市民権を得よ!今こそ「うどん」のカタカナ系麺類化だ!
『UDON』
博多ではラーメンと同等に市民権を持つうどん
『UDON』という映画がある。あの『踊る大捜査線』の本広克行監督による、うどん愛に溢れた究極の「うどんムービー」である。
私は福岡生まれの福岡育ちで生粋の博多っ子だ。博多といえば一般的にはラーメンを思い浮かべるだろうし、うどんといえば香川を思い浮かべるだろう。映画『UDON』の舞台も香川である。しかし、ここで衝撃的な事実を皆に伝えたいと思う。
うどん発祥の地は実は「博多」なのだ。その証拠に、福岡市博多区にある「承天寺」には、うどん発祥の碑が建てられている。また、福岡県内のうどん店の数はラーメン店とほぼ同数存在し、福岡最強と謳われるうどん屋、牧のうどんは県民のソウルフードなのである。
提供:福岡市
ラーメンには決して負けていない うどんの良さ
それにしても、ここ十年くらいのラーメンブームはなんだろうか。最近はラーメンフェスなるものが日本各地で行われており、ますます世の中のラーメン教、いやラーメン狂の信者は増えるばかりである。このままでは、日本の政界にラーメン党ができてしまい、ラーメン税が施行されてしまわんばかりの勢いである。
ここで苦言を呈したいのだが、最近のラーメンは高い。うちの店は秘伝のスープで、長期熟成のため深みがありますよ、真心こめた自家製麺にこだわっているから、麺にまで味 とコクがしっかりと染みわたっていますよ、など言うが、高いもんは高い。ハチマキ巻いて店の前で腕組んでる暇があったら、回転数を増やして安くしていただきたいものである。
そこで、うどんである。
ラーメンに比べて、うどんの慎ましさよ。ふとしたときに、優しく提供される一杯。寒い日に食べれば、包み込むように芯から温めてくれる出汁の効いたスープ。疲れていても食べやすく、するっと入ってくる麺。けっしておごり高ぶらない「うどん」。なんといっても、うどんは安い。400円くらいで食べられる。なんて控えめな麺類なのだろうか。
もし、顔面にぶつけられるような機会があったら、迷わずラーメンよりうどんを選ぶ。うどんのふわふわさと、一本筋の通った生き方。かっこいいではないか。ラーメンがEXILE系のイケメンだとすれば、うどんは向井理のような爽やかなイケメン。もはや、抱かれたいとすら感じてきた。うどんがan・anの表紙になるのも近い。
乗り越えられないネーミングの壁
僕はうどんの地位向上を訴えたい。同じ麺類なのにこの差はなんだ。原価が違うから…と言う人もいるだろう。だが、待って欲しい。本当にそうだろうか。うどんも、カツオや昆布で出汁をとるし、ネギや、天かすがのっているだろう。ネギ乗せ放題の店もたくさんあるではないか。原価に大きく差はないはずだ。
では、両者の全国における人気の差はどこから来るのか。この全人類の疑問に対する明確な解答を、僕は長年(三日)の研究によって見つけたのである。
それは、名前である。
何言ってんだお前、脳みそまでうどんになったのか。と、言いたい気持ちは分かるが、もう少し聞いていただきたい。
つまり、こういうことなのである。
ラーメンは「カタカナ系麺類」であるため人気が高く、値段も高く、うどんは「ひらがな系麺類」であるため人気がカタカナ系麺類に及ばず、値段が安いのだ。
例えば、カタカナ系麺類のパスタのペペロンチーノ。ニンニクと鷹の爪、ベーコンくらいしかはいっていないのに1,000円くらい取られる。対して、ひらがな系麺類の蕎麦はざるそばで高くても600円くらい。
このお値段そのままで、カタカナ系麺類に対抗し、博多ラーメンのように全国的に人気を獲得するにはどうしたらよいのだろうか。答えは簡単である。ひらがな系麺類も呼び方を変えてしまえばいいのだ。問題は「呼び方」、たったそれだけだ。
今こそ博多を見習え うどん「カタカナ系麺類」化計画
さぁ、今こそ立ち上がろうではないか。博多を見習い、全国でうどんの地位向上を目指すのだ。
手始めに今後はうどんを「ウディーニ」 そばを「ソヴァ」と呼ぶのはどうだろうか。ひらがな系麺類から、カタカナ系麺類へ、間に合わせの偽装工作である。お酒の名前とか、どっかのエライ神様の名前みたいになったが、気にせず使ってみることにする。賛同者募集。
注:筆者は週4でラーメンを食べます。
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