インパクトありすぎ!長崎銘菓「こいがし」のハードボイルドな実態を調査!
甘ーい恋菓子かと思った?
「恋菓子」と聞くと、あなたはどういうものを思い浮かべるだろう?ハートの形をしたクッキー、いちごクリームのたっぷり詰まったマカロン、ちょっぴり苦味のきいたチョコレート、などなど。「恋するフォーチューンクッキー」と歌にあるように、恋愛×菓子とはよくいった組み合わせで、要するに「恋菓子」とは胸がドキドキする恋愛のような魅力が詰まったお菓子、というところだろう。
いずれにせよ、最近近所の小学生にエアガンを突きつけられても屈しなかったほどのハードボイルドな私には、軟派な「恋菓子」などはまったくもって無縁の食べ物である。
え?鯉菓子…?恋じゃなくて、鯉…?
初恋の味とか、食べたら恋がしたくなるとか、そんなキャッチコピーとともに世の中に無数に出回っている「恋菓子」。では長崎銘菓の「鯉菓子」はどうだろう?
鯉菓子…?
菓子×魚、…なんとなく、薄ーいせんべいの表面に水彩画みたいに鯉の泳ぐ姿が描かれていて、一口食べたらパリッと小気味のいい音が聞こえてくるような、そんな昔ながらの和菓子のことなんじゃないの…?と、予想したそこのあなた。それは大きな間違いだ。
板チョコは瓦のように重ねてチョップで割って食べる、ポッキーやプリッツは必ず20本ほど束ねてから一気に食べる、というお菓子の食べ方一つでもハードボイルドを貫いてきた私だが、さすがにこの「鯉菓子」を最初に見た時は、度肝を抜かれた。
ご覧いただこう。これがその、「鯉菓子」である。
気持ち悪い。
ちょっと気持ち悪すぎはしないだろうか。もちろん批判しているわけではない。ただ、ちょっとだけ見た目に問題があるような気がするのだ。だってこれは菓子×魚などではない。これはもう魚だ。まんま魚。名前だけを聞いて、甘ーい恋菓子と勘違いした世の中の女子が、そのギャップに気絶しかねないほどの強烈な見た目である。
私は変わった見た目のやつは大好きだが、ドン引きしている人を安心させる為にも、ここで一応説明をしておく。この鯉菓子は、端午の節句の時期になると長崎県内で流通する、長崎の伝統的な銘菓の一つである。「こどもに強く、自由に育ってほしい」という意味が込められている鯉のぼりにちなんで、子どもに親しまれるお菓子として鯉の姿をした和菓子が、長崎の各和菓子専門店によって作られているのだ。
だがよくこの鯉をみてほしい。子どもに親しまれるというよりは、どちらかというと嫌われ者の顔をしていないか。人をからかっているかのような丸い瞳、おしゃべり上手にみえる大きく開いた口、かすかに黒を纏ったその姿、どう考えてもこいつは悪役ハードボイルドだ。私は大好きだが、子どもにはこの大人の渋さがわからないだろう。
鯉菓子、実食
見た目はいかにも曲者で食えないやつだが、この鯉菓子は食べられる。どうやって食べればいいのかわからないので、とりあえず包丁で切り込みをいれてみることにした。
はみ出てきた。
予想以上にじんわりはみ出てきた。中の黒あんがゆっくりとはみ出てきて、ハードボイルドな私でも思わず「ひっ」と声を上げてしまった。
今一度確認するが、これはお菓子である。
焼き魚でも、肉厚なステーキを食べているのでもない。お菓子を食べているのだ。食べながらこんなにお菓子を食べていると実感できないお菓子が世の中に存在するだろうか。長崎名物恐ろしや…
見た目ばっかり気にして、恋愛にうつつを抜かしている世間の七夕男も、この鯉菓子を見習ってハードボイルドに生きてほしい。
でも、さすがにちょっとは見た目にも気を使おうね…
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