【夏なので】食べ物と地名に関する怖い話
梅雨があけてこれでもか!と暑い季節がやって来ました。
飲みかけのペットボトルを数時間放置しただけで食中毒になるほどの温度だというから恐ろしいです。
皆様も食中毒や熱中症にくれぐれもお気をつけ下さい。
そんな暑い季節なので僕は怖い話を見て肝を冷やして涼んでるわけですが
日本の怖い話というのは本当に恐ろしい。
何が恐ろしいってまず出てくる地名が恐ろしいです。
蛇落地悪谷、人喰谷、血吸川、首切峠 、大殺山、贄波…
おおよそ人が住む所に付けるネーミングセンスではありません。
どんなことがあった場所か想像したくないこと請け合いです。
…とまぁ食べ物ブログでメシがノドを通らなくなる話をしてもアレなので
食事に纏わる怖い場所の話をさせてください。
今回の話の舞台となる場所は福井県の飯降山(いふりやま)です。
血吸川に比べると大分名前もまろやかです。
まんが日本昔話の最終回にもなった話なのでご存知の方もいると思います。
昔、三人の尼さんがこの飯降山に修行のため山ごもりにやって来ました。
一番年上の尼さんはとても人間の出来た方だったそうです。
家も小屋もなく、雨ざらしの中、殺生も禁じられて草や木の実を食べて飢えをしのぐ…
そんな過酷な環境で三人は修行を続けていました。
ある日、不思議なことに空からおにぎりが3つ降りてきました。
精進のご褒美に神様が恵んでくれたのだろう、と3人は感謝してそれを食べました。
それからも毎日おにぎりは降ってきます。
やがて贅沢を覚えた尼さんはもっとおにぎりを食べたいと思うようになります。
そして、年上の尼さんはもう一人の尼さんと結託し、二人で1番若い尼さんをガケから突き飛ばします。
「これでおにぎりの分け前も増える」とワクワクする尼さん2人
しかし翌日からおにぎりは2つしか降ってこなくなりました。
年上の尼さんはきっとお腹が空いて仕方がなかったのでしょう、
次第に正気を失い「もっとおにぎりを食べたい、この尼さんもいなくなれば今度こそおにぎりを独り占めできる…」
そう思いもう1人の尼さんも崖から突き落とします。
しかしそれ以来おにぎりが降ってくることはありませんでした。
それからこの山は飯降山と呼ばれるようになりました…
その時の状況をこと細かに想像しようとすると首筋が寒くなる話だな、と思いました。
体温だけでなく気持ちもクールダウンする話ですが、
暑い夏に聞く怖い話はこの時期にしかない趣があって僕は好きです。
それにしてもこういう話を聞くと食べる物に最低限困らない生活を送れていることには
ただ感謝するばかりだな、と強く思います。
by tori
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