、麺・調味料、さらにマトンも一緒になったローメンセットが伊那市内のスーパーなどで販売されているほど。

さらに全国のB級グルメを集めた「B-1グランプリ」にも出場するなど、快進撃はまだまだ続いています。

 

マトン好きならぜひ一度試してみて!

伊那市出身の友人曰く、「マトンが苦手な人だとちょっと合わないかも…」とのことですが、逆にマトン好きにはハマる料理だそう!

ローメン

(出典:写真AC)

一度食べてみても、別のお店では味わいや風味が異なるため、また違った印象を抱いたりすることもあるとか。

最近はアンテナショップやオンラインショップでも、ローメンセットが販売されています。 地元の人はもちろん、マトン好きの方はぜひチャレンジしてみてはいかがでしょうか?

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