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タイの中華街の定番料理は魚の「アレ」を使ったスープだった

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タイ×華僑文化の生み出した看板メニュー

タイ・バンコクの中華街、ヤオワラートに行ってきました。

タイでは華僑系タイ人が多く、中華系の血筋を引いた祖先が2代、3代前に移住してきた、などの話もよく聞きます。どこの国に行っても必ずと言っていいほど見かける中華街。非常に賑やかなネオンの町並みで、タイの雑踏の賑やかさがより一層引き立ちます。

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ヤオワラートの賑やかなネオン

タイはもともと異文化に寛容な土地柄。華僑のもたらした文化が見事に融合し、その食文化にも花を咲かせています。そんな華僑文化が影響を与えたタイ料理の中でも、タイ人の間で特に人気なのが、ガポ・プラーというメニュー。

「ガポ」は胃袋のことで、「プラー」は魚のこと、つまり魚の胃袋のスープという意味です。ぐつぐつと煮え立った鍋に入って、豪快にテーブルに供されます。

本当は胃袋じゃない!?ガポ・プラーの正体

今回入ったレストランは観光客半分、タイ人家族半分といった客層でした。ガポ・プラーは家族連れなどにも人気で、ちょっとした豪華外食、といった位置づけのようです。

ガポ・プラーにどんな背景があるのか、調べてみました。「胃袋」と呼ばれているのは、実は魚の浮袋。われわれ人間がはるか昔に魚類と先祖別れした際、それを肺として進化させたもので、海に残った魚類が水中で浮力を保つための器官・浮袋として進化させたものです。魚たちはこの浮袋に気体をため込んで、生息する水深を調整するのに用いています。食用として使用するには、血管をとったり天日干ししたりして結構な手間がかかり、さらに水深が深いところにいる種類の魚のものが好まれるため、ものによっては何万円もするものまであるそう。中華系の食文化らしく、「食べると幸運が訪れる」といった縁担ぎの民間信仰もタイに伝わっていて、それも人気の理由の一つになっているようです。

浮袋が一体どんな経緯で「胃袋」と呼ばれるようになったのか…これは、「」です。どこかで胃袋と間違ったまま伝わったのか、見かけがそう見えたからなのか…。

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この日頂いたガポ・プラーは、たったの300円程度のものでしたが、提供時のアツアツの演出もあって、雰囲気は抜群。煮込んだこってりとろとろのスープにカニ肉がいい香り付けをしていて食欲をそそります。

タイの中華街の醍醐味・ダイナミックで異国情緒溢れる料理たち

ガポ・プラーと一緒に注文したのが、そうめんのような細い面を炒めたパットミー。こちらも香ばしい風味に箸が進みます。

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「パット」は炒め、「ミー」は極細麺の意味です。タイで一般的な麺類はきしめんのように太い「ヤイ」、日本のラーメンのような太さの「レック」、そしてさらに細い「ミー」があり、いずれも米粉からできています。強い火力で一気に炒めるので香ばしい香りがテーブルいっぱいに広がります。中華料理の醍醐味はやっぱり、この豪快さですね!

ヤオワラートエリアは観光客も多くどこのレストランも外国人慣れしているため、言葉が通じなくても大抵何とかなってしまいます。今回訪れたレストランでは、ビルマ特有の顔に白粉を塗ったビルマ人店員が、中国人観光客と中国語でやり取りしていました。この中華街独特の光景も異文化に寛容なタイらしく、異国情緒溢れる雰囲気が盛り上がります。

Written by 元ジェット

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