山形の郷土料理】野菜たっぷりの「だし」は、夏の疲れにおすすめ!
芋煮に玉こんにゃく、だだちゃ豆など、豊富な山の幸、海の幸に恵まれた山形県には、ご当地名物がたくさんあります。
山形ラーメンや米沢牛などは、全国的にも知名度が高く、人気のご当地料理です。
(出典:写真AC)
今回さらに紹介したいのが、県央に位置する村山地域の名物「だし」です。県央には蔵王温泉や銀山温泉などの有名な温泉地もあり、風情ある名所として人気です。
そんな村山地域に根付いた名物料理の「だし」は、夏バテして食欲のないときにピッタリの食べ物。ここでは、だしが夏におすすめである理由について紹介したいと思います。
山形の郷土料理「だし」とは?
だしは、山形県の中央に位置する村山地方の郷土料理です。村山地域には、山形市や地域名となっている村山市などがあります。
だしには、きゅうりに茄子、みょうがに大葉と、夏野菜や薬味がたっぷり使われており、粗みじん切りにした野菜や薬味を、かつおでとった出汁と醤油、みりん、酒などの調味料で和えて作ります。味付けや具材は家庭によってさまざまですが、ご飯にかけたり、冷奴にトッピングして食べるのが一般的です。
(出典:写真AC)
県央に位置する村山地域は、周りが山に囲まれた場所。夏になると高温多湿となる環境から、食欲のないときにも栄養を摂れるようにと冷やした「だし」を食べるようになったと言われています。
また、山形県の村山地方は農業が盛ん。朝から簡単に用意して食べて行くことができるだしは、忙しい農家の人達にとても重宝されたのです。
宮崎には郷土料理の「冷や汁」というものがありますが、この冷や汁も夏野菜たっぷりのご飯にかけて食べる冷たい料理。朝に素早く食べて出かけることができるため、農作業に出かける農家で食べるようになったものです。だしと冷や汁は似たような目的で誕生しており、農業が盛んな地域ならではの食べ物であることがわかります。
だしが夏におすすめの理由
今では、山形県の村山地方だけに留まらず、県内はもちろん関東でもスーパーを中心にだしを見かけるようになりました。
そんな全国的に知名度を広げているだしですが、だしが食べられるのは、基本的に夏が中心です。夏に特におすすめの理由には、次のようなものがあります。
【夏野菜の栄養がたっぷり】
だしはきゅうりや茄子などの夏野菜をたっぷり使っています。 夏野菜は熱を冷ます効果があるため、熱がこもった体をクールダウンすることができるのです。
(出典:写真AC)
さらに、きゅうりにはカリウムが多く含まれています。利尿作用がありむくみにも効果的です。茄子に含まれるアントシアニンには動脈硬化や高血圧を予防する効果が期待できますよ。
【あっさりしているので食べやすい】
(出典:写真AC)
だしの味付けは、家庭によってさまざま。 一般的には醤油味が多いのですが、塩味の家庭もあります。めかぶや昆布を入れることもあり、ネバネバ食材は食欲のないときにも喉を通りやすい食材です。
【火を使わなくて良い】
だしは刻んだ夏野菜と薬味を、醤油ベースの液に漬け込んで作ります。加熱の工程がないため、夏の暑い時季にも火で室内の気温が上がることなく作ることができるのです。
(出典:写真AC)
さらに、火を使わないということは鍋やフライパンを使わないということ。余計な洗い物を減らすこともできるので一石二鳥ですね。
これから徐々に夏の疲れが出てくるころ。だしはスーパーでも買うことができるので、ぜひ食べてみてくださいね。
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