自称引きこもりのプロが提案する、本当に恋人と食べるべきクリスマスディナー
雰囲気・おしゃれは完全無視。ロジカルにクリスマスディナーのプランを立ててみる
今年もこの季節がやってきた。恋人たちの夜、クリスマス。
実は最近、滑り込みで私に恋人ができた。クリスマスのディナーは何を食べようか、どこのお店を予約しようか…私は悩んでいる。なぜなら、私は引きこもりなのだ。おしゃれなお店を知らない。それどころか、クリスマスに、なにを食べていいかもわからない。本屋に行ってグルメ本でも開けば、おしゃれな店がたくさん載っていて、なにを食べればいいのか一目瞭然なのだが、引きこもりのプロフェッショナルである私が、そんなことをするわけにはいかない。だからといって、せっかくできた恋人をがっかりさせるわけにもいかない。なにを食べればいいのだろうか…悩んだ末、斬新な視点を考えついた。おしゃれな雑誌を参考にできないのなら、ここはあえて「宗教的」で「哲学的」な側面から、ロジカルにクリスマスディナーのプランを組めばいいのではないか。もしあなたが、最近恋人ができた引きこもりなら、これは必見である。
モーセは言っている。クリスマスには子羊を食べよ!と…
クリスマスディナー特集2016!のようなキラキラした雑誌には目もくれず、私はクリスマス、キリスト教の文献を読み漁ることにした。
そこで見つけたのが、「過ぎ越し祭」というワードである。クリスマスとはキリスト教でいう神の子羊イエス=キリストの生誕の日であることは言わずもがなではあるが、誕生日は12月25日ときっちり定まっているのにも関わらず、実はイエスが「亡くなった日」は定かではない。諸説ある中で有力とされているのは、イエスが亡くなった日はユダヤ教の「過ぎ越し祭」という祭りの日あたりである、というものである。
そもそも過ぎ越し祭とは、ユダヤ人が出エジプトを記念して祝う祭りのこと。出エジプトとは当時エジプトに住みファラオに虐げられていたユダヤ人達が神の導きに従ってエジプトを大脱出したという、物凄く壮大なドラマである。神に選ばれた預言者であるモーセは、ユダヤ人たちにこう伝えた。
「子羊を屠り、それを食しなさい。そして子羊の血を門柱と鴨居に塗りつけなさい。そうすれば災いは過ぎ越される。」
随分と禍々しい話ではあるが、これが正解だ。羊である。ずっとこれが知りたかった。クリスマスディナーには羊。神が選んだ預言者が羊を食えと言っているのだから、神の誕生日には羊を食うのが普通である。ロジカルに考えて、ただそれだけなのだ。生まれた日と亡くなった日は関係ない?なんて疑問は置いておこう。
「今日はクリスマスだから羊を一緒に食べようと思ってさ。え、なぜかって?ほら、キリストが選んだ預言者であるモーセが言ってたろう?子羊を屠り、それを食しなさい、ってさ…」 さあ、このセリフをコピー&ペーストして、部屋で何度か練習するだけでいい。引きこもりが大人の余裕を持ったインテリに早変わりできる。まるで預言者になった気分だ。「子羊の血を門柱と鴨居に塗りつけ」るまではやらなくていいと思うが、ぜひクリスマスディナーには羊料理を提案したい。クリスマスと聞いて、まず思い浮かぶ料理、例えば丸焼きの七面鳥やローストビーフなど、お洒落な料理を雰囲気良く食べているカップルを無知だと嘲笑うのは、この「元・引きこもりのプロフェッショナル」であり、「現・預言者」の、私である。
でも、本当はクリスマスディナーに正解なんて…
いつもより格式の高い店で、素敵な恋人とキリストの生誕を祝い、赤ワインを片手に上質な子羊を食す。およそ満足気な表情で、羊肉を頬張ることができるだろう。インテリとして尊敬の眼差しを浴びることができるだけでなく、羊を食べれば災いも過ぎ越されるらしいから、これはもう一石二鳥ならぬ一石二羊である。
クリスマス間近、ディナーをどうしようか迷い焦っている人がいれば、今すぐに子羊を扱っている店に予約の電話を入れてみてはどうだろうか。出番を待って冷たい冷蔵庫で眠っている羊たちが全国各地、至るところにいるはずだ。
ただ、本来ならば羊を食べるのがいいのだが、もし恋人がローストビーフを食べたいと言ったら、素直にローストビーフを食べにいきましょう。だってウンチクばっかり語ってたら、きっと神様にも恋人にも嫌われますからね…。
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