【参勤交代、江戸江戸~】大人数&長旅の参勤交代、ごはんはどうしてたの?
「好きな俳優さんは?」という質問に対して、高確率で名前が上がる佐々木蔵之介さん。
きりっとした上司役から、ちょっとおどけた役まで何でもこなす、私も大好きな俳優さんです!
この佐々木蔵之介さんが主演をつとめる、異色の時代劇コメディ映画「超高速!参勤交代」は皆さんご存じですか?
(出典:https://gyao.yahoo.co.jp/store/title/119211)
第8代将軍・徳川吉宗が天下を治める江戸時代。
磐城国の弱小藩のお殿様・内藤 政醇(まさあつ)演:佐々木蔵之介は、政治的な策略に巻き込まれ、通常なら8日間かかるところを、5日間で参勤交代しろ!と命じられます。
当時の移動手段はもちろん徒歩!
半分の日数で来いというめちゃくちゃな命令に、内藤も家臣の相馬兼嗣(そうま かねつぐ)演:西村雅彦、荒木源八郎(あらき げんぱちろう)演:寺脇康文、秋山平吾(あきやま へいご)演:上地雄輔、鈴木吉之丞(すずき よしのすけ)演 :知念侑李とともに奇想天外な策で応戦しますが、すんなりいくはずもなく…というのがあらすじです。
今日はここから、参勤交代とごはんについて掘り下げていきたいと思います!
参勤交代って、実際どのくらいの人が参加したの?
作中では超!イレギュラーな手段&少人数で江戸に向かいますが、実際の参勤交代は、参加人数も多く、強行日程で組まれる一大イベント。
各地の大名がおさめる藩の石高(ざっくり言うと、その土地のお米の量)に応じて、「20万石以上で約450人程度」、「10万石で約240人」などと、人数も決められていました。
ただ実際には参加人数はどんどん増えて、規定以上の数で江戸に向かうことも多かったとか。
(なんと4,000人の行列を作ったお殿様もいたんだそう…!)
(出典:https://ukiyoestock.com/jp/8984672-02/)
大人数、しかも長旅。ごはんはどこで調達してたの?
そんな大人数で移動するとなると、やっぱり気になるのはごはん問題!
今のように、あちこちにコンビニがあるわけでもなく、ファミレスがあるわけでもなく。
パウチやレトルトのように日持ちする食品があるわけでもなく。
そして同行するのは大名、つまりは一番偉い人。
組織のトップに「今日のごはん、何か適当に探してきたやつでいい~?見つかるかわかんないけど~」というわけにもいきません。
こうしたニーズに応えたのが「宿場町」。
宿泊場所を提供するとともに、食事や炊事場も提供していたといいます。
参勤交代の一行は、一般客は泊まることのできない「本陣」や「脇本陣」に宿泊して食事をとり、体を休めていました(ただし、参勤交代とは言え、事前予約が必要だった模様)。
この本陣がまた広い…!「部屋」じゃなくて「家」を一軒借りている感じです。
(出典:写真AC)
ただいくら広いといっても、全員が同じ場所に泊まるというのは難しく、小間使いは近くの旅籠(一般の人向け宿泊所)に泊まり、ごはんも自分で調達していたようです。
地元からの差し入れ以外にも…!?
「じゃあごはんや食材は、行く先々で作ってもらってたんだー…」と思ったあなた。
惜しい!半分正解です!
もちろん本陣には料理人がいて、おもてなしの食事を用意していたところもあったようです。
が、有力な大名ともなると、毒殺の危険があることから、家臣の食事係が各地で食材を買い付けたり、差し入れてもらったりして準備し、本陣の台所を借りてごはんを作っていたんだそう。
きっとこんな感じだったのでしょう…。
(出典:https://iwasebunko.jp/stock/collection/entry-199.html)
さらにこだわりのある大名は、鍋や漬物樽、調理器具まで自前で用意して運ばせていたとのこと。
そりゃ参加人数も増えますよね…。
自分たちでごはんを用意する場合、朝と夜は本陣で作ったもの、昼は出発前に作っておいた「お
重」をいただくことが多かったようです。
ちなみにこの「お重」が、その後のおせち料理や仕出し弁当の原形になったと言われています!
(出典:写真AC)
まとめ
参勤交代という大名にとっては、数年に一度の一大イベント。
とにかく期日までに江戸に向かうことが目的で、決して旅行気分ではありません。
また、1日で40キロ歩いたという記録が残っているくらい道中は過酷。
ハードな状況であっても、「食」を重視してしっかりと楽しむのは、どこか日本人らしい?のかもしれません。
お菓子片手にのんびり映画が観たい&ゆるい感じの笑える映画が観たい、そんな気分の時はぜひ「超高速!参勤交代」を観てみてくださいね!
(続作の「超高速!参勤交代 リターンズ」も笑えます!)
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