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第二の”水どう”?酒と肴が織りなす残念戦士達の本音バラエティ!

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「水曜どうでしょう」の二代目候補 ローカル番組『ゴリパラ見聞録』

会社や学校での生活に疲れてしまって、無性に誰かに愚痴りたい…だけど、家族や友人に愚痴るのは迷惑かもしれないし、結局誰にも本音を言えない…そんな経験が、誰にでもあるだろう。

ゴリパラ見聞録』という深夜のローカル番組をご存知だろうか?
今もなお根強い人気を誇る「水曜どうでしょう」の二代目候補として、一部界隈でひそかに有名な旅番組である。 ピン芸人のゴリけん、コンビ芸人のパラシュート部隊、ディレクター二人の計四人が、視聴者に代わって行きたい所に出向き、願いや思いを叶えて写真を撮ってまわる、ローカルバラエティだ。

ディレクターに大炎上させられる とにかく残念な出演者たち

出演するのはとにかく残念な福岡の芸人達である。誰かが失敗するとすかさず揚げ足を取り、お互いを貶め合い、「売れたい売れたい」と毎回愚痴をこぼす。「人の(番組制作費の)金で食べる刺身は美味い。」「製作費がカスッカスだからファンからの差し入れで今回のロケを乗り切ろう。」等々の迷言も飛び出す始末。普通なら人に言うのをためらってしまうようなリアルな本音を、正直過ぎるほどにさらけ出すのがこの番組の魅力なのだ。
中でも彼らの残念さを存分に堪能できるのが、夜の居酒屋での「一献タイム」コーナーである。

goripara

このコーナーでは訪れた地で、夜な夜な四人がお酒に酔いながら管を巻く様子が赤裸々に放送される。提供される料理は、美味しそうな品々ばかり。しかし、語彙力の問題か表現力が乏しいのか、タコを食べているのに「イカみたいに美味しい!」やら、新鮮な肉を食べて「もう一回胃から口に逆流させて味わいたい」等々、思わずツッコミを入れたくなってしまうコメントを連発。序盤から、既に残念だ。

やがて酔いが回り始めると、一行の話題はリアルな家庭・財政状況や、自分の将来についての不安へ…。

パラシュート部隊の斎藤が、自分のせいで婚期を逃し続けた兄がやっとこぎつけた結婚式のスピーチ内容が、自分の事ばかりで申し訳なかったと大号泣ながらに話したかと思うと、別の旅では相方の矢野が自身へのゴリけんの借金を暴露し始める。

「ごりさんの奥さんから今僕にメールがありました。ゴリけんの僕への借金はいくらあるの?だそうです」
詰問すると、ゴリけんはうな垂れながらこう答える…
「20万…」

家庭を持つ先輩芸人が、後輩芸人にお金を借りている。
しかもそれを未だ返済しておらず妻にも詳しく伝えていない。更に詳しく突っ込まれると、そもそもパチンコですった分の補填の為に借りたお金だということが判明。…この芸人達、本当に残念である。

普通の番組ならこんなやり取りは放送しない。しかしあえて放送し、大炎上させるのがゴリパラディレクターの凄さ。最近流行の炎上商法より更に上を行く、ローカル番組ならではの愛のこもった大炎上放送である。

それにしても、放送されると分かっていて、何故ここまで本音をさらけ出せるのだろう。

家族でも友人でもない関係だからからこそぶつけ合える 戦士達の本音

ゴリパラ一行は、家族や友人という穏やかな関係ではない。現実世界で戦い合ういわば戦士達だ。共に仕事をし、時にぶつかり合い、時に称えあう戦士同士。だからこそ、お酒が入り美味しい肴を口にした安堵感をきっかけにして、炎上するほどありのままの人間性をさらけ出して語り合えるのではないか

皆さんも経験がないだろうか。楽しく過ごそうと気を遣ってばかりの飲み会から家に帰りつくと、逆にすごく疲れていることが。酒と肴が炙り出す彼らの本音は、私たちが普段胸に秘めている家族や友人とは共有できない本音と何処か重なる。気付けば私たちは、バカだなぁと笑いながら番組を見ているだけなのに、まるで戦士達と一緒に飲んでいるかのように、心を開いて共感しているのだ。

以前、私の地元の居酒屋にゴリパラ一行が来ていた。キッズの私はウキウキしながら帰郷し家族と共に早速向かった。なんとなく予感はしていたが、残念な戦士達のサインは無かった事は、お伝えしておく。

Written by ミワ

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