【タイ在住レポ】タイでロングセラーなお菓子の名前は、違う国の有名な地名?
大の日本びいきのタイ
タイにおける昨今の日本ブームは大変な熱の入りよう。日本食がブームから日本食レストランが雨後の筍のように乱立し、日本製品はその品質から大変な人気で、日本語が書いてあれば売れるとばかりに訳の分からないひらがなの文字列が書いてあったり、ひどいときにはタイ語の上に日本語でカナが振ってあります。
そんななか、もう何十年も売られ続けているカノムトーキョウというロングセラーのお菓子が存在します。カノム、というのは「お菓子」という意味。トーキョウ菓子…そんなものは日本では見たことはありませんよね。タイでのみ見かけるのに「トーキョウ」なんです。
日本語にちなんだロングセラーのお菓子・カノムトーキョウ
このお菓子、写真のようにクレープ生地で餡やソーセージなどの具を包んだもので、フードコートや道端の屋台でよく売られています。ですが、一体なぜ「トーキョウお菓子」なんでしょう?
1964年に日系デパート・大丸がバンコクに出店しました。ここで売られている大福か八つ橋かにインスピレーションを受けた地元のタイの人が見よう見まねで作ったのがこのカノムトーキョウなのではないか、との見方が優勢のようです。見よう見まねで作ったものの、大福でもないし、八つ橋でもない。で、名前は何なんだ?となったときに「とりあえず日本だからトーキョウでしょう」というノリでできたものと思われます。
ほかにもある!地名にあやかったお菓子
有名な地名にあやかったタイのお菓子といえば、ロード・チョーン・シンガポールというのものがあります。
おなじく家庭的なお菓子で、ココナッツミルクにゼリーを入れて氷で冷たくしていただく冷菓で、暑いタイでは全土通年見かけることができます。
なぜシンガポールなのか。有名地名にあやかってつけた名前なのかと思いきや、こちらにも面白い背景がありました。
©m-louis .
約60年前に当時流行の最先端であったヤワラート地区にこのお菓子の売店ができました。ヤワラート地区とは、現在は中華街として有名ですが以前はチャオプラヤ川に近いことから海外の文化が一番最初に入ってくる異文化へのゲートウェイだったそうです。そのヤワラート地区に「シンガポール映画館」という名の映画館があり、このお菓子を売る売店が映画館の前にあったため、「シンガポール映画館の前で売ってるお菓子」が転じて「シンガポール菓子」になった、というのが定説のようです。ただ有名な地名にあやかっているのかと思いきや、面白い背景があるんですね。
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