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いつの時代も共通の悩み「結婚」夫婦円満の秘訣はあの食べ物

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「結婚」という普遍的な悩みを描いた映画

結婚というのは、いつの時代も人間にとってのクセモノである。

結婚をしていない者は、いつ結婚するのかと言われたり、結婚に行き遅れたんだと気を使われて逆に何も言われなくなったり。結婚をしたらしたで、子供はいつだとか、旦那の出世はどうだとか、浮気がどうだとか・・・。

他人と一緒に生きていく決心をするだけでも大変なのに、社会からのプレッシャーは半端ない。世の中は「結婚」を中心に回っているのではないかと思う程、世間はその話に溢れている。

そしてここにも「結婚」によってイライラしたりモヤモヤしたりしている人達を描いた映画が。その名も『お茶漬の味』である。

監督は小津安二郎、脚本は小津安二郎と野田高悟。1952年、今から64年前に作られた映画だが、現代と同じように「結婚」に問題を抱える人々が、したたかに強く、自分勝手に、優しく描かれており、安心さえ覚える映画である。

身分差婚の2人のギャップを埋めるのは『お茶漬の味』

お見合い結婚をした妙子と茂吉だが、上流階級出身の妙子は質素な生活を好む夫の茂吉が気に入らず、姪の節子や友人達と、結婚前のように遊び歩いている。
妙子は茂吉に反抗的な態度をとり続けるが、茂吉は妙子が外で遊び続けている事にも見てみぬふりをするような優しい男である。

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そんな二人は姪の節子がお見合いを逃げ出した事で衝突し、すれ違いを繰り返す。妙子の家出や茂吉の海外への転勤など紆余曲折を経て、最後にはお茶漬がふたりの絆を結び直してくれる、といったシナリオだ。

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お茶漬といえば、ご飯にお茶と漬物でさっぱりと食事の最後をしめる、優秀な日本の食べ物。元はといえば江戸時代に始まった、使用人が手早く食事を済ませるための食事法だったと言われている。今では、地方限定のお茶漬海苔やお茶漬専門店もあるほど皆に愛される、さらさらガツガツと食せる日本の素晴らしい発明品のひとつである。

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お茶漬を通して深まる夫婦の絆

映画「お茶漬の味」の中では、他人と他人が夫婦として生活していく中で、どうお互いに歩み寄っていくのかが、食べ物を通して描かれる。

「ご飯に汁をかけるなんてはしたない!イヤヨやめてよ!」とプンスカしていた妙子が、最後には、普段は女中に任せきりな台所に茂吉と入り、やれ漬物だ、ぬか漬けだと漁りながら、「私もお茶漬食べてみる!」と旦那と向き合い茶漬けをすすり、旦那への愛に気付き、涙する。お茶漬を食べながら茂吉は、「夫婦とはお茶漬の味なんだ」と言い、妙子は素朴なものの大切さに気付き、夫への愛情、結婚の素晴らしさを初めて知るのだ。

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©松竹

あなたにとってのお茶漬を再発見…

筆者はもっぱら夏に食べる茶漬けが好きだ。冷たい茶をご飯に注ぎ、さっぱりした漬物や梅干しと共に、世の中の全てを洗い流すかのごとく夜風にあたりながら一人、ずずずっとすするのが悦で大好きなのだが、皆さんはどうだろうか。

映画「お茶漬の味」を観て、お茶漬をすすりながら、今夜、あなたにとっての「お茶漬の味」を再発見してみてはいかがだろう?

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Written by パンダ悦子

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