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国芳・国貞・広重 浮世絵とおいしく出会おう「旅したい!おいしい浮世絵」

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ファン層の間口を広げつつある浮世絵人気

現在、東京・渋谷Bunkamura ザ・ミュージアムで絶賛開催中の「俺たちの国芳 わたしの国貞」展。斬新で洒落た広告、現代的なコピー・リッチなインスタレーションなどの演出によって、今までの浮世絵ファンから裾野を大いに広げた今回の企画。グッズ展開も豊富で、作品に登場する猫や髑髏のモチーフを使ったマスキングテープ・付箋・手拭い・豆皿などどれもお洒落で可愛く、浮世絵を今までにない形で楽しめる。

今、浮世絵がアツい。

あなたも、ちょっと浮世絵の世界に手を出してみたい、なんて思っているはずだ。
しかし躊躇しているのではないだろうか。何故なら「なんだか難しそうだし、どこから手を出していいかわからない」から。
そんなわたしたちにうってつけ、最初の浮世絵の先生になってくれる番組がある。 それが「旅したい!おいしい浮世絵」。 放送するのは天下のNHKはEテレ、なんとも頼もしいことこの上ない。 しかもおいしい浮世絵…おいしいのだ。

おいしい浮世絵…ってどんな番組?

キュレーターでアートライターの林綾乃さんの解説を、ナビゲーターの小林聡美さんと共に学んでいくのが番組の基本スタイル。
林さんは江戸時代の食文化を描いた浮世絵の数々を、技法や絵師の情報・当時の風俗や世相なども交えながら、とても丁寧に解説してくれる。これがとてもわかりやすい!浮世絵版画が出来るまでの工程など、美術館では知ることが出来ない情報をたくさん挟んで、浮世絵初心者でも見どころがちゃんと理解できる。と同時に、食欲もとても湧く。浮世絵で描かれる江戸の食事のなんと風流で美味しそうなことか。

歌川国貞/当盛十花撰 紫陽花

右の男性が手に持っているのは、江戸で大人気だったひんやりスイーツ、白玉
(歌川国貞/当盛十花撰 紫陽花)

浮世絵を通して江戸文化に触れる

そばを特集した回では、お二人が東京都江戸東京博物館まで足を運び、当時の世俗を知ることが出来る展示を堪能。
そこに落語家・立川談笑さんが登場。ズズッとそばを啜る様を再現しつつ、江戸の庶民の暮らしぶりに関する落語家ならではの知識を披露する場面も。
温かいそばと、冷たいそば、啜り方が違うんですよ。そばの価格は、そば16文、あられそば24文、天ぷらそば32文…すべて四文銭で割り切れ、釣り銭の無いように設定されていたんですよ。

歌川国芳/木曽街道六十九次之内 守山 達磨大師

おなかがぽっこりなおじさん、ちょっと食べ過ぎでは…
(歌川国芳/木曽街道六十九次之内 守山 達磨大師)

番組の後半では、小林さんらが江戸当時そのままのレシピでそばを実際に調理。現代のそばとは違って乾燥してどんどん塊になっていくそばを前に、お二人が四苦八苦する様子がおかしく、食べる時の作法も当時は今とでは全然違ったことが分かる。そばを通して時代の違いを興味深く楽しむことができて、知的好奇心がぐんぐんと満たされるのを感じること、請け合いの25分間。

放送は全9回。
特集は先述のそばのみならず、寿司・天ぷら・うなぎ・おやつなど、どれも見逃せないラインナップばかり。

ありがたいことに、視聴を逃しても、テキストで学べるのがNHK Eテレのいいところ。この絶好の教科書に教われば、美術館で何も分からず鑑賞するより、一味も二味も違った角度から浮世絵を楽しめるようになるに違いない。この機会に、おいしい浮世絵から手をつけて、世界に一歩踏み出してみるのは如何だろう。

Written by にゃも

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