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ロマンあふれる大正時代~「メシノトモ」にも描かれた洋食文化~

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大正ロマン×洋食×奇妙な友情=メシノトモ!
みんな大好きなカレーやオムライス。
大人から子どもまで人気のメニューですが、実はこれらの洋食は大正時代に広まったもの。
もともとは各界の要人や富裕層など、限られた人たちのものでしたが、庶民も口にするようになってからは、一大ブームが巻き起こり、お店も価格もより身近なものになっていったといいます。
今日はそんな大正時代の洋食を、警官と謎の男の奇妙な友情を描いた漫画『メシノトモ』から堀り下げたいと思います!

メシノトモ
(出典:https://comic.pixiv.net/store/products/475315)

『メシノトモ』の主人公は、警視庁に勤める青年・稲荷 司(いなり つかさ)。
厳格だった父の影響で、カフェやデパート、ビアホールは浮ついた場所、流行りの洋食は贅沢品だと毛嫌いしています。
そんなある日、稲荷は活動家と思われる怪しい男を追って、洋食店に入ります。
警官に騒がれたくないお店は何とかその場をおさめようと、稲荷を強引に席に着かせ「オムレツライス」を出すのですが、そんなもの食べたことがない稲荷は大パニック。

 

メシノトモ
(出典:©清水しの/新潮社)

初めて食べるケチャップライスに抵抗を示すかと思いきや、稲荷はあっさりとトリコに。
結局、稲荷が追っていた怪しい男はこのコックだったのですが、食べっぷりのよさに「メシを一緒に食う時だけ友人になろう」と意外な提案を持ちかけられます。


メシノトモ
(出典:©清水しの/新潮社)


これには激しく抵抗した稲荷ですが、怪しい男・牛丸 修吾(うしまる しゅうご)の強引さに押し切られて「メシノトモ」になり、洋食にいつの間にか魅了されていく…というのが大まかなあらすじです。


大正時代の人気洋食ベスト3!
ポークカツレツ、カキフライ、エビフライ…と、明治から大正にかけては、日本流にアレンジした洋食が次々に生まれ人気となりましたが、なかでも「カレーライス」「コロッケ」「とんかつ」は三大洋食として大流行。
今もなお愛されているこのトリオ、当時の味や由来はどのようなものだったのでしょうか?


① カレーライス

メシノトモ

カレーの具の定番といえば、「タマネギ、ジャガイモ、ニンジン」ですが、これも大正時代に確立されたもの。
明治のはじめにはまだ珍しい西洋野菜だったため、当初はネギ(長ネギ)とお肉だけのシンプルなカレーも存在したとか。
初めて記載されたカレーのレシピには「アカガエル」の肉を使うと書かれていたそうで、これは普及しなくて本当によかった…!
また当時のレシピには、だし汁で具材を煮込むという記載も。水で煮込むのではなく、あえてだし汁を使うというのが日本らしいなと思います。


② コロッケ

メシノトモ

コロッケのルーツは、フランス料理の前菜の一つである「クロケット」だといわれています。
明治時代に伝わったクロケットは「クリームコロッケ」に近いものだったそうですが、それがどうしてポテトコロッケに変わったのかは諸説あるよう。
ホワイトソースで作ると価格が高くなって売れなかったから、乳製品の加工技術が普及していなかったから、日本人の好みに合うじゃがいもがウケたから、などなど。
今でこそコンビニでも100円くらいで売っていますが、材料や油を多く使うことから、当時はビフテキの2倍近くの価格(現在の金額だと1,000円くらい)だったようです…!


③ とんかつ

メシノトモ

(出典:/youkai-apart/2/)

三大洋食の中で、唯一カタカナでないメニューが「とんかつ」。
他の2つに比べても洋食要素が薄く、意外に思われるかもしれませんが、これも洋食のひとつなんです。
スライスした仔牛肉にパン粉をつけて揚げ焼きした「コートレット」をもとに、銀座「煉瓦亭」の創業者である木田元次郎さんがアレンジしたのが始まりだそう。
ヒントとなったのはなんと「天ぷら」。
天ぷらの衣とは違ったサクサク感に、じゅわっと染み出す甘い脂…当時の人々が夢中になったのも納得です!


ありがとう、大正時代の皆さま!
こうして調べてみると、普段何気なく食べている洋食にもユニークな歴史が。
おいしい洋食があちこちで食べられるのも、大正時代の先人たちのおかげなんですね…!
試行錯誤して作ってくれた人、おいしいと広めてくれた人、みんなに感謝!
当時の洋食レシピはインターネット上でも多数公開されているので、気になる方はぜひ作ってみてくださいね。

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